第25話 先生の部屋での考察
昨日の夜、南雲先生が風呂に入っている間に先生の部屋に忍び込んで何かしらしたのは巧君で間違いない。
しかし、巧君の話を信じれば、巧君がしたのは"ワインに青酸カリを入れたこと"ではなく、ペットボトル——確かにゴミ箱の中にはそれと紙が一緒くたに捨てられていた——の中に違う毒物を入れたことだ。
ここでは疑問が2つ浮かぶ。
・どうして、先生は青酸カリの服用で死んだのか?
・ペットボトルの中身はどうしたのか?
いや、もう1つ。本当に先生は青酸カリによって死んだのか?
現場百遍。
仲川さんに頼んで、南雲先生の部屋を開けてもらう。
私には見落としがあったのか。それとも、巧君の話には虚言が混じっている?
何にせよ、もう少しの観察が必要だ。
「どういうことなんですかね?先輩。巧君が先生を殺したんじゃないんですか、先輩の推理通り」
「自分の推理が合ってるのかどうかも判らん。でも、巧君が昨晩この部屋に入ったことは違いない。
それに、巧君が言う、ペットボトルに何かしらの毒物を入れるに至った経緯も納得できる」
「じゃぁ、巧君以外が犯人?先輩は推理を間違えた?」
1個1個のハテナを取るんや。何か見落としがあるはず。
静かな、昨日の夜、密室の部屋で先生は青酸カリを含んで死んだ。
その時にワイングラスを落とし、周囲に中身のワインが散乱。
まさにこの状況がそれを表している。
先生の亡骸のすぐ横に倒れた椅子の周りのワイン。
そういえば、ペットボトルの中身はどうなったのか?巧君が入れたのは即効性の毒ではなかった?
即効性?
その時、私の頭に一筋の光が通った。
確かな手応え、これこそが、先生の望む"結末"なのかもしれない。
再び読者への挑戦
この時、舞美が想定した結末とは?
南雲武丸が死んだ案件の全容を推理し、明かして下さい。
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