変化 - 1

 高校3年生のある日、朝起きると耳に異変を感じた。耳の穴が少し詰まった感じ。聞こえないわけではないが聞こえづらくはなっている。心配で母に相談すると、「とても心配だし今すぐにでも病院に連れていきたいところだけど、お父さんの付き添いで出なきゃいけないからごめんね。少しでも悪くなったと思ったらタクシー呼んで病院行きなさい。あなたに付き添えなくて本当に申し訳ないわ。」と言われたので、今日はせっかくの休みだったのでゆっくり休むことにした。

私は既に推薦で音大のピアノ専攻への入学が決まっている。大好きなピアノにどっぷり浸かれる最高な場所だ。オープンキャンパスに行ってから絶対ここに入ると決めていた。もうすぐあの学校に通える。そう思っていた。


いつの間にか寝てしまっていた。外を見ると太陽が高く昇っている。昼時だ。朝ごはんを食べていなかったからかとてもお腹がすいていた。しかし、お腹がすいていたことを忘れるくらい耳がおかしいことにしか頭になかった。



明らかに音が聞こえなくなっていた。私はあまりにもショックで放心状態だった。

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