6.江戸時代はイクメンがスタンダード!

 江戸時代、乳幼児の死亡率は高いままでした。平均死亡率はおよそ28歳、死亡者の7割以上が5歳未満の乳幼児と云われてます。

 戦がなくなったと言っても、現代のように衛生環境も良くなかったですから、致し方ないのでしょう。


 子は宝となったのは、想像に容易いですね。


 当然だけど、虐待なんてもってのほか。体罰はご法度。育児に参加しない父親は後ろ指さされ、出世なんて望めません。イクメンは江戸の男のステータス!

 これが江戸時代の子育てスタンダードでした。


 勿論、出産をするのは女ですし、お乳をあげる必要のある赤子のうちは、母親の負担が大きいです。でも、母がワンオペなんてことはあり得ませんでした。

 皆で育てるのが当たり前だったんですね。宝ですから。


 さて、成長した子が親の仕事を継ぐのが一般的な時代です。当時の町は業種で住む場所が固まっていたので、子どもはいつも親の仕事と近いところにいましたから、後を継ぐのは自然の流れでした。


 後を継がせるなら、やはり、出来の善い子に育って欲しいと親が思うのも、自然な流れでしょう

 商人なのに読み書きそろばんが出来なかったら問題ですし、武士なのに礼節がなってなかったら、お家の恥です。

 そして、もし不出来な子が世に出れば、それは子育てが下手だった父親の恥と云われたのです。必死にもなりますよね。

 なんだ、外聞かよ。と思ってしまうかもしれませんが、時代というものですね。

 

 そんな必死な父親のため、子育て本まで出回っていたそうですよ。

 とは言え、全ての父親が読み書きそろばんや礼節を、徹底して教えられるわけではありません。勿論、教えるのが上手い父親もいたでしょうけど、子ども達は寺子屋に通って学ぶのが一般的でした。


 寺子屋に通う子は現代の小、中学生くらいですが、年齢制限はなかったみたいです。

 基本を学び終えたら、その子にあった勉強を見てくれたようなので、現代の個別塾とか少数グループ塾に近かったのかもしれませんね。


 ただ現代と異なる点は、寺子屋の先生はボランティアがほとんどだったことですね。皆さん、他に仕事を持ちながら先生をしていたようです。感謝されるだけで満足するなんて、現代では想像も出来ないですよね。


 当時の育児を調べていくと、江戸の子ども達は大人に見守られながらも、のびのびと育ったように思えてきます。


 でも、体罰がいくらご法度だったと言っても、何でも自由ではなかったでしょう。悪いことは悪いと教え、善とは何かを説く。そういったことも、きちんと行っていたようです。

 難しいことのように聞こえますが、子ども達は意外と大人を見ているので、大人達の言動からも見て学ぶことが多かったのかもしれませんね。


 海外では、悪いことをしたら体罰っていうのは教育のうちという傾向がありましたよね。そこを誇張して、異世界恋愛や転生小説に、家族に虐められたエピソードがあっても、違和感を感じないんだと思います。

 シンデレラや、ヘンゼルとグレーテルのように、古典にもそういった虐待ともとれる背景はありますからね。


 江戸時代の子育てを調べていくと、体罰ネタは使えなさそうだなって思いました。

 むしろ、国外から来た異国人が見たら、何なんだこのキラキラした子ども達は!?と驚くんじゃないでしょうか。

 もしも、異国の先生に話を聞く機会があったら、子ども達は興味津々で、様々な質問者を繰り出したかもしれません。


 実際、鎖国時の異国人は指定された場所以外を行き来するのは困難だったので、子ども達が話をする機会など、そうなかったでしょうけどね。


 私が書くものは異世界なので、異国人にも臆することなく話しかける子ども達、なんてエピソードを書いてみるのも面白いかもしれませんね。

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