第2話 海外に住むのは
外国に住むのは好きだ。
大学進学を機に故郷の沖縄を出てからは、どうせ沖縄の外にいるんだから広い世界を見たいと思っていた。
沖縄に帰りたい気持ちは常にあるが、たまの帰省でも心が満ちるパワースポットのため、ずるずると県外生活をしている。そんで、今は国外生活だ。
夫の故郷である国に住んでから、特に日本に帰りたいとホームシックになったことはない。
しかし何が嫌だったか、を一言にするなら。
「何もできない人」になった気がすること、である。
「温かいお茶はありますか」が食堂で通じず、何度も言う羽目になったり。
スーパーの会員登録で電話番号を言うも発音が悪くてやはり通じず指で伝えたり。 メンタルがちょいと弱っていると、相手がバカにして笑っているようにさえ見える。
元気な時には、こちとら外国人でっせ、あんたらが日本語できないから歩み寄ってあげてるんじゃい、と強気でいられるんだけど。
しょぼん、とすることもある。
誇れるほどのキャリアはないけど、親ががんばってくれて学歴もそれなりにつけてもらったのにな、東京でいい仕事もしていたのにな、とかしょーもない自尊心が「はいさい」してくるのだ。はいさい、おーじさん♪のメロディーで志村けんが浮かんでは、コロナ禍だったので落ち込みに拍車がかかる。
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