あとがき

 終わった。

 本作品、旧ツイッター上であげた「少年漫画的孕ませ展開」というネタをトリガーにして書いた話なんですが。

 ちゃんと終わらせられて良かった。


 私はエロシチュで一番好きなのが「妊娠」なんですよね。

 というか、妊娠が無いとエロとは思えない。

 学生時代からずっとそう。


 昔から

「ひぎぃ! 妊娠しちゃう!」

「あなたの赤ちゃんがおなかに居るんだ。嬉しい」

「私、今日、危険日なんだけど、あなたならいいよ」

 みたいな台詞が好きだったんですけど。


 同じ性癖を長年続けていると、より深奥に踏み込んでしまうんですよね。

 踏み込んだ結果


①子供を設けたカップルは、立場が同格になる。それが真カップル。

②それは相手への呼び方に顕著にあらわれる。年上キャラは丁寧語に。年下キャラはタメ語に。


 そういうことに気づくに至った。

 でそこから

 

 子供を設けたカップルは、保有している特殊能力が同じになるべきじゃないの?


 そういう思想が生まれ、そこから「転写」の設定に繋がる「少年漫画的孕ませ展開」が生まれたのですが。


 実際、転写がある世界設定でやむ得ず転写を行わないといけない状況だったら、となると、とても複雑で厄介な心情になるのよね。当たり前だけど。


 この話を書く前に「この物語はロメロ監督のゾンビシリーズみたいな話にしよう」と思っていたのですが。

 つまり、ゴテゴテした設定が、ただの舞台設定で、主人公の乗り越えるべき壁じゃない、みたいな。

 ロメロ監督のゾンビシリーズを観たことがある人は分かると思うのですが、あの作品、ゾンビはただの災害で、主人公の倒すべき敵じゃないんですよ。そういう災害が発生している世界で、起きる人間模様を描く作品なんです。


 それと同列にするのはちょっと躊躇してしまうんですけど、書きたかったのはそれ。魔族だの2000年前の戦争だのは、転写に正当性を持たせるためだけの設定なんです。主人公が乗り越えるべき壁じゃない。


 本作は「転写に関わる物語」なので、話のはじまりは転写で、最後の敵も転写がらみ。

 まあ、正しい流れだと私は思うんですけど。

 転写としては比較的幸福な流れで仕事を終えた主人公が、最悪の転写の犠牲者を敵にして戦う。私としては面白いのではないかと思ったんですけど。


 ここからはキャラ評


主人公・藤井大河

 こいつのコンセプトは、漫画「正反対な君と僕」の陰キャ野郎の平を、自分が書いたらどうなるか? なんですよね。

 こんなの平じゃない! と言われたら返す言葉も無いのですが。


ヒロイン・山本久美子

 こいつはメインヒロインで、双転写を狙うという設定だったので、合理的、知的、非処女。この3つはすぐに決まりました。

 知的さを出すために、前職は司書に設定。


負けヒロイン・佐倉進美

 こいつはエロゲ主人公の桜井進の名前を変換して名前を決めました。(最低だな)

 ただ、悪い奴では無い設定にしてたので、ああいうメスガキ気質のキャラに。

 ……ただ、書いていて「こいつメインヒロインにしたいなぁ」という思いがムクムクと。しなかったけど。そういうキャラじゃないので。


サブヒロイン・小石川翔子

 この人はまあ、理想の貴族女性を書きたいなと思って作りました。

 最初は「転写に参加させるのに人妻はまずくない?」と迷っていたんですけど、書く側としてはそっちの方が面白いよなと思ったので、最終的に参加させました。

 生まれた子供の扱いは、かなり最後まで悩みましたよ。最終的に、主人公が初等学校に登校する息子と娘を見送るラストもありえた。


地球帝国皇帝

 このキャラは、自分の思う帝王像を美少女化したキャラです。

 何を参考にしたのかはちょっと言えないですね。(分かる人には分かるかもしれないけど)


ラスボス・百田鶴来

 ラスボス。転写の物語だから、転写の犠牲者が最後の敵であるべきだ、と思って作ったキャラ。

 名前の由来は、ももたろう、から「ももた」→「百田」

 そして、有名少年漫画「魁!男塾」の主人公の剣桃太郎の名字から「つるぎ」

 こういう感じで。サブで付く魔力に関しては、剣戟による戦いで、持たれると一番困る能力は何か? というところから決定。


 ……以上のような感じです。

 それでは、ここまで読んで下さった方ありがとうございました。

 本当に感謝しております。

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