第26話 12/20 差しだされた手を丁寧に断ってきた

 なんとなく起きたくなくてベッドの中でうだうだ過ごす。昼前に仕方なく起きると猫が「よう兄弟、100年ぶりだな。」みたいな顔でこちらを見る。怒りもしないし騒ぎもしない。まあカリカリも水も出してあるからね。あと数時間は平気だよね。とりあえず猫は尻を叩かれたいんだね。私は尻叩きマシーンじゃないんだよ?と撫でまわしてたら猫毛がすごく舞った。冬にブラッシングするとなんか寒そうでどうなのかと思ってたけど、これはひどいということでガシガシとブラッシング。舞い散る毛。なんで寒い筈なのにこんなに毛が抜けるんだろう。

 もはや昼ごはんでしかないトーストを食べながら膝の上の猫を撫でる。本当にこの猫は私を柔らかな暖房器具としか思ってないらしい。いいよ、それでも愛してるよ。でも動きたいからどいて。

 そういえば昨夜床拭いたら黒かったなと思い要らない布で床を拭く。たまにウェットタイプのシートで拭いてるけど全然足りないらしい。うーん。この家生活するにはそんな広くないけど、這いつくばって床を拭くにはちょっと広いんだよな。そういえば玄関ドアも汚れてたから外に出て拭く。ここは風が強いと雨が直接当たるのでわりと汚れている。その後玄関の四隅を少し拭いてお終い。ちょっと年末っぽいんじゃないだろうか。家具の置いてない部分を3割ぐらいしか拭いてないけど。

 ここ最近少しづつ文章を書きたい気持ちが高まってきている。書こうとして書いてない物語はまだ熱があるし、物語を書いている間は幸せだということも知っている。それらを押しとどめるのはなんのか。必要なのは勇気だとアドラーは言っている。嘘、言ってないかもしれない。大ベストセラーになった「嫌われる勇気(岸見 一郎 (著), 古賀 史健 (著) )」は本棚にあるが読み返す気はしない。

 残念ながら私は理由がわからないまま嫌われることも多かったので、どうせ私の人生ってそういうものだと思って生きてきた。今もそれは変わらない。私は自己中心的であり、他人に嫌われることを気にしない。厳密に言うとちょっと気にしてるけど、それは今日雨降らなきゃいいなあぐらいのものでしかない。そして私は連絡を取り合う人もいなくなった。人間関係をリセットしたつもりはないが、ほとんどの人とはもう互いに連絡してもしゃべることないよねという状況だ。私はそれを望んだような気もするし、望んでいないような気もする。

 ”差しだされた手を丁寧に断ってきた”というバンプの歌詞を求職中の今よく思い出す。一人で生きていけないくせに拒絶ばっかりしてきたんだよな・・・でも結構世の中の方も理不尽だったよ? 嫌なことを嫌だって言っちゃダメだったのかい? ダメだったんだろうな。傷つけられたからって傷つけ返したらダメだったんだろうな。私に必要なのはきっと人を信じる勇気だ。正直一生身につく気がしねぇ。そんな日々。

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