第62話 情報整理と予想

「よし、それじゃあ話を戻そうか」


あ、そういえば仕入れた情報を話すのが目的だったな完全に忘れてた。


「そういえばそうだったな。それじゃまず誘拐した目的はなんだったのかというところからだな。あいつらの目的は誘拐した領民達を悪魔に引き渡して力を得るためだったららしい。」

「悪魔ですか?」

「あぁ、あいつらは会議でそう話していたぞ。俺は悪魔のことはよく知らんが…ローザは知っているのか?」

「いや私も詳しくはない。けど悪魔は魔王の手下と一般的には言われている。」


魔王か…まためんどくさいことになりそうだな。

いやでもまて、悪魔は確か聖国の差し金だったはずだよな。あいつらそんなこと話していたし。利用しているのか?それとも普通に聖国の味方をしているのか?


「そうなのか。まぁ悪魔の目的については悪魔に会って聞き出さないとわからないだろうから今は置いておこう。」

「未然に防げて本当に良かったな」

「あぁ、そうだな。それでその悪魔を使って帝国の貴族達にちょっかいをかけようとした黒幕がいる。」

「ん?魔王か単独じゃないのか?」

「いいや違う…悪魔を使ったのはヴェクトリア聖国だ」

「「「!?」」」


「ヴェクトリア聖国は誘拐だけじゃなく戦争にも関与していると見ていい。あいつらは反対派が戦争に出たら賛成派の騎士団と魔術師団で反対派を殺すと言っていた。それは聖国側の契約条件の一つだったんだと思う。反対派が死んだら悪魔が戦争を止めに来るとあいつらの会議で言っていたからな。」


「なるほどな」

ローザはある程度わかってるみたいだな。


「何故でしょうか?」


ミーナちゃんとサーシャはあまり意味がわかってないようだな。戦争を悪魔が止めようとする意味がわからないといったところか…


「そこまでわかれば聖国の狙いがわかってくるな」

「あぁ」


ローザがそういい俺が返事を返す。


「どういうことです?」

「簡単な話だよ。聖国は人の死、もしくは死体を目的としている。帝国の賛成派達は反対派が邪魔だから反対派を戦争で消したいと思った。ここで利害が一致する。賛成派がどうやって反対派を戦場に連れて行くのかは多分賛成派だけが知っているテレポートの魔法陣を使うのだろう」


「なぜ聖国は人の死体を狙っているってわかったのですか?」


「まず、何かしら人の死体を利用して術を発動させようとしていると仮定する。戦争で反対派の騎士団と魔術師団が何人いるかの情報が漏れていて、何人死ぬかもわかっている。それと聖国が帝国の領民を欲しがっている。この二つからちょうど反対派が死ぬ人数と領民を合わせることで目的を達しているからそのあとの戦争はさせないようにした。まぁこれも利害の一致だな。帝国側はそれ以上の戦争で賛成派の人間が死ぬのはマイナスだからな。これも多分契約した時の条件としてつけたのだろう。他にも王国も関係している」


「でも、悪魔は戦争を止められるだけの力を持っているのでしょうか?持っていたとしたらそんな回りくどいやり方は多分しないですよね?」


「あぁ、力はないが戦争を止めるカードを持っているんだと思う」


「なるほど」


「ここからは俺の予想になるが、さっきいった王国が関係しているの部分だ。多分王国の裏には聖国がついていて王国を操っているんだと思う。このタイミングの急な戦争。戦争のきっかけが欲しいと国王が言ったこと。それに王国側は戦争に勇者を出してこないということだ。普通なら戦力万端にしてから戦争を行うはずだ。そうじゃないと王国側は絶対勝てないとわかっていると思う。なのに戦争を仕掛けたのは裏で聖国が戦争をしろと脅したのだろう。」


「それで聖国側がなぜ王国を裏で操っているのかと思った根拠についてだが…」

「勇者達の誘拐か…」

「そうだ。勇者達は聖国に誘拐され人質となっていて王国は聖国の命令に逆らえないのだろう。これに関してはタイミングが全てにおいて良すぎる。明らかに不自然だ。そうじゃないと王国が戦争をするメリットが何一つ見当たらないからな。まぁ今話したこと全部が全てにおいて辻褄が合いすぎているからな。まぁ本当のことは実際に悪魔や国王に聞いてみないとわからないが…」

「なるほどそういうことですか」

「私も理解しまし。」


俺が話し終わったところで二人はようやく理解したみたいだ。


「情報はこんなところだ。次は戦争についてだ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る