第53話 2/17.2/18 賛歌

 前日なぜか笑っちゃうほど眠れなかった。久しぶりに眠れなさ過ぎて真っ暗な部屋でストレッチとかした。歯医者に行くのがプレッシャーなのか? よくわからんけど八時の目覚ましに眠すぎて起きられず八時半起床。眠いと思いながら9時半歯医者に行き変色してるという古いレジンの治療後を再治療。ほんとに必要だった?と思いながら7千円弱払う。今年に入って既に医療費が2万を超えた。こわいこわい。昼前家に帰ってご飯を食べた後眠ってしまい、夜にコストコへ。ずっと食べたかったでっかい総菜を買う。全然減らない。

 十時前起床。ほどほどに元気。国立国際美術館の古代メキシコ展へ行く。正直あまり興味のない分野。ただ出てくる絵柄が現代の日本の漫画に出てきそうな完成度だった。漫画家は好きな人多いんだろうな、ジョジョの人も好きそうだし。とにかく全般的に絵が上手い、デザインの完成度が高い。そして興味ないので無知だったけど、アステカって1500年ぐらいまであったのね。なんかエジプト文明とごっちゃになって全部紀元前の話だと思ってた。

 ついでにチケットがついてきたコレクション展も覗いたけれど、いま現代アートを見るとなんだかイライラする病気にかかっているようだ。なんか知らない人が切り取った何気ない日常とか見せられるとはぁってなる(超ブーメランなのは知ってる)衝動や怨念がないアートなんて結局金持ちの遊びじゃないか。でも遊びが他人を慰めることもあるか。そうなると見たい物だけを見続けるっていうのも悪くないかもね。だって生きてる間に見られるものなんてそんなにないし、適切なタイミングで適切なものを見ないと受け取るメッセージはまったく人によって違う。昔AV?にも出てた女性タレント(名前忘れた)が「私はカメラに向かって体を曝け出すことで、誰かが救われるって本気で信じてるんですよ。」って言ってた。その気持ちなら少しわかる。祈りの形は人それぞれ。人生を賛歌するのに性的表現は一番生々しくて根源にあるものだと思う。だからこそそれを嫌う人も沢山いて、私個人も直接的な表現をすることはたぶんないけれど、大事だよね。

 家に帰ってつかれたなぁと思ってたら猫がソファで眠りだした。可愛かったので添い寝してみた。猫はだいたい私の膝や足の間で寝るので寝ている顔を間近で長時間見ることは意外と少ない。この日は珍しく私が顔を近づけて横に寝転んでも逃げなかったのでそのまま猫が眠るのをじっとみていた。鼻息がうるさかったのか顔は背けられたけど、猫は後頭部もかわいいのでそれもよし。人間賛歌は身構えてしまうけれど猫賛歌なら無限にできる。

 猫を見ながらしばらくうとうとしていたら、猫の蹴りで目が覚める。夢の中で走ってるのか。こっちは熟睡してたのを唐突に起こされるので頭がぼうっとしたまま現実に引き戻される。猫はいつもそう。自分だけ幸せそうに眠り続ける。かわいい。

 そんな日々。

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