幽霊の正体見たり枯れ尾花

幽霊だと思って恐れていたものが、よくよく見てみると、単なる枯れたススキの穂だった。

恐れは幻想だった。正体が分かれば、たいした事ではなかった。という意味の俳句です。


小さい頃のトラウマなどはこれに当てはまるかもしれません。


すごく嫌なイメージだけが心の奥底にあって、何かわからないけど、触れたくない、でもイザ思い出してみるとなぁんだそんなことか、といった感じのものです。


正体が見えないだけに、恐ろしい想像ばかりが膨らんで、その想像にやられてしまうという。


昔仕事でテレビのニュース番組でインタビューを受けました。私は親にも友人にも誰にもそのことを言いませんでした。だって、上手く喋れず恥ずかしかったから。


言わなかったのに、たまたま家族にそのニュースを見られて驚かれたという……オチもありましたが。


その時の動画をもらいましたが、ずっと見ることはできませんでした。上手くできてない自分を見るのが怖かった。嫌なイメージばっかり先行して、自分の中では封印していました。


でも十年経ってから見直して見たら案外いい感じでした。


今までのイヤなイメージってなんだったんだという感じ。


これは『幽霊の正体見たり枯れ尾花』ですかね。

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500文字で書く小話 海乃マリー @invisible-world

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