第51話 暗殺1 潜入

あれからすぐに自分の部屋に戻り、速攻寝て今は深夜一時、起きて暗殺に必要な物を準備する。暗殺決行は2時30分だ。


顔まで隠す暗殺用の黒服に着替え短剣を装備して、部屋の窓から飛び降り、外へ出る。


正直暗殺なんてもちろんしたことないし、相手の護衛は手練れと聞いているから姿は見せることになるとは思う。


王城の庭に着地して、スキルを発動する。


(スキル"気配遮断Lv6")


このスキルは文字通り気配を遮断するスキルだ。

暗殺のためにこの3週間で身につけたスキルの1つだ。


(オリジナル魔法【透明化】発動)


これも3週間で身につけた魔法だ。

自分の姿を全て透明にする魔法で、壁などはすり抜けられないが、物などに触れても透明化は解除されない優れた魔法だ。ちなみにこの世界に透明化の魔法は存在しないので俺のオリジナルだ。


これでよほどのことがない限りバレないはずだ。


俺は王城の庭を歩き、王城の壁を飛び越え目的地を目指すべく、南へ歩く。


歩きながら殺す貴族達の情報をもう一度確認する。


貴族達はそれぞれ違う地位についている。


一人目が公爵で名前は{ハン・ラーシン}二人目は侯爵で名前は{ライタ・テイガン}3人目は子爵家で名前は{ジェロ・クイマーン}3人とも同じような見た目をしていて全員ザ・貴族みたいな肥った体型をしている。正直誰が誰だか見分けがつかない。


暗殺の手はずはいたって簡単、貴族達が会合をしている部屋で待ち伏せをして、話を盗み聞きして情報を引き出し、話が終わりそうなタイミングで2人の首を刎ねる。1人だけ生け捕りにして、情報と証拠がありそうな場所を聞き出して殺す。生け捕りにする奴はできれば公爵がいい。地位が高いし、基本的に主導となっているのは公爵だと思うから、情報や証拠を隠蔽してる場所を知っているはずだ。


殺し終わったら、ローザに連絡をとってローザの部下達を寄越してもらって死体の処理をお願いする。その後俺は単独で証拠などを見つけに行く。


そうこうしている内に目的地の酒場に着いたので飛行スキルを発動して地面に触れないぐらいに浮きドアの前に浮く。

ドアは映画などでよくある酒場の感じの両開きドアなのでドアの上と下が開いているのでそこから侵入する。

中に入り辺りを見渡す。

今日は酒場は休みになっているので人は誰もいなく地下室への階段も開いている。これは事前に調べた情報でわかっていたので特に苦労することもなく地下室の階段を浮きながら下って行く。


階段を降りると石の廊下の一本道になっており、奥へ進むとでかい石の部屋に出た。


(ここだな。)


天井までは5mくらいあり、横は30mの正方形で、すごい広々とした石の部屋になっていた。どちらかというと洞窟みたいな感じだ。真ん中には不自然に木の円卓が1つと木の椅子が何個か並べてある。


俺は円卓の中心の真上に飛行魔法で位置を取り、天井ギリギリを浮きながら部屋で貴族達が来るのを待機する。


「ローザ、取り敢えず部屋には侵入できた。このまま空中で待機する。」


((わかった。))


通信魔法でローザに連絡を入れ、そのまま待機する。


しばらくすると人が2人部屋に入って来る。


(こいつが子爵家の奴か、マジでわかりにくいな、それと護衛の奴だな。)


護衛が1人なのは実力を知っていて尚且つ護衛が信頼できるからだろう。こんな場所に大勢の護衛を連れてきても意味がない信頼出来る少数を連れて来るのは当たり前だろう。


そして子爵家の奴は椅子に座り、護衛の奴は後ろに立つ。


(取り敢えずバレてはいないようだな。)


それから少しして2人が部屋に入って来る。


(こいつが侯爵か…)


公爵家のライタが部屋に入ると子爵家のジェロが軽く会釈をして、ライタ頷いて、席に座り護衛の奴が後ろに控える。


それから部屋は無言のまま時間は進み、最後に公爵家のハンとその護衛1人が入ってきた。ライタとジェロは座りながら会釈をして、ハンはそれに頷き席へ着く、護衛の奴は後ろに控えている。


「それでは始める」


ハンがそう言い、会合が始まった。

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