第15話 漫才天国

 セブンイレブン限定のアイスが美味しそうだと思って買いに行ったんですよ。そしたら関東限定だったそうで。でもいいの。関西にはNGK(なんばグランド花月。吉本興業が運営するお笑い・喜劇専門の劇場。)があるから。

 ということで行ってきました「笑い飯の漫才天国2023 〜大阪公演〜」。いわゆる単独ライブというやつです。単独といいながらゲストもいるのがお約束。今回は男性ブランコ、キュウ、天竺鼠の三組がきてました。席が二階の奥の方で目が悪いのもあってキュウは顔芸やってたっぽかったけどよく見えなかったです。でもビックリするぐらい間を取るのは勇気があってよし。男性ブランコのキモ可愛いネタは年寄りには受けんなぁと思いました。ある程度の年齢になると人の外見がキモイとかあんまり思わなくなる気がする。それより語りたいのは天竺鼠について。

 不確かな情報によると天竺鼠は瀬下がスキャンダルすっぱ抜かれて活動自粛してからこれが初のNGKだったようで。瀬下の方は一度客にちゃんとお詫びをしたいという雰囲気を漂わせてたのに、絶対させまいとしてかボケ続けた川原が最高でした。ほぼマイク前に立たずトリッキーなボケを連発して最終的には「はよ止めさせてもらえや!」と瀬下に強制的にツッコまして舞台を去っていきました。あれは漫才じゃなかったけど大爆笑とってたからオッケー。五千円払って笑い飯見に来るような客は笑いに来てるだけだからね。

 天竺鼠・川原といえばナスビの被り物してる変人というのが定説ですが、どうにもシャイな人物っぽいんですよ。知らんけど。誰かが目の前で真面目に謝ってるのとか見てられなかったんじゃないかな。共感性羞恥ってやつで。それは大人としては褒められたもんじゃないけど、芸人としては大爆笑をとったのでオッケーだと思います。

 誰でも見てられない瞬間ってありますよね。親が失敗してるのとかね。私はサスペンス映画とかで誰かの嘘がバレないかドキドキしながら見るのがすごく苦手です。ハラハラが楽しいとか意味わかんない。人生にそれって必要? でも楽しそうに見てる人もいるのでそれがその人にとってはよい刺激なんでしょうね。私だって夜外に出るの嫌いなのに漫才の為に夜の繁華街に出かけたし。ちなみに19時半開演で終わったの22時近くでした。長かったけど楽しかった。笑い飯の漫才は4本でした。識者によると半分が新作だったらしいですが私は詳しくないのでわからず。でも無条件で笑えるのはいいものです。漫才って話芸なのでね。芸達者な人は見てて楽しい。

 昔、博多華丸大吉がTVの漫才コンテストに坊主頭で出てきて、ネタをやる前になぜ坊主なのかを説明するところから始めてたけどちゃんと優勝してた。(演劇か映画かなんかの都合だったらしい) ネタだけに一生懸命なコンビであればなにも説明せずにネタだけやっただろうけど、プロは客がちゃんと話を聞いて笑ってるかを気にしながらしゃべるんですよね。客の反応は大事。でもそればっかり気にしてると自分を見失ったりするから難しい。仕事、決まりません。

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