変化 - 2

 気が付いた時には妹が目の前にいた。4歳下の妹も将来有望なピアニストだった。私が妹を認識した途端、パニックを起こしてしまった。妹は私が音が聞こえなくなっているのを知らず、ただただ困惑していたが、私を抱きしめて落ち着かせてくれた。

しばらくして落ち着き、事情を説明した。正確に言うとスマホのメモ機能を使ってだが。さっきまで喋れていたから自分の声が聞こえないことにショックでまたパニックになりそうだったからだ。「音が聴こえない」と打った画面を見せると慌て始めた。妹のスマホの画面に「今すぐ病院行こう かなりやばいよ!!!」と書かれていた。やばいことは自分がよくわかっている。音楽を生業としている人にとって、音は命の次に大事だと言っても過言ではない。そんなことを考えていたらいつの間にか家の外にいてタクシーが目の前に止まっていた。妹から連絡を受けた母が呼んでくれたらしい。

私はもう耳のこと以外考えられなかった。


目を覚ますともう病院に居て診察が始まろうとしている感じだった。

色々な検査をして結果は次回来た時に知らせると言われた。


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