7.西洋と日本の城の違いを考える
白塗りの壁に瓦屋根のコントラストが美しいお城は、現代、各地の観光スポットにもなっていますよね。
桜が満開の春には、美しい風景を求めて旅行に行く方もいるでしょうし、メディアでも特集を組まれることが多いです。
西洋のお城とは違う魅力をもつ日本の城は、海外の方が観光に来ることも多いですね。
日本の城は西洋とは異なる部分が多くあります。そんな違いも、魅力なのかもしれません。
共通点と言えば、日本であれば将軍や大名、西洋であれば王様や貴族などが住んでいたり、政務や経済活動の中心だったりする場所であることですね。
でも、城の作りや役割に違う点もあります。
城というと、日本はそのものを指しますが、西洋では人々の居住区を含めた城壁に囲われた都市を含めました。
これって、戦の違いが現れているんですよね。
西洋は地続きで広いので、民族間での侵攻戦もあり、略奪や虐殺が起こりました。城は人々を守る役割も担い、高い塀で都市ごと囲う必要があったんです。
日本で起きていた戦は、特に戦国時代あたりを想像すると分かりますが、国といっても日本国内での派遣争いだったため、トップである武将を討ち、政務を行う城を奪取すれば勝利となります。そのため、城そのものを守る城壁や堀が重要でした。
城壁も凝っていて、壁におおわれた坂道を上るようだったり、山道をひたすら登らないといけなかったり……敵の数を減らす策を形にしてたと思えます。
まぁ、日本にも海外のように城下町を囲うような堀や土塁をもつ、総構えと呼ばれる城もあったんですけどね。江戸城や小田原城はその代表です。
小田原城なんて、戦国時代の難攻不落の城として有名でしたね。
とは言え、西洋の城壁は石造りで堅牢な城が多いです。
石材を使う日本の石垣と異なり、西洋の石積の城壁は切り出した石をモルタルで接着していました。
堅牢で固くすることで、敵の侵入口を絞ることも出来たというわけですね。破城槌で門を破って入ろうとするところを、城壁の上から狙って攻撃し、数を減らしたりしたわけです。落石器のような重たい大型武器を使うためにも、頑丈な城壁が必要だったわけですね。
地震の多い日本では、作れない壁ですよね。
堅牢な城壁も凄い技術ですが、日本の石垣も凄いんですよ!
接着剤なしです。しかも石の大きさが違って、石垣は美しいカーブを描いている。あのカーブは敵の侵入を防ぐため考えられたデザインだそうですけど……あれを考えた人達は、どれだけ高性能の計算機を頭に入れていたのでしょうか。
さらに、地震を緩和させるように考えられ、積まれているんですよ。
戦国時代や江戸時代に日本を訪れた異国の人々は、塀に囲われない町を見て、どんなことを感じたのでしょうかね。
ところで、日本の城は天守閣をもつものを想像しがちですが、そうではないものもあるんですよ。
九州地方のシラス台地を上手く利用した山城なんかは、山そのものを防御に利用していて、地の利を活かすのに適した作りをしています。あれは、崩れやすいシラス台地を知らない侵入者を苦しめる、天然の要塞でもあったんだと思いますね。
城を調べて思いを馳せると、城巡りをしたくなりますね。
実際、その場に行ったら写真で見るものとは違う空気を味わえるでしょうから。
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