4.江戸時代の大人の遊び
どの時代にも流行り廃りというものがあります。
前回、参勤交代の話をしました。それがきっかけで、庶民の間では物見遊山(観光)がちょっとしたブームとなりました。
ここから伺えることは、庶民も貯蓄が出来たということですね。
いくら街道が整備されて旅籠屋が出来ても、先立つものがなければ、遊びになど行けませんからね。江戸時代は大きな争いがなかったことで、庶民も懐が潤った訳です。
懐が潤うと、様々な場所に遊びに出るようになるのは、いつの時代も同じですね。
物見遊山の他にも、江戸の大人は様々な遊びを発展させましたね。
例えば「吉原」なんかは、武士を相手に始まった商売で、とてもお金のかかる遊びでした。当然、庶民の男たちの憧れになるわけです。
遊女と行っても上級から下級まで差もありますし、お金をためて遊びに行く庶民も次第に現れるようになったようです。
いつの時代も、男って……とか言いたくなりますが、女にだって楽しむ遊びはありました。
今の時代にも人気は衰えない、歌舞伎です。
歌舞伎を観るにも入場料に諸経費やら飲食代やら嵩むと、現代の十万ほどはかかったそうですから、なかなかの豪遊だったわけです。
それでも、江戸のファッションリーダーである歌舞伎役者を一目みたい!と思う庶民も多くいたようです。
今も昔も、美男美女には弱いもんですね。
江戸はお金のかかる遊びばかりだな、と思いますか?
そんなこと、ないんですよ。
実は、今でも一部で熱狂的愛好家がいる遊びがあります。一つは「金魚の飼育」で、もう一つが「園芸」です。
どちらも、自宅で気軽に始められることから、人気になった趣味ですね。金魚なんて、品評会が開かれることで珍しい品種は高値で取引されたそうです。
御家人が内職に金魚を買う、なんてこともあったとか。
そして、園芸!
私が江戸時代でもっともワクワクするエピソードです。
下町では植木鉢を並べ、品種改良までする人もいたそうです。特に朝顔の栽培は一つのブームとなり、高値で取引されるようになったとか。
他にも、庭先でツツジやサツキを栽培して売りに出すようになったのも、江戸時代だったと言われています。今でも、庭先を彩る代表的な樹木ですよね。
私たちにとって、花のある風景は意外と日常的だと思います。でも、ヨーロッパ圏では乾燥している国や、日本ほど水も自然も豊かではな国もあります。
当たり前のように園芸を楽しむ江戸町民を、もしも海外の人たちが見たら、どう思ったでしょうね。懐にも心にも、ゆとりがあるように見えたのではないでしょうか。
シーボルトも日本の自然、花の種類の豊富さに驚いていますからね。
今考えてる話では、園芸が盛んな異国を見て感動する主人公の様子なんかも書きたいなと思っているんですよ。
私もきっと、江戸時代にいって園芸ブームを見たら感動すると思うので!
と、話がそれてしまいました。
平和であることで、庶民もお金を娯楽に使う余裕を持てるようになった江戸時代。そこから誕生した文化が今でも続いているって凄いですね。
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