第33話 帝国の内情

ギフトのお礼に1話投稿します!


深夜ではあるけど、良かったら見ていってね!


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朝起きて、時計を見ると7:00だった。


顔を洗って眠気を覚ましていると、コンコンとノックをされる。


「はーい」


「ミツキ様、食事の時間になりましたのでご案内致します」

「ありがとうございます」


そう言いながら俺はドアを開け、メイドに連れられて食堂まで行く。

夜も豪華だったけど朝もなかなか豪華だな。さすが王城だ。


「いただきます」


手を合掌して朝食を食べる。

うん、味も文句のつけようがないなこれは、美味いの一言に尽きる。


「ご馳走様でした」


あぁうますぎて速攻食べ終わってしまった。

これがあと二ヶ月も食えるのか…最高すぎる!


ん?まてよこれ二ヶ月間食べたあとはどうする?


俺の料理はタダでさえまずいのにこんな美味しいもの食べてたらもっと不味く感じるんじゃないか!?


やばいな早急に手を打たないと…


そんなことを思いつつ俺は席を立ち部屋へ戻る。

そのあとは適当に時間を潰し、約束の10分前に部屋を出る。廊下を歩き応接室の前まで行き、ノックする。


「すみません、ミツキです。」

「入っていいよ」


中から皇帝ディレイクさんの声が聞こえたので、ドアを開け中へ入る。


「おはようございます。あれ?今日はお一人ですか?」

「おはようミツキくん。そうだね今日は一対一で話しをしたくてね。」

「そうですか…」


話ってなんだろう結構重要そうな感じするけど…


「取り敢えず掛けてくれ」

「はい、失礼します」


そう言って俺は席を座ると、ディレイクさんが話し始めた。


「それで今日は褒賞の件で呼んだんだが取り敢えずこれを渡しておこう。」


そう言ってディレイクさんが俺に袋を渡してくる。

みた感じお金だ。


「娘を助けてくれたお礼の一つだ。受け取ってくれ」

「ありがとうございま…ってこれ黒金貨じゃないですか!?それも5枚も!?さすがにこれは受け取れませんよ!」


袋を開けて見ると、黒色に輝く硬貨が入っていた。


「いや受け取ってくれ。これでもまだ足りないくらいだ、、、私はミツキくんに本当に感謝しているんだ」

「そうですか…ではありがたく頂戴します。でもなぜ今日なんですか?昨日でも渡せたはずでは?」


「そうだな、それも含めて今日呼んだ理由の話しをしよう」


そうディレイクさんが言うと、一息ついて話しの続きを話し始めた。


「実はこのお金は私の独断で、君に感謝の気持ちとしてということで昨日は渡せなかったのだ」

「そうだったんですか…でもそれって大丈夫なんですか?」

「いや、まぁ大丈夫か?と問われるとダメだと返すしかないな!」


そう言ってディレイクさんはははと笑って誤魔化す。


「まぁ受け取っておいてくれ、バレたら私がちょっと怒られるくらいだ、だから気にするな」


本当に大丈夫かよ…


「よしじゃあ二つ目の褒賞の件に移る」

「まだあるんですか!?」

「ああ。ミツキくんは剣を装備してなかったよね?」

「はい」

「王城の宝物庫にある剣を一つ。選んでもらってそれを褒賞の二つ目としたい。どうかね?」


「剣が欲しかったのでありがたいんですが、本当にいいんですか?」

「大丈夫だよ。感謝の気持ちだから受け取ってくれ。」

「わかりました。」


さすがに貰いすぎな気がするが…


「それで三つ目だが…」

「もう十分ですよ!これでも受け取りすぎなくらいですので、感謝の気持ちは十分伝わりましたから!」

「そ、そうか。わかった。ではこれで褒賞の件は終了とする。」


(はぁーやっと終わったか…)


「それで今日呼んだ理由だが…」


あれ?終わりじゃなかったの!?さっきので全部じゃなかったの!?


「実は昨日渡せなかった理由はもう一つあるんだ。

元々褒賞と言うのは謁見で大々的にやるものなんだが、王国に誘拐されそうになった件をあまり公には発表できなかったのでな、こう言う形を取らせてもらった。すまないね。」


「いえ、それは大丈夫ですが、、、戦争賛成派の人にまだ知られてはいないんですか?」

「まだ知られてはいないけど、いつ知られるかわからない。もし知られてしまったら、国民に明かして戦争に賛成させようとするに違いない。まぁ戦争に賛成させようとするのは、理由の一つだが…」


「え?まだ他に理由があるんですか?」


「実は、これを期にクーデターを起こそうとしてるかもしれんのだ。まだ確証はないがな…」

「なぜ?そうなことを賛成派しようとしているのでしょうか?」

「まぁ私のやり方が気に入らない貴族が結構多くてな。彼奴らは戦争で物も土地も奪えばいいと思っていての、私は基本的に戦争はしないで話し合いでそういうのは解決する方針なんだ。それが気に入らないみたいで、私を殺して帝国を自分たちのものにしようと思ってるかもしれないというわけだ。証拠は掴めないから確証もないし取り締まることもできないんだ。」


正直そこまで大きな話になってるとは思ってなかった。見事に帝国が二分しているわけだ。


「そして、それを国民に明かし、国民を利用して、実力行使でここを奪いにくるかもしれんというわけだ。それがもう一つの理由だ。」

「そういうことですか…」


実力行使となれば、相手の実力をわからない平和主義派が圧倒的に不利になるし、もし内戦なんかになったりしたら多くの人が死ぬ。それも騎士達だけじゃなくこの国に住んでる人たちも含めて、それはどうしても平和主義派の人たちは防ぎたいだろうな。


「長話をしすぎてしまったな、そろそろ戻ってよいぞ」

「わかりました。それでは失礼します。」


そんなことにならなければいいが、もし戦争になったら俺はどうするんだろうか?帝国に属してない俺が手助けをしても問題なのかもわからないしな…


取り敢えず今の最優先事項はミーナちゃんを守ることだ。それは絶対だ。


そう思いながら俺は部屋へ戻る。

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