第50話 前日

ミーナちゃんとサーシャに、魔法を教え始めてから3週間が経過した。

二人とも毎日、練習に勤しみ二人とも全ての基本属性魔法はLv7まで上がった。


ミーナちゃんの戦い方は、後ろで魔法を放つ後衛の魔導士だ。

サーシャは剣と魔法の両方を使う、魔法剣士といったところだ。


皇帝にミーナちゃんを連れて森に行っていいか?と聞いたら、「ミツキくんがいるなら大丈夫だろう。」と言って快く了承してくれた。それから魔物との戦闘をして、二人ともすごい強くなった。もちろん対人戦も俺と何度もやった。


そして今日は暗殺決行日の前日だ。


俺は必要なスキルや魔法をこの3週間のうちに揃え、暗殺する準備は万端。戦争の方も今のところ問題はない。ローザが砦で相手の動きを監視したいと言って、砦で待機しているからな。



「よし、おっけーだな」


今は何をしているかというと、暗殺する人物のチェックと情報整理、その他諸々だ。


明日は3人の貴族達が一箇所に集まり会合をするという情報を得ている。場所は帝都の最南、城壁近くの酒場の地下室だ。そこに集まった貴族達を俺がまとめて殺す。特に苦戦することもなく殺せるとは思うが…1つ懸念点をあげるとするならば、貴族達の護衛がどのくらい強いのかがわからないことだ。まぁ大丈夫だとは思うが。


「特にやることないし、冒険者活動するか。」


情報の整理が終わり、暇だったので、久しぶりに冒険者活動をしてみようと思い、冒険者ギルドに赴いた。


カランッ♪


ドアを開け中に入る。


(この時間はやっぱりあまり人がいないな)


そう思いながら依頼掲示板へ行く。

掲示板を見るとSランクの依頼がすごい残ってるのがわかる。それも、ほとんど討伐系のやつだ。

こんなにSランクの魔物放置してて、大丈夫か?帝都に攻めてきたらどうするんだよこれ。


俺はそう思いながらSランクの依頼を5つ獲り、受注して、冒険者ギルドの外へ出る。


(えーっと場所は南が2件、東が3件か)


取り敢えず南から行こうか。


そう思いながら南へ行き、魔物を狩ってそのあと西へ行き特に何事もなく魔物狩りが終了した時嫌な気配がした。


(ん?なんだこれは?)


「こんにちは」


突然背後から声を掛けられた、振り向くと50歳ぐらいの白髪のおっさんが立っていた。

取り敢えず俺はおっさんに挨拶を返しておく。


「こんにちは」

「こんな所で何をされているんですか?」


いやそれはこっちが聞きたいくらいなんだが、まぁいいか。それにしてもこのおっさんなんか怪しいな。直感スキルがちょっと働いている。


「ちょっと魔物を狩りにきてまして。おじさんは何をされているんですか?」

「私もちょっと魔物を狩りにね…こう見えても結構強いんですよ私」


確かにこのおっさんは強そうだな。冒険者か何かか?どことなく人間じゃない気もするが…気の所為か。


「そうだったんですか…冒険者の方ですか?」


「いえ、まあそんな所ですよ」


なんか煮え切らない言い回しだな。


「それじゃあ私はそろそろ行きますね。それじゃあ」


おっさんは続けざまにそう言うと、帝都の方に歩いて行った。

本当になんだったんだあのおっさん。

一応警戒しておくか…


(そろそろ戻るか)


辺りはすっかり暗くなっていて、俺は帝都に戻るため森を後にした。


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祝50話!!!

皆ありがとう!


これからも【全校転移!異能で異世界を巡る!?】を見続けてくれたら嬉しい!

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