第30話 騎士団

部屋を出て、騎士団の訓練所へと向かう。


「ここが騎士団の訓練所だ」


案内された場所は、王城の裏側にある東京ドーム2個分ぐらいある広いグラウンドだ。

グラウンドに入ると騎士団の人たちが一斉にこちらを見る。訓練していたみたいだな


「皇帝陛下!?今日はどのようなご用件で…」

「なに、ちょっと場所を借りに来ただけだよ」


騎士団の人たちが頭を下げようとしているのを皇帝が手で制して用件を伝える。


「そうだ!騎士団の諸君全員で彼の相手をしてみてくれ。ミツキ君良いかね?」


いや、だからどんだけ戦闘見たいんだよ、まぁいいけども


「いいですけど…」

「それじゃ騎士団の諸君!彼は強いから頑張りたまえ!」


そんな持ち上げられても…

それよりいきなりそんなことを言われた騎士団の人達困ってるぞ?皇帝が言うから断れないんだろうけども。てか今改めて見たら人数多いな!!ざっと500人はいるぞ!


「ミツキ君、彼らの剣を全て捌ける自信はあるか?」

「はい、できると思いますけど…」

「そうかそれなら良かった。」


何を言う気だ?


「お前達は真剣を使っていいぞ!もちろんミツキ君には木剣を使ってもらう!」


おいおい大丈夫かよそれ、俺じゃなかったら死ぬぞ。

しかも俺、木剣とか…

まぁいいか怪我させる心配もいらなくなるわけだし。

取り敢えず真ん中行くか。


「あの、幾ら何でもこれは負ける気がしないんですが…それにこの人数で一人を相手するは気が引けるんですが…」


対峙している騎士団の一人がそんなことを言い出した。そりゃそうだろうな、いきなり現れたどこの誰ともわからん、実力も知らない奴といきなり闘えと言われた挙句、500対1だもんな普通に考えたら負けないとこいつらが思うのは当然だよな。


「そんなことを言ってると痛い目を見るぞお前達。真剣に殺す気で行った方がいいぞ」


殺す気でやらせちゃダメでしょ色々


「わかりました」


ほら、変なこと言うから騎士団の人たちの目付き変わったじゃないか。


「それじゃルールは殺しさえしなければなんでもありだ。あ、もちろん魔法は無しだぞ。スキルは使って良い。それでは戦闘始め!」


まずは前にいる奴らを蹴散らすか。


俺は木剣の剣先を後ろ斜め下に下げつつ駆け出す

ちなみにスピードは結構抑えている。


だが、騎士団の人たちは俺のことが見えていないのか、剣を構えながら棒立ちしている。


そして俺は騎士団の先頭集団の前まで行き、剣を中段に構えてから剣の腹を使って一人目を倒す。


あれ?何メートルか飛んでったぞ?結構力抑えたと思ったのに。このまま行ったら怪我させちゃうな

取り敢えず一旦引くか。


「「「!?何が起こった!?」」」


騎士団の人たちがびっくりしているが、油断していなければあのぐらいの速さは見えたはずだ。

目付きが変わっても心の何処かで油断してたんだろうな。


まぁそんなことより今は制御をしなきゃ。


(力を制御!もっと!もっとだ!)


ピロンッ♪

(スキル"制限Lv-"獲得しました)


今頃?あれこのスキルLv-か。今まで結構制御してたけど手に入らなかったのは習得までの経験が足りてなかったのか。あと〈成長加速〉のチート具合についてはもう何も言わない。


まぁいい取り敢えず効果を見てみよう。


制限Lv-: 値を設定し、このスキル所有者のステータスを制限することができる。解除のタイムラグは発生しない。


まぁ概ね思った通りだ。

それじゃステータスに制限をかけるか…そうだな、値は…10000くらいでいいか。


("制限Lv-"発動)


「おい!お前らこっからは気を引き締めて行くぞ!もう油断なんかすんじゃねーぞ!」

「「「おう!」」」


俺がステータスを制限を終わったと同時に騎士団の方も心構えが変わったみたいだ。顔付きが皆んな変わってる。


(それじゃ再戦といこうか!)


そう思いながら地面を蹴り、駆け出す。


相手の目の前まで行き、剣を中段に構えて剣の腹で相手を叩きに行くが、相手は俺の剣に反応して剣で防御の体制を取っていた。剣で防御される寸前、俺は切り返し、一回転して相手の反対側の脇腹あたりを剣で叩く。


「おえっ!」


騎士の一人がその場で悶絶するが、まだ立っている。


(流石に初撃は警戒してたな、それに剣の腹じゃ決定打にはならないか…普通の使い方するか)


剣の腹で叩くのをやめようと思っていると後ろから気配がする。


「「「おら!」」」


俺の背後に回っていた騎士達3人が俺を斬ろうとしてくる。

俺は、悶絶しながらもまだ立っている騎士を、回転しながら足払いをし、しゃがみながら3人の方を向き、剣を横向きに持ち換え、それぞれの剣を、剣の刀身の部分で2つ、持ち手部分1つ受け止める。


(うっ若干重いな。)


ステータス制限したせいで若干の重みを感じながら、3人の剣を押し返す、騎士たちが俺に押し返され反動で動けなくなってる間に、剣を縦に持ち換え3人を斬る。


「「「ぐはっ!」」」




それから10分ぐらい倒し続け、100人くらい倒したところでちょっと飽きを感じてきた。

騎士団長と早く闘いたいし、そろそろ終わらせよう。


(スキル"身体強化Lv4"発動!)


身体強化をして、騎士達へと駆け出すと俺の速さについてこれないのか騎士達は為すすべもなく俺に斬られていく。そうして何分か経った後に地に立っているのは俺一人だけとなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る