第19話

 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 撮影の打ち合わせ

 今回は結構なボリュームの話し合いで

 すっかり遅くなったので

 参加していたサトは

 打ち合わせの途中で

 木村さんのマネージャーさん(笑)に

 送ってもらうことになった


 それから1時間以上押して

 ようやく打ち合わせは終了した


 片付けをしていると

 木村さんに声をかけられる



「今日は、これで仕事は終わりですか?」


「はい!会議室 片付けたら帰りますよ!」


「送っていきます…|ノд・)ヒソヒソ

 というか、僕も優の所に行くので…」


「いえいえ、送ってもらう訳には…」


「行き先、一緒なんだし

 遠慮しないで…ね!!!(*^∀゚)b」



 "確かに…行き先は一緒だ…"



 …ということで

 送ってもらうことになった



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 会社の地下…来客用駐車場に

 一際目立つ高級車…ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

 そうだよね…人気俳優さんだもの…



 後部座席に乗ろう!と

 ドアに手を掛けると



「どうぞ(*´꒳`*)」

 と、助手席のドアを開けてくれた


「いやいや、後ろでいいです!

 なんならトランクでも…」


「。゚(゚ノ∀`゚)゚。アヒャヒャ…

 羽玖井さん面白いなぁ〜!

 荷物じゃないんだから

 僕の横に乗ってください!( ´﹀`)」


「恐れ多い…( ̄-  ̄ ) ンー

 良いんですか?すみません(^_^;)」



 乗り込むとドアを静かに閉めて

 運転席に木村さんが乗る


「よいしょ…」


「え〜!木村さんでも

 "よいしょ"って言うんですか!

 普通の人と変わらないですね(ノ∀`笑)」


「僕は至って普通ですよ!

 こういう仕事していても

 ゲップしたり オナラだって…」


「ぎゃ──!イメージ崩れるから

 やめてくださいよぉ〜!

 ダメダメ(∩゚Д゚) アーアー キコエナーイ」


「∵ゞ(≧ε≦๑)ぶっ…あ、シートベルト…」


 そう言って 木村さんが近づいて

 私の前に…

 座席の肩の方からベルトを伸ばし

 カチッと締めてくれた…


 (((;゚Д゚)))

 こういうの慣れてないから

 ドキドキ…ですよ…

 ガン見する訳にいかない

 どこ見ればいいのぉぉん!


「ん?…どうしました?」


「あ、いえ…(;´∀`)…ァハハハ…ハハ…」


「もしかして…ドキドキしました?

 だったら嬉しいなぁ…」


 そう言って、エンジンを掛け

 車を走らせた



 。゜⋆。゜⋆



 マンションに向かう車中



「木村さんは、

 あまり変装されないんですね…」


「こんなメガネでも

 バレる時とバレない時あるんですよ!

 最初に挨拶した時の

 羽玖井さんの反応…何だか

 薄くてショックだったなぁ…(´⌒`。)グスン」



 正直に言ってしまおう



「私、昔からテレビを観ないもので

 木村さんが人気俳優さんというのは

 後から知りまして…:( ;´꒳`;)ハハッ

 あの時は本当に

 失礼しましたっ!!!!(*_ _))*゜」


「僕の知名度も、まだまだだと

 反省しましたよ。゚(゚ノ∀`゚)゚。アヒャヒャ」



 有名人と雑談なんて、なかなか無い!

 貴重な時間だ!堪能しなければ!


 っていうか…

 ベランダで散々

 カマキリとは話してるのに…


 彼も有名人…

 この差は何だろう…


 私の中で、須賀さんは…もう…



「…羽玖井さん?」


「え?あ、すみません…

 そういえば ジジイから色々聞きました!

 木村さんも須賀さんも お住まいの件で

 ご苦労されてたと…」


「ジジイ…?。゚(゚ノ∀`゚)゚。アハハ

 管理人さんは お爺様でしたね!

 そうなんですよ!

 どこで調べてくるのか…

 公開してないのに

 バレちゃうんですよね〜

 引っ越してきて間もないのに

 既にストーカーから助けてもらったと

 優から聞きました…

 ご迷惑おかけしてすみません!」



 助けたって…

 どこまで話してるんだろう…

 手を繋いで階段駆け上がったこと?

 …それとも匿った時、香りに誘われ

 抱きしめちゃったことも

 話してるのかな…


 っていうか

 さっきから須賀さんのことばかり

 考えてない?(¯□¯ )ア゙ア゙ア゙



「いえいえ…(´ρ`*)コホン…

 …木村さんのお住まいの方は

 大丈夫ですか?」


「あちこちで見張られてるので

 事務所で寝泊まりするのが ほとんどで

 たまに自宅に戻ったり

 あとは 優のところで

 時間潰したりと…

 いつも 転々としてます」


「落ち着かない毎日ですね…

 私に出来ることは限られてますが

 お力になれることがあれば

 遠慮なく言ってください…」


「ありがとうございます!

 あ、そうだ!羽玖井さん!」


「はい?」


「唐突ですが、智くんを

 僕の事務所で

 預からせてくれませんか?」


「はぁ?!∑(°∀° )?」



 雑談から急に?!

 突拍子もない声を出してしまった



「あ、ごめんなさい!

 回りくどい言い方は好きじゃなくて…」


「いやいや、あのサトですよ?そんな…」


「僕…智くんに

 一目惚れで。゚(゚ノ∀`゚)゚。アハハ

 素質は充分にあると思います!」


「そんなことないと思いますけど…

 困りましたね…( -ω- ) ンー・・・」



 まさかのサトへのスカウトに

 戸惑う私…



「アミさんの許可を取ってから

 智くんにお話しようと思っていて…

 でも首を縦に振るまで

 諦めるつもりないんで…

 しつこいですよ、僕…」



 信号待ち…

 木村さんに じっと見つめられる…

 さっきまで苗字で呼んでたのに

 名前で呼ばれてドキッとする



 よく見ると、やっぱりかっこいい…

 恋多き…俳優かぁ…

 お肌も綺麗だし…

 これは たくさんの女性に好かれそうだ

 …頷ける(。'-')(。,_,)ウンウン



「後悔のないように

 サトがやりたいように進んで貰えたら

 それで良いと思ってます…

 本人が選択した方を 応援します(*´꒳`*)」



 そうよ!

 サトは もう高3なんだし!

 自分で考えて答えを出すことで

 大人の階段を上っていくのよ…


 そろそろ弟離れしないと

 いけないのかな…寂し…(´⌒`。)グスン


 まぁ、この件は

 木村さんから 本人サト

 直接 話してもらった方が…



「じゃあ、口説いても良いですね!?」


「はい!どうぞ口説いて下さい!」






「…アミさん、僕と付き合いませんか?」



 そうそう!

 付き合ってもらって…



 …ん?( ˙-˙)…なんて?



「…はい?Σ(゚д゚;)」


「・・・・・・あ、順番間違えたΣ(///□///)」


 急に顔を赤らめる木村さん…



 じ、順番って…なんだ?



「すみません…

 今のは 聞かなかったことに

 してくださいっ…(/ω\*)」


「び、びっくりしました!

 さすが 恋多き 世間お騒がせ俳優…

 (*つ▽`)っ)))アハハハ」


「あ、アレは違いますよっ!!!!!

 勝手に週刊誌が 僕にレッテルをっ!!!

 …って言っても

 信じてもらえませんよね…」


 と、寂しそうな顔をしたのを

 私は見逃さなかった



 計り知れない苦労も

 表には みせないで

 ずっと気をゆるめることなく

 みんなの前では笑って…


 真実じゃないことを書かれても

 心無いことを言われても

 必死に耐えてるのかもしれない…



 厳しい芸能界で 生き抜くために…



「…ごめんなさい!

 決しておだてた訳じゃなくて…」


「……」


「…頑張りすぎないでください」


「え?」


「ずっと 気を張ってたら

 疲れちゃいますよね…

 息抜きもしないと 壊れちゃいます…

 って、私が言っても

 説得力ないかもですけど(*´꒳`*)フフッ」


「……いや、そんなことないです」


 再び、信号待ち…

 木村さんはこっちを見ている


「…息抜き、大事ですよね」

 

 真剣な顔も、照れた顔も高貴だわ…

 神々しい…


 木村さんの手が

 私に向かって伸びてきて

 スルッと頬を滑らせた



「……アミさんの肌、スベスベしてる」



 口から心臓が

 飛び出そうだ…( ゚∀゚)ポゥ

 芸能人は みんな こういうノリなの?



「…ご、Goff化粧品の おかげですかね〜」



 ドキドキしてるのを隠して

 口から出た言葉がコレ…(||゚Д゚)ナンテコッタイ



「…あはは!すごいなGoff化粧品!

 僕もこの前、南野さんから頂いた

 サンプルを使い始めたんです!」



 頬から手を離してハンドルを握って

 車を走らせる



 あぁ…びっくりした

 家に着くまで、生きてるのか?私…


 ばあちゃん…

 まだ私を 迎えに来ないでよぉ( ºωº )チーン…



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る