第10話 -王国視点- 荒れ狂う王国_2_

-王国視点-




時刻は20:00


カロン王国王都カロンにそびえ立つ王城の応接室。



そこにはこの国の王{アルシュタイン}と、この国の騎士団長{ターマスティ}がとある人物を待っていた。




コンコン




「入れ」




王がそう促すと、とある人物を連れてきた執事が応接室に入ってきた。




「失礼します。ピッグズ様をお連れしました。」


「失礼します。」


「お前はもう良い下がっておれ」


「畏まりました 失礼します。」




そう返事を返し、執事は応接室を退出した。




「陛下、なぜ私は呼ばれたのでしょう?」


「いつ儂が喋っていいと言った?」


「申し訳ございません」


「まぁいい それでお主はなぜここに呼ばれたかわからないと?」


「恐れながら」


「お主に異世界人、逸脱者の話はしたな」


「はい、それが…」


「しらを切るな!お主今日逸脱者と遭遇したよな!?」


「……はい」


「なぜ喧嘩を売った!!」


「いや…それはあの野郎が…喧嘩を売ってきて…」


「うるさい!言い訳は聞きたくない!お主のせいで儂の計画が台無しじゃ!」


「…計画?恐れながら陛下計画とは一体…」


「ターマスティを使って逸脱者を殺す計画じゃそれを邪魔しおって!」


「邪魔とはどういうことでしょう?陛下」


「お主、五人の暗殺者を見なかったか?」


「!?」


「あの五人は逸脱者の監視の任に就いていたのだ。逸脱者がこの王都を出て、森で殺すためにな…それをお主が喧嘩を売って、殺されそうになっていたから助けるために出ていったのだぞ!そして監視してた5人も見事に返り討ち、お主は報告もせずにのうのうと帰ってきている!これが怒らずにいられるか!?」




「少々落ち着いてください陛下」




ここで二人の会話を聞いていたターマスティが口を挟む。




「あー、すまん」


「取り敢えず陛下、まだ殺せるチャンスはあります。これからどうするか話し合いましょう」


「そうじゃな」




そして話し合いがようやくスタートする。




「ターマスティ、逸脱者がどこにいったかわかるか?」


「いえ、把握できていません。申し訳ございません」


「そうか… よし、ターマスティは東の門を出て帝国側へ迎え。大聖堂の位置からだとそっちの門が近いからな帝国側へ行く可能性は十分にある。ピッグズお主は確か他の国の奴隷商とコネがあったな?お主はできるだけ戦闘奴隷を集めてそれぞれの国で情報収集をさせろ!よいな?」




「分りました」


「分りました陛下」




「失敗したら次はないぞピッグズ」




「…はい」




こうしてターマスティは東へ向かい ピッグズは奴隷商に連絡を急いだ。




これからカロン王国に起こる災いはまだ誰も知らない…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る