スーパーパワーの使い方

@makino419

第1話 傍観

「助けてーーーー!」


こんな時あなたならどうしますか?

助けにいく?助けにいかない?


答えは助けにいく。

大体の人はこう答えるでしょう。

当然ですよね、困ってる人がいたら助ける、小さい頃からそう教わってきたでしょう。


例え海でサメに囲まれているとしても、ビルの屋上から落ちそうになっているとしても、刃物を持った人に襲われてたとしても…



もう一度問います。

こんな時あなたならどうしますか?






さっきより助けにいける自信がなくなったように感じますね。



では、これならどうでしょう?


あなたにはスーパーパワーがあります。

それはサメに噛みつかれる程度じゃ傷つかない皮膚をもち、どんなに重いものでも片手で持ち上げられる筋力をもっています。


その皮膚は刃物すら通さず、その筋力はどんな屈強な男が相手でも負けることがない。


そう、つまりあなたは超人になったのです。



では最後に問います。

こんな時あなたならどうしますか?

助けにいく?助けにいかない?


答えは助けにい…


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けなかった。


身体が一ミリも動かない。

頭で助けにいかなきゃと思っても本能がそれをさせてくれない。


目の前に血を流して倒れている人がいる。

目の前に血を垂らす刃物を持った人がいる。



現場に人集りができる。

それに気づいた殺人者は逃げた。



追いかけないと、

僕なら奴を止められる。


例え刃物で襲われようとも僕の皮膚は傷つかない。

例え理性のない暴力がこようと僕の筋力には敵わない。

僕なら奴に勝てる。



なのに、追うための一歩が出ない…



どんな敵にも勝てる力をもっていても、僕は目の前の恐怖には勝てなかった。

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