986 崇秀に利益を齎した眞子の貢献度の理由

 崇秀が見せたい物と称し『250席もある美容室』を見せたのだが。

これを作れたのは『眞子のお陰だ』っと言い始めたので、眞子は混乱。


では、何故そうなるのか?


***


「ちょ!!ちょっと本気で待ってよぉ。本当に、なんでそうなるのよ?そんな事した憶え自体が、全く身に憶えが無い話なんだけど」

「まぁ、そうだろうな、今のオマエの考えじゃあ、そうなっちまうわな」

「うっ、うん」

「だからまぁ、もっと正確に言っちまえば。これはオマエの功績っと言うよりも『倉津真琴の功績』って言った方が、より正確な話になるだろうからな」


だから……はい?

私じゃなくて、真琴ちゃんの功績で、市や国からの助成金が大量に出てるって、どう言う事?


まぁ私が元真琴ちゃんな訳だから、理屈としては解らなくもないんだけど。

そんな事を言われたって、余計に解り難いだけなんだけど?



「あの……ホントに、それどういう事?お姉ちゃん怒んないから、ちゃんと説明してみ」

「説明するもなにも。これ自体は、そんな小難しい話じゃねぇんだよ」

「ホント?」

「おぉ。……だってよぉ眞子。オマエ、倉津が作った3B-GUILDって知ってんだろ」

「あぁ、うん。勿論、知ってるよ。って言うより、さっきまで一緒にライブしたところだしね」

「だよな。……そんで、あれってよぉ。今、国民的アイドルユニットに成ってるよな」

「あぁ、うん。確かにそうだね。成ってるねぇ」

「ならよぉ。此処で、誰かスゲェ得してる人間が居る事に気付かないか?」

「はい?誰?……山さん?スリーストライプ?」

「違ぇよ。つぅか、此処まで言って、普通わかんねぇかなぁ?山さんや、3B-GUILDの所属事務所のスリーストライプじゃなくて。……この一件で一番得してるのは、この市の市長だよ」


えっ……一番得してるのが市長さんって事は。


いや、あの、まさか……それって。


いやいや確かにね。

崇秀の言う通り、あの気持ち悪くも妙に媚びた笑い方をしながら、出来もしない理想論を掲げたマニフェストを熱弁していた、あの人は、3B-GUILDの人気も後押しして、今現在、この市の市長に成れたよ。

しかも、去年の文化祭からの交流があり、市長になる以前から3B-GUILDを推していたから『自己PR』や『若者からの支持』や『好感度』等の色々な面で、今も尚、得をし続けてるとは思うよ。


……でも、だからってさぁ。

政治家って権力が大好きな生き物が、自分の利益を得たからって、そうやって他人に利益を分与する様な人の好い真似はしないんじゃないかなぁ?

あの人達が当選してから、まず考える事って、間違いなく『自己保身』の筈だよ。

そんな人が、なにかを他人の為に還元するとは思えないんだけどなぁ。



「でもさぁ……」

「まぁまぁ、そこは、なにも言わなくても、オマエの言いたい事は解ってる。……だから此処は、変になにも聞かず、最後まで説明だけを聞け」

「あぁそぉ。……じゃあ、なにも聞かず、素直に話を聞くよ」

「良い子だな。じゃあ、まず1つ目な。今の市長が、3B-GUILDのお陰で市長に成れたのは、当然、流れからも承知してるよな」

「うん、勿論だよ。その辺に関しては、困った事に、他の一般の人より、良く事情を理解しちゃってるからね。嫌でもわかるね」

「だよな。じゃあ次に、そこを突き詰める事にするんだが。当然その3B-GUILDが所属してるのがスリーストライプ及び、俺が経営してるサイトGUILDってのも理解してるよな」

「うん、此処も当然だよ。3B-GUILDが……って!!」

「はいご名答、そういうこったよ」

「えっ?えっ?えぇ~~~、じゃあまさか!!」


ちょっとぉ~~~!!


それって……



「あぁ、まさに、オマエが今思ってる通りだ」

「ホントに?ホントに、そんな事が有り得るの?」

「有り得るぜ。現に3B-GUILDのお陰で支持率の高い市長は、俺の企画には常に大賛成でな。誰よりも優先的に助成金を出してくれる。しかも、申請した金額より、大分、多めにな」

「申請よりも多くって……」

「アホ、んなもん当然だろうに」

「なんで、貸し渋りが多いこの時期に、なんで崇秀だけは多くお金を出して貰えるの?」

「ハァ~~~、このボケが。……良いか眞子?まずにしてだな。市が俺に、より多くの金を出すのはな。その中に『企画料が含まれてる』からだ。その金さえ優先的に俺に出しさえすれば、街の発展は望めるし、市の無能な地域開発部署の人員が削減出来るだろ。それ=市の財政赤字も補填できる訳だから、当然、市長の好感度アップにも繋がる。そう言う大人の裏事情がある以上、俺に助成金を出さない理由なんてねぇんだよ」

「うわ~~~っ、エゲツなぁ」


でも、確かにエゲツないのは、エゲツないんだけど、言い得て妙な話だね。

お役所仕事しか出来ないっと言われる様な役所の無能な人間に、無駄な税金を大量に使うぐらいなら、お金を有用に使える人間に渡して、無能な市の役員を切った方が、市長の好感度にも繋がるのも頷ける話だからね。


まぁ此処には『出る杭は打たれる』なんて言葉もあるけど、崇秀相手に、そんな無謀な真似が出来る政治家なんている訳ないだろうし。


下手にそんな事をしたら、逆に政治家の人達が潰されそうだし……



「別にエゲツなくはねぇだろ。街の発展が望め。安くで市の財政が潤い。余計な人員削減により、自分の好感度はドンドンと上昇して行く。勿論、そこで出す俺の企画に伴い。GUILDランカー達が、この街にドンドンと集まって来る訳だから、話題作りにもなるし、市の町興し事業としても成功を収める事が出来る。故にだ。俺と、市長の間には、完璧なまでの利潤関係が成立してんだよな。……これこそが、3B-GUILDを作ったオマエの功績。オマエが、俺に齎してくれた実績。俺が『オマエのお陰だ』って言う理由だ」


うわぁ……

当初の私個人の意見としましては、ただ単に面白半分で作ったユニットだったんだけど、スリーストライプの山さんや、あの例の市長さんを巻き込んだ事によって、そんな縁が裏では結ばれてたんだね。


恐ろしやぁ。



「あぁ嫌だ、嫌だ。そう言う意味で、私のお陰って言ってたんだ」

「まぁそう言うこったな。……あぁ因みにだがな、この市から、俺に助成金が出てるうちは、この街は、まだまだ発展してデカく成るだろうから、土地を買うなら、今のうちに買っとけよ」


信じられない……この人。


ホント、常識外れも良い所だ……

まだ中学生の崇秀が、完全に政治家を手玉に取ってるじゃない。


こんな事って有り得るの?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


この一件、エゲツナイなぁ……っと思いましたでしょうか?


でも、実際はこんなものですよ。

政治家に関わらず、投資家なんかもそうなんですが。

大きな実績を持つ人間には、性別や年齢に問わず、蠅の様に集って来るのが、お金や権力が大好きな彼等の習性ですからね(笑)

ブッチャケ言えば、誰だって投資を成功させたい訳ですから、勝率の高い物にベットするのも当然の事ですしね。


まぁ、それをさせてるのが中学生のガキ、ってのは中々笑えない部分では成りますがね。


さてさて、そんな中。

崇秀の話を聞いて、ある程度は納得出来た眞子なのですが、まだちょっと疑念が残ってる様子。


なので次回は、今回以上に解り易い証拠を上げていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


あぁ後、眞子を此処に連れてきた理由も明らかに成りますです♪

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る