第17話

 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 須賀さんの部屋で

 散々 好きだの、無理だの…

 押し問答をした結果…



「んん〜(´^`*)仕方ない…

 アミさんに

 言葉で伝わらないなら

 カラダで伝えた方が良いな…」



 そう言ってリビングの隅にある

 ベッドに運ばれた



「いや、あの…違うの!

 ちょっと私の話 聞いてよ!

 って〜…きゃ〜ぁ!!!」



 私たちはベッドに沈みこんだ



「だからっ…!!! ほ、ほら!!!!

 木村さんが入ってくるかもだしっ!!!!

 す、須賀さんは 芸能人だからぁッ!!!!」


「まだ そんなこと言ってんのっ???

 鍵は もう閉めてあるっ!!!!

 俺はカマキリだっ!!!…以上っ!!!!…」


「…か、カマキリって」


「…それでは始めますか(*´꒳`*)」


「えーっ!…開始の言葉とか、いる?」



 ここまで来ると 根負け…



 *・゚・*:.。.*.。.:



「須賀さん…私

 まだセフレの彼と ちゃんと話せて…」

 と、言いかけると


「わかってる…

 今は 俺と

 向き合ってくれるだけでいい…」



 拒絶できないでいる

 この感情を 自分のものにする

 勇気がまだない…



 でも今は…

 須賀さんに身を委ねたい…



 大切なものに優しく触れるみたいに

 指先から彼の想いが伝わってくる

 心が温かくなっていく


 あちこちに 唇を落としながら

 丁寧にほぐしてくれた


 ジワジワとカラダが温まってくると

 お互いに一番気持ちの良いところを

 攻撃し合った


「はぁ…なんかヤダぁ…ぅっ…」

 私の頭を撫でながら 不貞腐れる彼


「んっ…なに…?」


「慣れてるのが すげぇヤダ…っんぁ…」


「そっちこそ…慣れてるでしょ?…」


「俺は自由に

 恋愛出来なかったから…」



 偏見だったかな…


 芸能人だから 来るものは拒まず

 オンナを扱うのも

 得意なんだと思ってた…

 ファンの子達にも 軽々しく

 "愛してる"と言ってるイメージだし


 少しずつでも彼を知れたら…

 と 思ってるけど



 手首を掴まれ 仰向けに倒された


 パンピーの私には

 知られるとマズいこととかあるのか?

 実は にごしてるとか?

 それもちょっと悔しいから…


「…私が慣れてるかどうか

 試してみたら?ド~ゾッ」


「その言い方 ヤダなぁ……」


 ニヤッと笑って

 私に覆い被さると

 手のひらを重ねてくる


 ふつふつと気持ちがたかぶってくる



 ゆっくりと 滑らせて

 ひとつになっていく



「はぁ…アミぃ…っ…」

 吐息混じりの声で

 耳元で名前を呼ばれ…


「……っ…ィヤぁ…」


「今、キュッって締まったぁ…」

 動かずに 私を見下ろしながら

 嬉しそうに笑った



 そうか、そっちがその気なら…

 彼の腰に脚をからめて



「ゆうぅ…」


「…ぅっ…ッ!!!…」

 顔をゆがめた


「大きくなった…アッ…」



 そんな駆け引きも楽しみながら

 浅く深く…そして激しく揺さぶられて…

 フワフワと湯気が上がるみたいに

 火照ほてりゆくココロとカラダ


 お互いのとろける表情かおを見合っては

 微笑んで…舌を絡めて…指で弾いて…

 また もつれ合うように 揺れておよ


 不定期に押し寄せてくる 波に合わせて

 気持ちよく きつづけた



「これ、俺の曲…はぁ…

 聴こえる?…ぅ…ッん…」



 この部屋に入ってから

 曲が流れていたのは知ってたけど



「…今聴けない…ッ…はぁ…

 あとでっ…キクってぇ…っ」


「あれぇ?…もうバテそ?…んっ…」


「ちがゥ…んぁッッ…」

 顔を背けると


「顔…見せて……」


「はぁ…ッ…うっ…」


 今の私…

 きっと すごく乱れてる


「声、我慢しないで…はぁっ…」


 この嬉しそうな顔…変態め…っ…!!!


 人のこと言えないか…

 彼の声を聞くたびに反応する

 私のカラダも大概…


 2人の息遣いも乱れて 熱を帯びていく

 目の前がチカチカしてくる


 たっぷり時間をかけて

 カラダを絡ませた私たち

 繋がったまま 奥で待ち構える快感を

 お互いに欲しがっていた…




「あぁ…ぃく…っはぁ…ぅ…」


「…アッ…ぅんん…ッ!!!!」



 限界に昇りつめた私のナカは…

 脈打つ須賀さんを

 掴んで離さなかった…



「…っう…っ」


「はぁっ…はぁ…」



 だけど…


「足りないよ……

 俺は まだ…満たされない…っ…」


「…ちょっとっ待って…っんァ!」



 終わらない…



 まだ敏感に引き攣ってるのに

 乱れたシーツを

 さらにグッショリ濡らしながら

 再び性交まじわる…



 彼は 私に対する想いを

 刻み込むかのように突いてくる



「頭ん中…俺でっ…いっぱいになって…」



 離れようとすると

 離れさせまいと 手繰り寄せる



「ずっと俺に…抱かれてて…っ……」



 そう囁きながら 優しくうごく…

 ずるいよぉ…



 彼の想いに 応えたくなる…


 ギュッと しがみついたら

 大好きな香りに包まれた…


 自分の気持ちを

 彼の背中に爪を立て 刻印する


 


 そして 同時に悔やんだ…



 初めて抱かれたオトコが

 須賀さんだったら良かったのに・・・・・



 だったら他の人にも会わずに

 済んだかもしれないのに・・・・・・・・






 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




「…ん…っ」


 うっすら目を開けると

 見覚えのない場所…


 背中が温かい…

 後ろで寝息を立てている

 須賀さんの腕の中に 私は居た…


 …そういえば

 2nd、3rdラウンド

 いつ、終わったんだっけ…

 記憶が曖昧で

 まだボーッとしたままの脳内…


 起こさないように

 そっと抜け出そうとすると


「だめ…」


 一度 ほつれた 須賀さんの腕

 再び 私に巻き付けて

 ぎゅっと チカラを入れた


 空が少し明るくなってるような…


「ねぇ…今、何時?」


 須賀さんが 起き上がり

 サイドテーブルに置いてあった

 スマホを覗く


「えっと…あ、4:30過ぎてる…」


「朝じゃん( ̄▽ ̄;)」



 体を起こして

 ベッドの端に座った私の腰に

 もう一度 腕を回して

 後ろから抱きついたら

 背中にコツンと

 おでこをつけて彼が言う



「ごめん…ヤリすぎた…

 意識失うとか…ビビったよぉ〜」


「(;´∀`)…ァハハハ…ハハ…ハ…ごめんね…

 そんなこと今までなかったのになぁ…」



 記憶が無いと思ったら

 失神とは…(๑_๑;)ハズカシイ…

 それくらい良かった…

 と いうことなのかな…ダメヨダメダメ…


「…ァ…アミ…っ…」


「ん?」

 呼ばれて後ろに振り返ると


「……っ…(/// ^///)」


「名前呼んで 照れるなし!(*´艸`)フフフッ」


「ダメだぁ…恥ずっ(/ω\*)」



 可愛い人だなぁ…須賀さんは…



 彼に向かい合って

ゆう…」


「( °_° )…は、はい…」


 あぁ なるほど…うんうん、わかる!

 やっぱり:( :*'н'*)::;プルプル



「……恥ずいわっ(*°∀°)・∴ブハッ!!w」


「…だろ?」

 2人で大笑いしながら

 レースカーテンの隙間から

 斜めに射し込む

 昇りたての朝日を一緒に浴びた



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 シャワーを借りた


 まだ彼の温もりが残るカラダには

 知らないうちに

 たくさんのしるしが付いていて


 今までも 付けられた経験はある…


 でも今日は…

 数えるたびにドキドキした



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 〜優 side〜



( ¯−¯ ) ボーー


 シャワーの音が聞こえる

 そこには、アミさんがいる…


(*´ρ`*)ポワワーン


 やべぇ…



 でも…まだ俺は 宙ぶらりん

 アミさんの恋人…ではない…


 追いかけてるのは こっちだから

 それでもいい


 待つしかない

 わかってもらいたい

 叶うのかどうかも わからない

 うれい…はかない…

 彼女への想い



 ・・・・・・



 ちょっと待て…なんか


 使えそうなラップ 出来ちゃった

 …φ(..)メモメモ




 こんなこと 今まで無かったから

 わかんねぇ

 今…どうしたらいいのか

 これから どうすればいいのか



 ブーッ、ブーッ…


 こんな時間に電話…


 あぁ…そうだったぁ…


 スマホのディスプレイを覗いて

 ため息をつく…



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 それからの私たちは

 

 可もなく不可もなく

 通常運転で ベランダでの会話をする


 体を重ねたのは、まだあの日だけで…



 変わったのは…



「ア〜ミさん♡えへへ…」


「昨日、ゲンさんのところに行ったら

 ふんどし持って来いって言ってた」


「仁がケーキをたくさん

 買ってきてくれて

 食べきれないから、一緒に食べない?」



 …距離を縮めようとしてくる

 ウ───(´-ω-`)───ン


 私の気持ちを

 こじ開けようと躍起になる



「明日も早いし、そろそろ寝ます」


「ねぇ…

 その敬語、どうにかならない?」


「…なりません」


「ん〜悔しいなぁ…」


「須賀さんも

 ゆっくり休んでくださいね」


ゆうだってば!」


「フフフッ(*´艸`)おやすみなさい…」


「おやすみ!…また明日!」



 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆



 …カラカラカラ



 部屋に入ると着信が…


 ブーッ、ブーッ…


 仕事も忙しいのが続いていて

 "会って話がしたい"の約束も

 出来ていなかった


「もしもし?てつくん?」


 ──「あ!やっと繋がった…

 遅くにごめん…元気だった?」


「うん、相変わらず忙しいよ」


 ──「しつこくてごめん

 …会いたいんだ」



 ここはハッキリ言おう…



「もう、哲くんとは 会えないよ…」


 ──「どうして?俺 別れたんだよ?」


彩夜さよさんが…この前 家に来たの!

 二度と会うなって…」


 ──「えっ…そんなこと

 アイツ 一言も言ってなかった!」


「言うわけないでしょ…

 ごめん、電話切るよ」


 ──「ねぇ、待ってよ アミ…

 俺はアミと一緒にいたいんだ…っ…」


「私は 哲くんと付き合わないって言った!

 これ以上、困らせないで!

 こっちの身にもなってよ…

 彼女が押しかけてきて

 ビンタの土産まで置いてったんだよ?」


 ──「ごめん、アミ…痛かったよね」


「…もう、私たちは 終わり!

 しよ!

 あ、彼女の名前だった…フフフッ」


 ──「アミっ!!!! 待っ…」



 プツンッ…

 通話を閉じて

 なんの躊躇ためらいもなく着拒した


 

 哲くんとは 割り切った関係

 恋愛感情は 最初から無かった

 あっちだって 並行して

 彼女とも続いてたんだよ!

 だから 今更 別れたから

 一緒にいたいとか…勝手過ぎる

 そんなこと言われても困る



 最初に言ったじゃん!

 付き合わないって!

 バレたら終わりって!

 アナタはセフレ!


 ″…終わったのよ″



 逆の立場なら

 きっと 傷つくんだろうな…


 男に復讐するみたいに

 今まで…そうやってきた




 でもこれからは…

 ちゃんと向き合わなきゃって

 決めたから…




 須賀さんにも……


 自分自身にも……


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