第3話 診察(施術2週間後)
施術してから2週間後。病院で肌の状態を診てもらった。
まずシミの状態をチェック。
「
「それが、なってないんですよ」
わたしは待ってましたとばかりに先生に訴えた。
シミの1箇所はかなり茶色くなっていて、もう1箇所は赤いがどちらも瘡蓋にはなっていない。
「絆創膏貼り替えるときに取れてない?」
「絶対取れてないです。先生、施術したとき白くならないなあって言ってましたよね。もしかして、失敗したんじゃ……」
「失敗って言い方はちょっと。失敗じゃないし」
少しムッとした様子。心外だったかな。
先生はもう一度、茶色い方のシミをじっと見つめて、「あれ? これ瘡蓋じゃない?」と言い出した。
「ちょっとはいでみていい?」
「あ、はい」
先生がピンセットで慎重にはいでいく。
「ほら、これ瘡蓋だよ」
鏡で見せられたのは、卵の薄皮よりも薄い瘡蓋だった。
「えっ、こんなに薄いんですか?」
「そうだよ。卵の薄皮くらいって言ったでしょ」
どうやら最初に説明されたらしいが、全然覚えてない。てっきりケガをしたときのようにガサガサの瘡蓋ができるんだと思ってた。
どっちにしても、プロが見てもなかなかわからないんだから、わたしにわかるわけがない。瘡蓋の取れた皮膚は赤かった。
もう1箇所の赤い方も、よく見ると頑固そうな瘡蓋がついてるとのことで、無理やりはがずにもうしばらく様子を見ることになった。
友人は2週間で綺麗に取れたと言っていたし、看護師さんは1週間で取れる人もいると言っていたから、たぶん私の瘡蓋がおかしいのだろう。
シミの絆創膏はもう貼らなくていいと言われてホッとした。長時間マスクをして誰にも見られないようにするのは疲れるのだ。
今後は、朝晩の洗顔後、化粧水のあとに病院で出されたクリームをつける。
ハイドロキノンという、メラニンが産生されるのを抑制するクリームだ。
古くから使われている強力な美白剤で、皮膚の色素沈着の治療に使用されているらしい。そんな便利なものがあるとは知らなかった。
効くかどうかわからない高い美白クリームを買うより、こっちの方がいいんじゃないかと思ったけど、「要治療」だと医者が判断しないとダメなのかもしれない。
このクリームは、冷蔵庫に入れて2ヶ月以内に使用しなければならない。余ったらもったいないから、他のシミがあるところにも塗ってと言われたが、器が小さいので足りるかどうか心配だ。
ホクロはまだジュクジュクしてるので、最低でもあと2週間、できれば1か月テープを貼った方がいいそうだ。わたしは確実に治したいので1か月貼るつもり。
次回の診察は1ヶ月後。
不安な気持ちが伝わったのか、「必ず最後には綺麗にするから」と先生が言ってくれたのが心強かった。
〈今回の教訓〉
瘡蓋はとっても薄いので、茶色くなっててもシミが酷くなったんだと勘違いしないこと。
※この日の料金※
ホクロに貼るテープ(追加分) 1,100
(品名:デュオアクティブET)
シミに塗る薬 2,200
(ハイドロキノンクリーム 5g)
自費再診料 1,100
合計 4,400円(自費100%)
***
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
次回、その後の肌の経過報告と1か月後の再診で完結です。
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小説家志望の男と9歳年下の少女の、ほのぼのとしたラブストーリーです。夢を追う二人を応援してやってください。
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