第9話 -王国視点- 荒れ狂う王国_1_
-王国視点-
ここは王都カロンの王城の一室 時刻は午後19:30
「異世界人の監視兼暗殺者部隊がやられました!」
突然の報告にこの国の王{アルシュタイン・カロン}は苛立ちを禁じ得なかった。
「なぜだ!?なぜやられた!?ターマスティが行くまで待機だといったはずだが!!」
「実は…」
そう切り出し報告にきた騎士は、夕方にあった出来事を話し始めた。なぜ、騎士が夕方に起こった出来事を知っているかと言うと、仕事勤務外中に野次馬となって見ていたからだ。
「なんだと!?クソ!あのバカめやらかしおったか! なぜよりにもよってあの異世界人に喧嘩を売った!殺すことを伝えてないのが裏目にでたか」
あのバカとは公爵家の小太りおじさんのことである
名前は {ピッグズ・ヘスタ}である
ピッグズが殺されそうになったことにより、異世界人を監視していた暗殺者供が出ざるを得ない状況になってしまった為、監視ができなくなってしまったのだ。
ピッグズには暗殺のことを伝えずステータスを奪う異世界人が現れた、其奴は称号:逸脱者をもっていることだけしか伝えていない。
「ピッグズはどこにいる!?」
「申し訳ございません。私にはわかりかねます。あの後大聖堂に入っていった様ですがそれからは見ておりません。」
「今すぐ王城に呼べ!騎士団を動かしても構わん!捜索に当たらせろ」
「分りました」
その頃王都西側にあるヘスタ公爵家では…
「なんなんだ!なんなんだあいつは!」
ピッグズは執務室で錯乱していた
コンコン
「なんだ!?」
「戦闘奴隷が戻ってきました。どうなされますか?」
ドア越しで喋りかけるのはヘスタ家で雇っているメイドである。
「チッ あの使えない戦闘奴隷め戻ってきやがったか!そいつをここに連れてこい!」
「畏まりました」
暫くして
コンコン
「私です 戦闘奴隷を連れて参りました」
「わかった入れ」
「失礼します」
「失礼します」
「この役立たずめ!何をのうのうと帰ってきてやがる!戦闘奴隷として買ったのにクソの役にも立ちやしなかったな!」
「申し訳ございません」
「これじゃ金の無駄使いをしただけじゃないか!くそ!あいつの顔がちらつく!絶対殺してやる!もうお前は使えん!どっかいけ!」
「ですが、首輪を外してもらわないと…」
「あーもう!黙れ!おいお前!」
「はい」
控えていたメイドが返事をする。
「この戦闘奴隷は役にたたん!奴隷商に行って契約解除いてこい!」
この世界の奴隷の扱いは基本的に暴力などは振るえなくなっており、捨てたりすることもできない。契約に違反した場合契約者に痛みが伴う。
だから捨てる場合は契約を解除しなければならない。
「畏まりましたそれでは失礼します」
ガチャ バタン
「クソッ!次はあいつを確実に殺せるための戦闘奴隷も買うしかないかっ!いやっ暗殺者を雇うか」
ピッグズの頭の中はあの忌まわしき男の姿しかなかった。
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