第6話

 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 連日続いていた会議室論争は

 今日で だいぶ落ち着いた



 しゅんマネに


「今日は定時上がりでいい?

 私、予定あるので…」


「なになに、またオトコか?( *¬ω¬)」


「その言い方、やめてよ(´∀`*)ヶラヶラ

 オトコはオトコでも、弟が来るから」


「おぉ〜さとしくんか!

 しばらく会ってないけど

 大きくなったんじゃない?」


「今、17歳…高3だよぉ」


「うわぁ…俺も年取るわけだ(ノ∀≦。)アハハ」


「本当…お互いにイイ年齢だね(´∀`*)

 だから俊も

 早くカタつけなさいよ|ノд・)ヒソヒソ」


「えっ…( ˙꒳˙ )」


「モテるからね、あの子…( -∀-)ニヤリ」


「は、はぁぁぁ?!」


「あら、バレてないとでも?(*´艸`)」


「…チッ…バレてたのかっ(///ω///)」


 あの照れよう…笑えるわ!

 

 …私は知っている

 俊は、長〜い期間

 片想いチウ…(`ω´)フフフ…



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 久々に早く帰れたど!

 ダァ────ッ!(*´□`)/


 管理人室の窓口を覗くと

 サトとジジイが笑顔で話してる


 サトが私に気がついて

 満面の笑みを浮かべた


 ホント、可愛くて仕方ない…(*´°`*)ハゥ♡



 …ガチャ



「姉ちゃん、おかえり(。・Д・。)ノ」


「ただいま、サト!(*´꒳`*)」


「ワシには"ただいま"を 言わんのかぃ…」


「不貞腐れるな、ジジイ(´∀`*)

 ただいま帰りましたよ、じぃじ♡」



さとす!今日は、ひょうあられが降ってくるど!

 何か起こりそうだ…

 ナンマンダブ…ナンマンダブ…

 ばぁさんよ〜助けてけろ〜( -_-)/Ωチーン」


「せっかく"じぃじ"って

 言ってあげたのにぃぃ!(#゚Д゚)プンスコ!」


「姉ちゃん、ジジイ…ニヤけてる(ノ∀≦。)ノ」


「ボハハハハ…((´∀`*))」


「素直じゃないなぁ〜まったく…

 あ、ちょっと待っててね!

 着替えてくるから!」



 食材を置いて

 管理人室を出ると

 外からカマキリが 自動ドアをすり抜け

 慌ててエントランスへ入ってきた


 私を見つけるなり

「あ!!ちょうど良かったっ!!」


「え、何っ!?」


「助けて!」


「はぁっ?」



 手首を掴まれて


「えぇぇぇ〜!!!」



 走るッ!!!!

 スタタ三(((((・o・;)ノヘ(;`д´)ノ



「ち、ちょっと!なんでっ!?」


かくまって!」



 階段を駆け上がろうとするけど

 急に止まった須賀さん…


「1段抜かしでのぼれそう?」


「あ!バカにしてる?出来ますけど!」


 彼はニヤリと笑った…



 瞬時に "掴まれた手首"を

 "手繋ぎ"に変え



 スタタ三(((((( *¯ ³¯*))ノヘ((≧▽≦)ノ



 まるで…

 遅刻寸前の学生カップルが

 猛ダッシュで階段を上り

 教室に駆け込む…みたいな…?

 やだぁ〜♡ア〜オ〜ハ〜ル〜♡…



 って…何…想像してんだ?‎( ꒪⌓꒪)



 。゜⋆。゜⋆



 "8階まで何故階段?!"

 途中、ところどころ正気に戻りながら

 足がもつれそうになる…


 ギャーギャー。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。≡┏( `Д´)┛



 803まで走る…


「早く鍵開けてっ!」


「ちょ…ちょっと、待ってっ!」



 ガチャ!


 玄関を開けると

 先に入っていくカマキリ



 バタンっ!!!



「鍵閉めてっ!」


「は、はい!」



 ガチャリ…




 ゼーハー(;;;´Д`;;;)ゼーハー


 いやいやいやいや…

 どうして私も走ることになった?

 はぁ…はぁ…



 ・・・・・・・・・



『あれっ…』


 ど、どういう状況?




 今、私の背中には玄関ドア…

 目の前には男性の胸が…


 逃げ場がない…


 向かい合わせの

 カマキリに挟まれてます



 いつの間にか

 マスクとグラサンを外し

 私を挟さめたまま

 玄関のドアスコープで

 追っ手の様子を伺ってる…


「良かった…

 来て無さそうだ…はぁ…はぁ…」



 彼の 早い鼓動が…

 彼の 早い息遣いが…


 挟まれた私をドキドキさせた



 フワッと彼のシャツから

 熱気を帯びた優しい香り…


 スンスン…( ̄∞ ̄)


『わぁ…この香り、好き…』



 ギュッ…



 無意識に

 背中に腕を回していた



 ・・・・・・・・・。



「えっ…」


 カマキリが発した声で、我に返った



 あれ……( -ω- ) ンー・・・

 私…抱きついてる…?!


( ゚∀ ゚)ハッ!


「ご、ごめんなさいっ!!!!!」

 腕を解いたら

 身動き取れずにいた彼との間から

 やっと解放された



「あ、いや…こっちこそごめん…」



 初めてのご対面…?!


 見上げた先には

 美白で 切れ長の目…

 まだ息が上がっているカマキリの正体…

 俗に言う イケメンの人間だった…



「綺麗な肌してる…」

 

「そ、そうかな…」



 少しの間、見惚れてしまった


「・・・・・・」



 いやいや、沈黙してる場合じゃない!



「…っで、かくまえって

 どういうことですか?」


 慌てて、本題に戻す!!!


「あ〜…それは…」

 説明しようとしてたけど


「ちょっと待った!

 その話、長くなります?」


「ん〜少し長くなるかな…」


「じゃあ、後にして下さい!」


「は?」


「ジジイの所に、弟が来ていて

 これからご飯なので!」


「そ、そうなんだ…」


「食べてから聞きます!」


「わかった…」


「須賀さん、ご飯は?」


「いや、まだ…」


「たぶん、追っ手はもう居ない!

 とりあえず、汗かきましたよね?

 風邪ひくといけないから

 着替えてきて下さい!」



「着替え…?」


「そうですね…

 1時間後に管理人室に来てください」


「え?」


「ご飯、食べないんですか?」


「た、食べる 食べる!」


「決まりですね!じゃあ、解散!」


「・・・・・・( ˙꒳˙ )」


「ほら、帰った帰った!ゞ(o`Д´o) シッシ」


「あ、あぁ…」



 玄関からカマキリを放り出した

(ノ・ω・)ノ⌒エイッ…。・*・:≡( ε:)



 バタン…



 。゜⋆。゜⋆



 …私、おかしくなってる( ̄▽ ̄)アハハ…


「ありえないバグり方…ε-(´-`*)ハァ」



 *・゚・*:.。.*.。.:



 〜ゆう side~



 羽玖井はくいさんの部屋の前

 横目で窓の下を見る…


 "…あの女…居ないな"


 ガチャ…

 鍵を開け 自室に入る



 胸に手を置いてみた…

 まだ鼓動が早い…


 これは走ったせいじゃない…

 自分でもわかった


 抱きしめられた感覚も残っている


「ハハッ…何コレ…」



 。゜⋆。゜⋆


 さっきは またあの女にけられ

 撒きながら帰ってきた…


 一度、仁との熱愛を書かれた女優…

 実際のところは

 熱愛でも何でもなくて…


 きっかけは2年前

 仁の撮影現場と

 俺の仕事場が近くて

 たまたま 仁に用事があって

 会いに行った


 変装もせずに

 行ってしまったのが運の尽き


 "あの女優、

 ゆうのこと 好きなんだって…

 たぶん優に近づくために

 俺の方に来たんじゃない?"


 怪しい雰囲気を出す女優から

 嫌な顔せずに

 俺の事を守ってくれる仁…


 "週刊誌側が勝手に

 名前売ってくれるから

 逆にありがたいよ"


 そう言って、あれもこれも

 上手く交わしていく


 すげぇやつ…



 そんな仁に恩を返すつもりで

 今まで頑張ってきた


 堂々としていればいい…


 ずっと

 "覆面プロデューサー"…だったのに…



 今、咄嗟の出来事で

 見せてしまった素顔…


 引っ越してきてから

 ずっとグラサン越しに見ていた

 お姉さんの顔…


 俺を見る 澄んだ眼に

 とらわれて動けなかった…



「いや…違うだろ…」

 ブンブンと頭を横に振った



 おっと、着替えないと…



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



「ごめんね!今作るから!」


 着替えて、管理人室に戻ると

 サトが心配そうに話しかけてきた


「姉ちゃん、どうしたの?

 さっき走ってたよね?

 外に怪しい人も居たから

 お巡りさん呼ぼうかと思った…(´^`*)」


「あぁ〜ちょっと巻き込まれた(*´艸`*)」


「一緒に走ってた あの人誰?」


「顔を見せられない ワケありの隣人…」


「えー!802?

 ジジイ!あの人誰なの?ヽ(`Д´)ノ」


 サトは、興奮気味…


「おめぇたちには、言うておくかな…」




 ジジイは教えてくれた


 あの…隣人カマキリの正体は……

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