第61話 真実

俺とローザは                           目だけで会話をする。


(おい、ローザ)

(す、すまん…)

(これどうするんだよ?)

(もう言ってしまえ!)

(開き直っただと!?)


はぁ〜まぁいいか。

言ったところで何かなるわけでもないしな、それに二人に隠し事はあまりしたくないしな、これはローザが機会を与えてくれたということにしておこう。



「二人とも聞いてくれ」

「「はい」」

「ローザの言った通り俺はこの世界の人間じゃない、異世界の人間だ」

「なんかすごいですね!」


ミーナちゃん素が出てるぞ、あとそんなに目を輝かせないで…


「異世界…」

「サーシャ?」


サーシャの雰囲気が…


「、、、行ってみたいです!」

「はへ?」


サーシャから帰ってきた返答に俺は困惑を隠しきれない。


「一度異世界がどういうところか行ってみたいんですよ!ミツキ

!異世界にはどうやったら行けるんですか!?」


サーシャのテンションが壊れてる。そんなに異世界に行きたいのか。


「い、今のところはいけないかな?多分…」

「サーシャ一旦落ち着け」


そこで一旦ローザが口を挟む。


「はっ!申し訳ございません。私ったらはしたない真似を…」

「そんなに異世界に行きたいのか?」

「えぇ、異世界はこの世界より発展していて、全く知らない文化、物、があると本に書いてありました。あと何といっても異世界の料理が食べてみたいです!異世界の料理はすごく美味しいと本に書いてあったので一度行ってみたいんですよ」

「そ、そうか」


正直、元いた世界に戻れるかはわからないけど、でも

元の世界に戻りたいとは思っている。美菜が心配だしな、それに……… 今はいいか…それよりも。


「二人ともまだ聞いてほしいことがある」

「?」

「なんでしょうか?」


「俺は逸脱者だ」

「お主…」


正直、二人に隠し事をしているのは良くないと思ったから逸脱者であることを告白した。

そして何故今こうして旅をしているのか、王国で何があったのかを伝えた。


「ミツキ!」

「はい」

「ミツキがそれを伝えて私たちが軽蔑ると思ったのですか?そんなこと絶対にしないですよ。大丈夫ですよ、私たちはミツキのことを知っていますから。」

「そうですよ。ミツキ様は私を助けてくださいましたから。ミツキ様がそんな人じゃないのは私たちが一番知っています。それに、それは過去のことです、今の時代に逸脱者だから、なんて気にしませんよ」

「それにしても王国は許せませんね」

「今すぐ潰しに行くべきです」


そうして二人を話し始めたと同時にローザが俺に声をかけてきた。

「お主良かったな…」

「はい」


それだけ言って俺は二人に声をかけた。


「二人とも」

「「はい」」

「ありがとう」

「「はい!」」


俺は微笑みならが感謝の気持ちを伝えると二人は満面の笑みで応えてくれた。


「3人とも少しいいか?」

「どうした?ローザ」


少しした後にローザが話しかけてきた。


「ミツキ、お主に話したことを二人にも話す」

「それは大丈夫なのか?」


俺に話したこととは、異能者の過去のこと、神のこと、そして逸脱者という称号の真実についてだろう。だがあれは基本的に異能者の人にしか伝えていないはずだ。それを異能者じゃない人に言っても大丈夫なのだろうか?


「あぁ、大丈夫だ。二人は真実を知らないのにミツキを信用し、信頼した。二人には真実をちゃんと知る権利がある」

「そうか、わかった」

「なんのことですか?」

「それを今から話す」


そう言ってローザは二人にはすべてのことを話した。


「なんですかそれ!ひどいですよ!そんな理由で異能者の人が差別されるなんて…」

「神が異能者を殺すためにつけた称号…許せませんね」

「あぁ私も許せない。過去がどうであれ今の人間には全くの無関係だというのに…」

「そうですよ!ミツキ様は過去とは無関係なのに勝手に称号をつけられ、蔑まされるなんてあまりにも可哀相すぎますよ…」


ミーナちゃんが話している時隣のサーシャが俺に声をかけてくる。

「ミツキ」

「はい」

「私たちはミツキの味方ですから」

「本当にありがとうな」


本当にこの三人に出会えて良かった。改めて、心の底からそう思った瞬間だった。

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