第4話 吸血姫エリザ
翌朝。フルトヴァンゲンの男たちは
戦闘の翌日から勤勉に働く男たちのために、ミナを含めた女たちは炊き出しを行い、あたたかいスープやパン、干し肉や水、ホットワインなどをふるまっていた。
その様子を、エリザはボーっと、少し離れた所から眺めていた。
「ねー、えりざー」
「なんじゃ?」
「はいっ」
「おぉ、これは
「きれいだから、あげるねー」
「ありがとうの。あめちゃんいるか?」
「いらなーい」
レイラは、ぽてぽてとたんぽぽが群生するあたりでひとり遊んでいた。
その
実は昨夜の反動からまともに脳が働かないので、自分からミナに提案したのだ。
(しかし、不思議なものじゃな・・・)
(ミナは、
(そんなわけないのにのぅ)
(レイラこそが、ミナのすべてじゃ)
(拙は死に場所を探している
エリザにとってミナの愛情は、心からうれしいもので、この身をすべて預けたくなるような、ぬるく心地よい温泉のような、そういうものではあった。
しかし同時に、ひどく恐ろしくもあるのだ。
これを
(もう二度と、
しかし奪いに来るものは確実にこの森の中に存在していて、森の外に出たとしても今度は修道騎士がいて、彼らが所属する騎士団国家があるのだ。
騎士団にとってヴァンパイアは忌むべき存在であり、
彼らからエリザは常にその命を狙われていて、廃城を出た現在は、弱い
(まぁエドワルドもいつかは、
人質を取られて裏切る可能性だって、あるだろう。
なぜならエリザとエドは、ただの協力関係で、
(
炊き出しを終えたミナと一緒に昼食を撮り、
設備の修繕作業は3日ほど続き、無事に完了した。
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