第4話 めぐみんの葛藤
【めぐみんside】
今、私達はゆんゆんの家のリビングにいるのですが、
「それで何を聞きたいんだ ?」
「そうじゃないでしょう !
何故、あなたと私が一緒のソファーに座っているのですか ?」
族長とゆんゆんが一つのソファーに座り、アラシが私をお姫様抱っこしながら、一緒に座っているのだ。
「めぐみんの顔が真っ赤よ。 何時もと違うわ !」
「ゆんゆん、うるさいですよ !」
何時もと勝手が違う。
何時もは私が ゆんゆんをからかう立場なのに、アラシが来てからは調子が狂ってしまう。
私の顔が真っ赤なのも耳まで赤く成っているのも羞恥心からであって、断じてこの男を好きに成ったワケでは無いのだ !
なんとか脱出しようにも、私を抱えている腕はびくともしない。
私の葛藤を知ってか知らずか、この男は先程制作した冒険者カードを置いて確認しだした。
「俺の名は、大江戸嵐だ。 よろしくな、めぐみん」
挨拶には挨拶で返さないと紅魔族の名折れです。
「我が名はめぐみん !
紅魔族随一の魔法学校の主席にして、やがて最強の魔法使いに成る者 !」
「おおー、立派な名乗りだね。 ゆんゆんも見習いなさい 」
「アラシにお姫様抱っこされている姿で言ってもカッコよくは無いわよ 」
ゆんゆんも言うように成りましたね。
婚約者が居る余裕でしょうか。
今はまだ、爆裂魔法のことは秘匿しないといけません。
出ないと無理やり中級魔法や上級魔法を無理やり覚えさせられてしまうかも知れらいから。
アラシがいじっているカードに注目してみると、年齢が16で、レベルが18に成っている…………!
「スキルポイントが95もあるよ !
それに、全状態異常無効と対物対魔法耐性スキル値が高いわ !
対悪魔攻撃力なんかに至ってはカンストに近い値が付いている 」
アラシは奇襲スキルやウエイポンマスタースキルや筋力や敏捷スキルにポイントを割り振っていた。
「アナタ、正気ですか !?
これでは、上級魔法どころか中級魔法だって覚えられませんよ !
そうしたら、魔法学校だって卒業出来ないのを知らないのですか !?」
「退学したらいいだけだろう。 冒険者は実力主義なんだろう、学歴なんて飾りにもならんだろう 」
なっ ! なんて非常識な男なんだろう。
族長もゆんゆんもアングリと口を開けて驚いています。
「そうなると、主席のめぐみんより俺の方が冒険者に成るのは早いワケだ。
まあ、その時には後輩として可愛がってやるから安心して青春を楽しんでくれたまえ !」
グッ ヌッ ヌッ ヌッ。 なんとしても、この男より早く卒業して冒険者に成らなくては !
私は早く爆裂魔法を修得することを誓った。
私を見ながらニヤニヤするアラシに腹が立ちますね。
それなら、……
「ゆんゆんと云う婚約者がいながら、私にもチョッカイをかけるのは……さては私にホレましたね、アラシ !」
一瞬、呆けながらもアラシは……
「誤解させちまったか。
めぐみんは俺の妹分に似ているんだよ。
『ユリリン』と言って黒髪赤目の少女なんだが……」
なんと、アラシ以外にも紅魔族がいたとは !
ゆんゆんも族長も口をアングリ開けて驚いていた。
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