短歌 感染症病棟連作

@ruuaaa

連作7首

担当の患者が死んでも明日は来る

喘鳴とアラームってわりとうるさい


炎昼や 患者のまばらな歯を磨く

n95は頬が荒れる


「状況がよくなってから帰省します」

けっきょく祖父の死に目に会えず


先輩の産休を憎く感じる

貴方のことなんて嫌いだったきっと


九時半の帰路、飲食店の黒い窓

普通にご飯買うの忘れた


蟹工船だね、と愚痴った人も辞め

タイタニックに取り残された


ひさかたの面会謝絶や どこまでも

清潔で白い病棟の床

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