第8話 初戦闘



ブタが逃げた後、俺の行く手を阻むように3人の暗殺者が立ちはだかる。




「さてと…それじゃあ、かかってこい」




俺は手首をちょいちょいと曲げるように挑発し、そう言い放つ。




(どう出てくるか、まぁある程度今の自分の力を試せたからもう終わらせてもいいんだけど、もうちょっと対人戦闘磨くか)




「「はぁっ!」」




その掛け声と共に俺の左右から二人で走ってくる。


それと同時に目の前に二本のナイフが飛んできた


同じタイミングで俺を挟み込むつもりのようだ。




(さてとどう対処しよう今の俺なら15通りぐらい対処の仕方ができるんだがまぁ、無難にこれでいくか)




俺は眼前に迫って来ている二本のナイフを三本の指で挟みそのまま屈みに倒れこむ 。




フュンッ!




俺の上で短剣がからぶる音がする。


二人の暗殺者が首あたりを狙ってくるのは最初からわかっていた。殺すのに一番速くて的確な場所といったら首か心臓 まして相手は暗殺者 首を狙うのは道理だろう。




俺はそのまま地面に左手を着き、その左手を軸に相手の足を狙って回転した。




「おらっ!」




だが相手の回避能力が高かったのかジャンプで避けられてしまった。


俺は一回転し終わった後しゃがみながらの体勢で正面を見た




(あれ?もう一人はどこにいった?)




そしてナイフを投げていたはずな暗殺者がいないことに気づく。そのことも考慮に入れつつ俺の手にある二本のナイフを左右に飛ばす。




相手はジャンプ中で躱せないのか、短剣でナイフを弾く。それと同時に俺は右側にいる暗殺者に向かって突っ込む。




「っ!?」




俺の今の最高速で突っ込んだら相手は避けようがない、それもジャンプ中で体勢がしっかりしてない状態だ




「ガハァッ!」




俺のパンチが暗殺者の鳩尾にモロで入る




ドゴォォォン!




そのまま吹き飛び民家の壁に埋った。


俺は着地したと同時にもう一人の方に迫る。


相手も体勢を立て直したのか短剣を持ち、応戦しようとしてきた。




「ッ!?」




俺は咄嗟に嫌な予感がして、右に飛び退く。




「ほーう、今のを避けますか」


「全くあぶねーな、差し詰め気配遮断スキルといったところか?ギリギリまで気づかなかったぞ」


「そう、このスキルは気配を遮断することができるのです。この様にね」




そうして俺の前にいた暗殺者は姿を消した。




(しゃーねーな、あんまり使いたくはなかったが〈心眼〉発動!)


俺は目を瞑り〈心眼〉を発動させ周りを見渡した。




(よし、見えた)




心眼は相手の全てを見ることができるため、相手の気配を捉えるのは造作もないこと。


相手を捉えた俺は動かず相手が攻撃してくるのを待った。


相手が俺の背後から首元あたりを狙ってきた。


それを屈みながら回避し即座に振り向き相手の顔面を殴る。


10mぐらい飛んでいき地面に転げ落ちた。




そのまま振り返り呆然とこちらを眺めてるもう一人の暗殺者を殴る。




「ガハァッ!」




そのまま悶絶した声と共にその場に崩れ落ち、初の戦闘は幕を閉じた。




「ふー なんとか終わったな まぁあのブタには逃げられたが」




辺りを見渡すとへたり込んでいる奴隷の少女がいた。




「さて、君はまだ戦う?」


「いや、いい」




(まぁこの子にはステータスを返しておくか奴隷として仕方なく闘ったって感じだしね〈強奪〉発動)




ちなみに『異能』〈強奪〉はステータスの返・却・ができる。相手に自分のステータスを譲渡することは出来ないが奪ったステータスなら元に戻せると言う能力がある。




「君のステータスは元に戻したから、それじゃ」


「待ってください!」




その場を立ち去ろうとしたら奴隷の少女に呼び止められた。




「何んだい?」


「あの、その名前を教えて貰えませんでしょうか?」


「あぁ、いいけど…俺の名前はミツキって言うんだ。それじゃ」




そう言い残し俺はその場を後にした。

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読んでいただきありがとうございます。

奴隷の少女は、今後出るかも??

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