夢を叶えるために
妹と夢を叶えると約束した翌日、特訓を始めた。
まずは4年のブランクを取り戻すべく、鍵盤を弾く感覚を掴み直すところから始めた。それぞれの鍵盤がどの音なのかは覚えていたのでそれを頼りに弾き続けた。
弾き続けて分かったのは意外と感覚が残っていること。さすがに指の力が弱くなっていたが、ここまで感覚が残っていることにびっくりした。小さい時から毎日何時間も弾いていたからだろうか。
ただし、もちろんのこと音は聴こえない。幼少期から弾いてきた感覚だけで弾いている。私はひたすらピアノを弾き続けた。幼い時の記憶が蘇り、聴こえないはずなのに弾くのが楽しくなってくる。自分では見えないがきっと私は今笑顔で弾いていると思う。妹が言っていたことがよくわかった。私はこの気持ちを忘れていたんだ。
その時妹が私のピアノをひっそり聴いていたと母から聞いた。妹は泣いていたらしい。あの時のお姉ちゃんだと。
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