第14話 ムカつくポジティブ
集団の中にたまにいませんか? マジで何も出来ないくせにそれを指摘されても異様にポジティブな人。ムカつきますよね。でも私ちょっと理解できちゃうんですよあれ。
具体例として昔出会った人のことをお話します。職場で会ったんですが、まぁ仕事が出来ない人でした。能力とかじゃなくてとにかくすぐにサボる。すぐに手を抜く。いかに楽をするかに全振りしてる人でした。しかもちょっと仕事をしただけですぐ褒めてもらいたがる。いや、仕事するから給料貰えるんやで…というこちらの言う事は聞かずひたすら些細な仕事の成果を自慢してくる。当然慣れてる人からはまともに相手にされないので、社歴の浅い人を狙い撃ち。もうアイツと働きたくないという声に応えてありとあらゆる部署へぐるぐる回されてましたが、本人はそれを「会社に期待されてるから色んな仕事を任されている」って言ってました。それ聞いたとき力抜けたわ。本気で言ってたっぽかったし。それなりの歳で役職もなく、むしろ後輩がどんどん出世してるのを見ててそれなのかと。でもねぇ、ちょっとだけわかるんですよ。
たぶんその人は子どもの頃からダメ出しばっかりされてきたんじゃないかなと。実際ダメだったのかもしれませんが、否定ばっかりされると心が歪むんですよ。生きていく為には自分で自分を褒めるしかなくなるんです。自分で自分を否定し続けるのは本当に辛いことだから。周りが気休めで言った「やろうとした事が大事」みたいな言葉を心の拠り所にして、やろうとした自分はなんて偉いんだ!と自分に言い聞かせている内にそれを信じ込んでしまってのかなと。
とはいえ常に褒められたがってる承認欲求の塊みたいな人がそばにいるとウザいです。優しい人はつきあってあげてましたけど、あれはもう介護でしたね。そこは大きい会社だったので飛ばす部署は沢山ありましたけど、小さいとこだと辛いですね。大体そういう人は自分がいないと会社が潰れると信じてるから絶対辞めませんし。
でもね、数々の仕事を辞めてきた私が断言しますが、結局辞めない人が勝ちですよ。たとえ誰かを犠牲にしても我を押し通した人が勝ちです。みんなこの世に存在できる居場所を求めて他を蹴落としあってるんですから。居場所を譲っちゃ駄目なんです。でも世の中には自分の居場所がわからない人もいましてね、私のことなんですが。いつまで経っても、ここではないどこかへ…とか昔の歌の歌詞みたいなこと思ってます。まだひょっとしたら見つかるんじゃないかと思ってます。
とっくに辞めた職場の人を定期的に思い出すのは、たぶん自分と他者似たものを感じてたからだと思います。いや前述の人は普通に嫌いだったんですけどね。ただ自分は出来るって根拠なく思い込んでるあたりが重なるなぁって。私は周りに迷惑をかけないようにしてたのでそんな嫌われてはなかったと思うけれど、現実見てないって点では似たようなもんなんでしょう。きっと今もその人は同じ会社で働いてて私は無職なので私の方がダメか。ダメダメだな。
でもそのうちなんとかなると思ってるよ、根拠はないけどね(ポジティブ)。
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