第12話 局所多汗症

 局所多汗症とはそのまま体の一部に大量に汗をかく疾患です。頭部やワキ、手の平や足の裏なんかが多いようです。私は手のひらと足の裏です。

 ただ手のひらはちょっと汗のつぶが見える程度で、そんなには困ってません。「ねちゃ手、ねちょ手」とか言われたり、テスト用紙がふにゃふにゃになったりする程度です。ひどい人は手から汗が滴り落ちるらしいので、まあ私のは軽度ですね。

 困ってるのは足なんです。足、基本的になにかに包まれてて洗えないじゃないですか。汗をかき続けてずっと湿ったままの布ってどうなるかわかるでしょ? そう、臭いんです!うちの実家はなぜか冬になると室内ブーツ(もふっとしたやつ)が推奨されてまして、それを履いて過ごしてたんですがそれがまあ臭くなること! しかも汗が乾かないので履いてても冷たいというなかなか辛い時期でした。しかもそんな足は家族で私だけだったので全く理解されず・・・なんでそんな汗かくの?とか言われてもねぇ。別に自分の意志じゃないですし。顔とかにはぜんぜん汗をかかないので余計に理解されなかったですね。悲しい思い出です。ちなみに夏は夏で裸足でフローリングを歩くと足の跡がくっきりつくんですよ。もちろん汗でね。掃除が面倒だなと思って生きてます。でも出るんだから仕方ない。

 ここまでは家の中なのでまあ身内が我慢すれば何とかって感じなんですが、本当に困ったのが働き始めて皮の靴を履くようになってからです。まじ臭い。さすがにどうにかしなければと色々やって、劇的に効いたのはLavilin(ラヴィリン)デオドラントクリームです。イスラエル産らしいです。白いクリームを足の指の間に塗って寝て、翌朝洗い流すというものです。(布団が汚れるので靴下必須ですが、履いた靴下は死にます。)これは本当に匂いが消えて素晴らしいんですが、面倒くさい。あとちょっと高い。

 それで段々使わなくなり次にたどり着いたのがグランズレメディです。これはニュージーランド産らしいです。白い粉を靴の中に入れるだけで匂いが抑えられるというもの。これは出かける前にもサッと使用できて楽だったので長い間使ってました。一度靴を履いた後に忘れ物を思い出したりなんかすると廊下が白く汚れるという欠点はありますが、全然許容範囲です。しばらくこれに落ち着いていたのですが、ネットで流行ってるときいて新しいものにも手を出してみました。

 パースピレックス(Perspirex)というロールオンタイプの制汗剤です。デンマーク産らしいです。これは透明な液を塗って乾かすだけなので手軽でよいです。汗もちゃんと止まります。ただ効果が切れるのが早い気がします。マメな人にはお勧め。

 ここまで書いてきて、関係ない人にはまったく関係ない悩みと出費なんだなあと思い遠い目になりました。白い眼で見られてきたし結構お金使ってきたし、でも治る訳でもないし、しんどいっすわ。私を構成するものの一番下には鼻水とか汗とかが異臭を放ってる気がして「よくマトモな振りして生きてきたな。逆に偉くない?」とすら思います。だってどう考えても私、人としての機能壊れまくってんのに。偉くない? しかもこんな人って割といるんじゃない? みんなマジ偉くない? 

 今日も人間の形を保ってマトモな振りして生きてこうぜ。今年から私のテーマは『幸せそうなフリをして生きる』なんだぜ。別に幸せが事実じゃなくてもいいんだぜ。

 

 

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