第31話 サーシャの実力
皇帝が勝者コールをしてから、騎士団の皆んなと挨拶を交わしたあと、騎士団長サーシャが話しかけてきた。
「ミツキ様できれば私の時は本気でお願いします。それと真剣を使ってください。」
んー本気出すとここの地面グチャグチャになっちゃうよ?大丈夫?
真剣はまぁ...大丈夫か。
「んーそれでは俺の力を全て引き出してみてください。」
「わかりました。私は最初から全開でいきます。」
全力出したら怪我をさせてしまうかもしれないしね。段階をあげながら闘おう。まぁ寸止めにはするつもりだが…
そう思いながら真ん中へ移動する。
ちなみに騎士団の人たちは起き上がって端で見ている。
「それでは、ミツキ君vsサーシャの闘いを始める。ルールはさっきと同じだ異論はないな?」
「はい」
「大丈夫です」
「それでは、始め!」
合図と同時にサーシャさんは俺の方へ駆けてくる。ちなみに俺のステータスは10万に設定している。
(速いな)
「はぁ!」
掛け声と共に上段から剣を振り下ろしてきたので右方向へ躱す。サーシャさんは剣が空を斬ったとわかったと同時に勢いを殺さず剣を横薙ぎにして攻撃してくる。それを俺は剣を逆さに持ち換え、地面に刺すことで防ぐ。
キィィン!
俺はそのまま剣を刀を抜刀をする時みたいに持ちサーシャさんの背後に最高速で回り、剣を振りきる。
「ッ!」
サーシャさんはそれを後ろを
(よく反応できたな、後ろを振り返らなかったあたり、気配察知スキルの類か…)
そのままサーシャさんはくるっと左に半回転しながら剣を、振り返った勢いを乗せながら、俺の左斜め上から振り下ろしてくる。
「はぁ!」
俺はそれを躱そうと右に回転しながら避けようとするが躱しきれずに左腕に攻撃を受けて、俺はそのまま後ろへ飛び退く。
(傷は浅いから大丈夫か)
「ミツキ様そろそろ本気を出していただけませんか?」
距離を取った後サーシャさんがそう話しかけてきた。
流石に10万じゃきついか。
「それじゃあ、もう一段階あげますね」
そう言いながら俺はスキル"制限Lv-"を発動して20万に設定する。
「わかりました。それではいかせていただきます。」
そう言ったサーシャさんは俺の背後を取る。
(速ッ!)
体感さっきの3倍ぐらいは出ている。
俺は慌てて後ろ振り返り剣でガードする。
キィン!と金属音が鳴り、剣が交差する。
力で押されながらも俺はサーシャさんに問いかける。
「最初から全開で行くって言ってませんでしたっけ?」
「いえ、あれは素の全開という意味ですよ。今は身体強化スキルを使っています。」
なるほど通りで速いわけだ。
「そうですか、ではこっちも」
そう言って俺は"身体強化Lv5"を発動させる。
ちなみにLvはさっき身体強化を使った時に上がった。
「っ!?」
俺は押されている状況から押し返す。
サーシャさんは俺の力が急に上がって驚きを隠せないでいる。
まずいと思ったのか、サーシャさんは後ろに飛び退き距離を取る。
「ッ!?」
その間合いを俺は詰め、連撃を繰り出す。サーシャさんは防戦一方になり、俺の剣を必死に受け止めている。
(いける!押しきれる!)
「仕方ないですねこれはあまり使いたくなかったのですが….」
そう思った時サーシャさんが何かを小声で言う。
(気配が変わった!?これは結構まず…っ!?)
そう思った瞬間、やばそうな感じがして俺は剣を咄嗟に攻撃から防御に切り替えた。
「ッ!!!」
サーシャさんの本気の横薙ぎをなんとか防御するが、防御の上から俺は吹き飛ばされた。
(くそっ!なんて力だ)
心の中で悪態を吐きつつ、空中で何回転かして地面に着地する。
防御するのが遅れてたらやばかったな。最悪胴体真っ二つだったぞ。まだ腕がジンジンしてるし…
「そろそろ本気出さないとまずそうだな」
小声で俺はそんなことを言う。
正直ここまで強いとは思ってなかったな。流石軍事力ナンバーワンの国の騎士団長だ。
「そろそろ本気を出してくれる気になりましたか?」
「あぁ今から本気を出すつもりだ、まさかここまで強いとは思ってもみなかったからな…」
そう言いながら俺は制限を全て解除し、とあるスキル発動させる。
「そうですか…それでは行きます!」
そう言って駆け出そうとするが…
「へ?」
次の瞬間
サーシャさんの呆けた声が出る。
何故そんな声が出ているのかと言うと、サーシャさんの首元には俺の剣が当てられているからだ。
とあるスキルとは"傲慢Lv-"のことだ。それにより俺のステータスは大体300万になっている。
サーシャさんのステータスは逆算して約150万、2倍のステータス差になっているからな、反応できないのも無理はない。
「これで終わりですね。」
そうしてサーシャさんとの闘いは幕を閉じた。
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