第24話

 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 〜 じん side 〜



 メンズコスメの撮影

 上手く表情が作れず休憩を挟む


 休憩が終わり 撮影再開…

 と、思いきや


 カメラマンの郷布ごぉふさんは

 今日は もう

 俺の撮影はしないと言った…


 理由は カメラにおさまった

 休憩中に撮られた写真



「アタシが注文した通りの顔が

 できたって事は

 そういうこと…でしょ?( ・ω< )⌒☆ウフッ」


 アミさんの口の尖った表情で

 爆笑した後の顔…


 とても楽しそうで

 穏やかな笑顔で映ってる俺を見て

 自分でも 良い顔してると

 思ってしまった…



 "大好きな彼女を愛しく思う顔…"



 やっぱり…俺…

 アミさんのことを……



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 〜 咲 side 〜



しゅんちゃ〜ん!!!!」


 Σ(||゚Д゚)ヒィ~!!!!

 郷布さんの猫なで声…


「ちゃん付けやめてくださいよ!郷布さん!

 …咲 これ見て!鳥肌やべぇ…」


 袖をまくって見せてくれた


「(*°∀°)・∴ブハッ!!w…俊 ファイティン」

 隣で ふき出してしまった



 爺ちゃんのお見舞い帰りに

 すったもんだあったけど

 俊は いつも通りに接してくれている…



「ねぇ、これも見てよぉ♡」


 郷布さんが見せてくれた画像…



〚あっ……〛

 木村さんと、須賀すがさんの声が揃った…


「メガネ男子…良いでしょ( *¯ ꒳¯*)ふふっ」


 そこには

 目を細めて思いっきり笑う

 須賀さんが写っていた…


「うわぁぁぁ…この表情!良いですね!!

 こちらも 使わせてもらいたいなぁ!!」


 目をキラキラさせて俊が言うと

 他のスタッフも同感とばかりに

 うなずいた


 1人だけフリーズしてる…


「アミっぺ?どしたの?」


「えっ…あ…えっとぉ…アフアフ…」


「体調悪いの?」


「すみません、咲さん!

 姉ちゃん連れていきますね!」


「うん、ありがとうね!」



 智くんが アミっぺを

 木陰に連れていった



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 〜 アミand智 〜



 みんなから 少し離れると


「姉ちゃん!…落ち着いて!

(*°∀°)・∴ブハッ!!w」


「ごめんサト…助かったε-(´∀`;)ホッ

 焦っちゃった…(*´艸`)アハハ…」


「アフアフ…って なんなの?(*≧∀≦*)www

 でももし あの写真が採用されたら

 覆面アーティストじゃなくなるよね…」


「私たちが とやかく

 言うことじゃないけど…

 どうするんだろうね〜」


「優さん、めっちゃ良い顔してた…」


「…そ、そぅだねぇ(///∇///)ゞ」


「(´▽`*)アハハ!

 姉ちゃんが照れてどうする!ww

 …優さんと堂々と 一緒にいることが

 できないのはツラいね」


「…有名な人だから

 色々と覚悟はしてるよ…

 一筋縄じゃ いかないだろうね

 私も 初めてのことだから不安だけど…」


「最近の姉ちゃんも良い顔してるよ(*´꒳`*)」


「そ、そうかな…(/// ^///)」


「何かあったら僕が守るから(◦`꒳´◦)フンッ!」


「ありがとう、サト!(*´꒳`*)」



「智く〜ん!

 郷布さんが撮影したいって!」


 さきっちょが呼びに来てくれた



「ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノどうしよう…

 郷布さん、怖いっっ(ㅎ.ㅎ )」


「私も一緒に行くから(*°∀°)・∴ブハッ!!w」


 郷布さんが待つ撮影場所に

 向かおうとすると


「アミっぺ、話あるんだけど…」


 ちょっと深刻そうな顔の

 さきっちょに呼び止められた…



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



「智ちゃ〜ん♡こっち見て笑ってぇ〜♡」


「無理で〜す…ヒィィ(´∇`;)」


 撮影場所…

 引きつった顔して

 無理やり笑顔を作るサトを横目に

 近くベンチで さきっちょの隣に座る



「どうしたの?」


「あのね、アミっぺ

 俊のことなんだけど…」



 ぬぉぉぉ!!!!

 なになに!進展あったのか?!


 先日 ジジイから

 さきっちょが俊と

 見舞いに来てくれたことを聞いて

 お礼を言った


 その時の さきっちょの顔…

 なんとも複雑な表情をしていた


 気には なってたけど

 敢えて触れずにいた…



「好きなんでしょ?…」



 ・・・・・・( ・∇・)・・・んぇ?


「えっと…何が?」


「だからっ!俊のこと好きなんでしょ?」


「私が?なんで?」


「……はぁ〜(。´-д-)

 アミっぺも 俊と同じ反応するんだね!

 さすが相思相愛っ!」


「はい?」


 ちょっと待て…

 Now Loading…(。・ω・?)えっとぉ…


「どうして そうなるの?私が俊を?」


「そう!俊にも好きなのか聞いたら

 アミに聞けって言われたの!!!!」



 ア゙ア゙ア゙!

 逃げやがったな、俊( #`꒳´ )ガルル…


 話を聞けば

 あの数年前の休憩スペースでの出来事が

 ずっと引っ掛かってたようだ



 …さきっちょに言おう



「私、今…本気で恋愛しようと思ってる!

 あ、もちろん 相手は俊じゃない!!!!」


「え…(・∀・)??」


「彼のことは

 今は まだ言えないけど

 一緒に居たいって思える人なの!

 言える時が来たら

 ちゃんと教えるから!

 勘違いさせてたんだね…ごめん!

 あの休憩スペースの出来事は

 俊がね、さきっちょを 守ったの!

 そのことに感動して泣いちゃったの!

 この続きは 俊に聞いて!」


「俊が私を守った?…

 アミの好きな人は 俊じゃない…のね…?

 新人研修から ずっとじゃれ合ってたから

 好き同士なんだって思って…

 焦れったくて…早く くっついちゃえ!

 って思って 爺ちゃんに俊を会わせたり…

 でも、このまま2人が付き合ったら

 何か嫌だなぁって思ったり…して…

 その…ゴメン…」



 少し早口に

 今まで思ってたことを 吐き出して

 小さく謝る さきっちょが

 めちゃくちゃ可愛くて



 ギュッ…と抱きついて


「さきっちょ〜可愛い!大好きだよ!!!!」


「えっ…‎( ꒪⌓꒪)私のこと好き…なの?」


 俊と一緒でポンコツなのか!!!!

 …からかってやる(*ФωФ)フフフ

 体を離すと


「…咲のこと、愛してもいいの?」


 ちょっと色っぽい目つきで

 さきっちょを見てたら


「咲が 困ってんだろ?

 その辺にしとけ(´∀`*)ヶラヶラ」


「何が その辺に…だよ!

 俊マネが逃げたから

 勘違いされてたんでしょうが!

 はっきり言いなよ!男でしょ!( #`꒳´ )」


「…だよな…

(´ρ`*)ゴホンッ!! ンッ ンッ…

 さ、さ、咲…」


「はい?」


「撮影終わったら、飯行くぞ…(/// ^///)」


「お、おぅ…(//▽//)」


「2人して照れるなし!(*´艸`)

 さちっちょ!

 もっと可愛く返事せんかい!」


「出たァ〜爺ちゃん(*/-\*)」


 

 この2人は

 もう…大丈夫だよね!



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 〜 仁 side 〜



 智くんの撮影が始まり

 スタッフ待機場所で

 体を休めてた俺たち…



「ビックリしたな…」


「まさか 俺も撮られてたとはな…」



 カメラに 収められていた優の笑顔…

 あれは……



「そういえば、向こうに行く日…

 予定では もっと前だったけど

 なにか変更あったのか?」


「そのことなんだけど…

 まだ…行かないでおこうかなって…」


「は?…行かないって どういうこと?

 一度 向こうに行ってデ…っ…」


「俺…好きな人がいる…」



 ・・・・・・



「……あぁ?」


「…まだ行けない、向こうには」


「まだ行けないって…

 お前、何言ってるか わかってる!?」


「わかってる!…でも

 今は…彼女から離れたくない!」


「…(。´-д-)ハァ-…少し、頭冷やせよ!

 何のために今まで

 準備してきたと思ってんだ?」


「さっきも…

 打ち合わせしたいって電話来てた…」


「そうだろ?

 あっちもあっちで待ってるんだ!

 当初の予定、かなりズレ込んでるんだぞ?

 ようやく夢が叶うってぇのに

 オンナに 逆上のぼせてる場合か?!

 近いうちに行って

 打ち合わせして来いよ!

 もう、決まってることなんだぞ?

 今更キャンセルなんて

 出来ないんだから…」


「・・・わかった」



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 夕方、撮影が終わり

 現場で優と別れ、事務所に戻った



「ただいま…」


「あ、仁さん!おかえりなさい!」



 事務スタッフの桃李とうりが出迎える


「おつかれ!」



 ドカッとソファーに座った


「あ〜疲れたぁ!」



 事務所に戻る車中、ずっと考えてた



 優の好きな人って…

 やっぱり アミさん だよな…

 私情を挟んで

 長年の夢を棒に振るようなことまで

 言いやがって…腹が立つ…



 俺の方が優より先に会ってたのに…

 いつものように 撮られるかもって

 バカみたいに警戒してたから…



「はぁ…」



 クソっ…




「お疲れのところ、すみません…

 週刊Boom Boomの飯野下いいのかって人から

 また電話来てました…」


「そんなに急いでるのか?」



 飯野下って人に連絡をすることにした



 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆




 ──「はい、飯野下です」


「YJの木村ですけど…」


 ──「おぉ!木村さん!

 連絡いただけて嬉しいです!」


「何度も連絡いただいて ど〜も…」


 ──「実は いい写真 撮れちゃいまして」


「相手、誰?

 最近そんな人と会ってないけど」


 ──「あら、そうですか?

 今、事務所の近くにいるので

 良かったら お見せしましょうか?」


「……じゃあ、見せてよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る