972 ブチギレ眞子を鎮める方法

 崇秀に対する発言に、我慢の糸が切れてブチギレしてしまう眞子。

その怒りは誰にも止める事が出来ずに居たら、控室の扉が開いて……


***


「お~~~い、飯が出来……んあ?なんだこれ?豪く険悪な雰囲気だな」

「あぁ、仲居間さん!!丁度良かった!!眞子を止めて下さい!!」

「んあ?なっ、なんだよ藪から棒に?向井さん、どっ、どういうこったよ?」


崇秀……


扉を開いて控室に入った来たのは崇秀。

当然、こんな事に成ってるとは夢にも思わなかったのかして、珍しくも奈緒ネェの態度に少々動揺してる様子。



「あっ、あの、ライブの終了後。……あの、その、なんて言うか、仲居間さんの悪口が話題に上がっちゃって……その……」

「あぁ、そう言う事な。それにしても俺の悪口が原因で、こう言う雰囲気に成ってた訳な。けど、そりゃあ出るだろうよ。俺の悪口なら出て当然だ」

「「「「「「!?」」」」」」


えっ?……なんで?

奈緒ネェの話を聞いた後も、まるでそれが当然の様な顔をして対応してるけど……その理屈、おかしくない?

だって、あんなに献身的な態度が理解出来ないなんて、どう考えても相手側に落ち度がある。


だったら、崇秀が批判を受けるなんて、おかしいでしょ。



「えっ?なんで?……崇秀は、謂れの無い悪口を言われたんだよ」

「まぁそりゃあ、しょうがねぇだろ。此処に居る下手糞な連中と、俺とじゃ、完全にレベルが違い過ぎるからな。そりゃあ、そんな俺に嫉妬の1つもしたくなるってもんだろうに」


急に部屋に入って来たかと思ったら。

また、そうやって、なにもかもが自分が悪いみたいな事を言う。


……でも、事実だけを見たら、崇秀は、なにも悪くないよ。

悪いのは、そんな崇秀の気持ちが解らずに、悪口ばっかり言うコイツ等が甘いだけ。

だから、こんな理解力の低い連中なんかには、崇秀も三下り半を突き付ける勢いで、もっとハッキリ言ってやれば良いんだよ!!



「違うよ!!コイツ等が、みんな馬鹿なだけだもん!!」

「いや、馬鹿はオマエだろ。大体にして、馬鹿は、オマエの専売特許じゃん」

「なんでよぉ!!なんで、そんな事を言うのよ!!」

「いや、だってよぉ。事情は、よくシラネェけどよぉ。此処で俺の悪口が出たって事はだな。みんな、なんだかんだ言いながらでも、俺に注目してる訳だろ。だったら別に、それで良いじゃんかよ。……それによぉ。俺が納得してる以上、オマエがそれに口出しするのは、オマエが馬鹿なだけだ。人、それを道化師とも言うなぁ」

「あのねぇ!!そう言う事を言ってるんじゃないの!!みんな、崇秀を利用してるだけなんだよ!!口惜しくないの!!」

「おぉ、そりゃあスゲェな。俺を利用出来る奴が、この世に存在するとはな。是非とも逢ってみてぇもんだな」


もぉ……そう言う事じゃなくて!!



「だから!!なんで解んないかなぁ!!」

「いや、ちゃんと解ってるぞ。陰で悪口言ってるのに、コイツ等は、俺を利用してるって言いたいんだろ。……そうだろ?違うか?」

「そうなんだけどさぁ。だったら……あっ、んっんん~~」


あっ……あれ?

ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと、なんで君は、このタイミングで、私に熱烈なチュ~をするのかね?


人前なの…は……まぁ別に、どうでも良いけどさぁ。

って言うか寧ろ、もっと『崇秀が私だけの大事な人』だってアピールしたから、もう後1000ぐらい、みんなの前でチュ~してくれても良いんだけどさ。

なんで話の途中で、こんな事に成ってしまっているのかだけが解んないんだけど?


なので取り敢えず、もう一回チュ~してくれる?

そうしてくれたら、お馬鹿な眞子ちゃんでもちゃんと解るかもよ(///)



「フン。良いか、眞子?そうやって俺を利用したきゃな、ドンドンうまく利用すれば良いじゃねぇかよ。それに悪口だって、なにを言われても、俺は一向に構わない」

「なっ、なんで?」

「そこには、なんでもへったくれもねぇの。俺には、そうやって俺をキッチリ理解してくれてるオマエって存在が居るんだからよ。それだけで全て事は無しなんじゃねぇの?それ以上、俺が何を求める必要性がある?」

「えっ?……えぇ~~っと」


あぁ~~~~っとね。

このなんとも嬉しい言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になっちゃって、どう反応して良い物やら、なんも思い付いてくれないねぇ……


なになにこれ?

いや、あの、ホントなにが起こってるのか解らなくて、どうしたら良いのかなぁ、これ?



「はぁ……あのなぁ、眞子。いつも通りオマエの頭がボケてボケ~~~ッとしてる様だから、もぅ一回だけ繰り返すがな。俺が誰かに利用され様がな。誰に悪口を言われ様がな。俺には、オマエさえ居れば、結果的には、なにも関係ねぇの。オマエさえ、俺を裏切らないなら、そんな以外の些細な事位なら全部受け止めてやるよ。……だったらこんなもん、揉めるのもアホ臭ぇ話だと思わね?」


あぁ、そう言う事ですか。

誰が何を言おうと『私さえいれば、他人の意見なんて関係ない』って言ってくれてたのね。

要するに『私の存在>全人類』って事ですな。


それなら私も一緒で『崇秀>全人類』だよ♪


あぁでもでも、奈緒ネェも、私にとっては絶対に大事な人の存在に入っちゃうから、正確に言えば『崇秀・奈緒ネェ>全人類』ですな。


あぁいや、ちょっと待ってちょっと待って。

奈緒ネェ以外にも、真菜ちゃんも、飯綱ちゃんも、真上さんも大事だけどね。

真菜ちゃんは妹だし、飯綱ちゃんや真上さんなら、私が言わずとも『崇秀さんの良さを理解してくれてそうだしね』



「うわっ、仲居間さん、人前で堂々とそう言う事を言うかなぁ。格好良過ぎるよ。……私、彼氏の人選誤ったかなぁ」

「スゴッ!!仲居間さん、これだけ大勢の前で断言しちゃったよ。あたしも、異性から、あんな風に言われてみたい」

「うっ、うほん!!……(赤面)」

「眞子ちゃんズルイ!!もぉ本当にズルイよ!!」

「「「「「あぁ……良いなぁ」」」」」


あの……今更、そんな事を言って羨ましがってもダメなんですからね。


それでも私は、まだ滅茶苦茶怒ってるんですよ。

プンスカプンなんですよ。

だから、さっきの話も、そんな風に羨ましがった程度じゃあチャラにならないからね。

それに、たっ、崇秀の格好良さに、いっ、いっ、今頃気付くなんて馬鹿も良いところですよ。


崇秀はね、昔から、こう言う人なの。

こうやって『私の存在を世界一大切にしてくれる人』だからこそ、私は、元男であっても、その女性化した状態で、この人に惚れ込んでしまい、女であり続ける事を選択したほどなんですからね。


どうだ、私だけの彼氏は世界一格好良いだろう!!コンチクショウ共!!

悔しかったら、自分の大事な人から、こんな嬉しい言葉を掛けられてみろです!!


ザマァなのです!!(どやぁ~~~)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


眞子……あれだけ怒ってたくせに、崇秀には簡単に言いくるめられましたね。


まさに『究極の単純な生き物』(笑)


まぁまぁ、そうは言いましても、自分が一番信頼してる最愛の人間に、こんな嬉しい言葉を投げ掛けられたら『へにゃ~~~』って成ってしまうのも仕方がない事。

なので、此処は、眞子が単純と言うより【崇秀が眞子の扱い方が上手い】って言うのが正しいのかもしれませんね(笑)


さてさて、そんな中。

この崇秀の行動で、完全に怒りのゲージがしぼんでしまった眞子。


この後、どんな態度で、みんなに接するのでしょうね?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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