959 私がステラさんを勧誘してみよう
3Bの人気問題で荒れに荒れてるコンクール会場。
それを見た崇秀は、キリンさんチームとゾウさんチームの合併を図り。
まずはミラーさんを、嫌な勧誘の仕方と、眞子の協力もあって自軍に引き入れた(笑)
***
「……って事でだな、ミラー。これが3B-GUILDの曲だ。この程度の曲、オマエなら憶えるのに5分も掛かんねぇだろ?」
「チッ……はいはい、どれ、貸してみな」
そうやって崇秀さんからミラーさんに、何曲かの楽譜が渡されるんだけど。
5分憶えれるんだ。
感覚としては、キューピー3分クッキングみたいな感覚なんですね。
凄いですね。
あぁ因みにだけど私は、3B-GUILDの曲は全部知ってるよ。
素直ちゃんも、木根さんも友達だからね。
それに新曲が出る度にチェックしてるし、素直ちゃんか、木根さんがライブのチケット送ってくれたり、CDを家に持って来てくれたりするから、当然、全部弾けるよ。
だから、そこだけはご安心あれ。
まぁ曲自体……凄い簡単だしね。
「じゃあ、次に向井さ~~~ん」
「はいはい、OKですよ。このまま終わっちゃあ、面白くないですしね。それに【Nao with GREED-LUMP】への干渉も深くお断りしたいんで」
「オーライだ。なら、そんな聞き分けの良い向井さんには、12月の頭に東京ドームでのライブを企画して置く。まぁ良かったら、来年に日本の凱旋ツアーなんてのも用意しとくから、報酬は、そんな感じで良いか?」
「えぇ~~~っ!!ちょ!!たった一回、此処で演奏をするだけで、そんな破格の報酬なんですか?」
「当然だろ。無理言って敵から寝返って貰うんだから、報酬が破格なのは当然の事。借りを作らない為にも、それぐらいで丁度良いんだよ」
「有り得ないよ、この人……」
そうだよ。
その有り得ない事を平然とするのが崇秀じゃないですか。
それぐらいでビックリしてちゃあ、奈緒ネェ、崇秀の親友って呼べないよ。
なので、もっとも~~っと、崇秀を理解して上げて下さい。
勿論……やり過ぎですけどね。
……っと、崇秀が奈緒ネェに、なにかを説明してる内に、私は、ステラさんの説得を試みてみよう。
時間短縮、時間短縮。
「あの……ステラさん。ステラさんも、ご一緒して貰えませんか。私、どうしてもステラさんと一緒に演奏したいんです」
「はぁ~~~ッ、それは本心で言ってるのですか?それとも、仲居間さんの手助けがしたくて、そんな事を言ってるんですか?どちらですか?」
一言話しただけだけど。
ヤッパリ、ステラさんは一筋縄ではいってくれないね。
なにか言って来るとは思っていたけど、まさか、そう言うストレートな質問をぶつけてくるとはね。
ホント、良く人を見てるね。
でもね。
此処は、自分の本心を素直に相手に伝えるのが順当なライン。
どうせ下手な嘘を付いたって、ステラさんには全部見透かされそうだしね。
「えぇっとですね。実を言うと両方なんですよね。ステラさんと演奏したいのも、本当の気持ちですし。崇秀の為に、ステラさんに協力を申し出たのも本当ですからね。だから、ヤッパリ両方ですね」
「そうですか。眞子は正直なんですね」
「あぁ、はい。でも、正直にと言いますか。嘘なんか付いても、相手の心象を悪くするだけですからね。極力、嘘は避けた方が良いと思いまして。……きっと馬鹿なんでしょうね。私って」
「馬鹿ではありませんよ。それはとても良い事です。……ですが、私に仲居間さんの手伝いをしろと言うのは、少々困りました。そんな依頼をするなんて、本当に眞子は困った子ですね」
「えぇっと、ひょっとしてステラさんは、崇秀の事が嫌いなんですか?あの、崇秀は良い奴なんで、出来れば嫌わないで下さい」
まぁ、ステラさんと崇秀の事情は、全部、まとめて知ってるんですけどね。
多分ね、ステラさん自身が、崇秀から独立したと言う事実が、心のどこかで引っ掛ってるんだろうね。
今の立場では、崇秀から直接声が掛からないと一緒に演奏し難いって感じで。
それにステラさんは『崇秀討伐』以外には、余り興味を示さない事も承知してるんですよ。
……でもね。
このメンバーでやったら凄い科学反応が起こりそうじゃないですか?
だから、無理を承知でお願いします。
「あぁ、いえ、特に嫌ってる訳じゃないんですよ。ただ、私が仲居間さんと一緒に演奏をしても良いものなのかどうかが、悩み処なんですよ」
「あぁっと、そうなんですか?事情は、よく知りませんけど、崇秀は音楽に関しては快楽主義者なんで、多少の事なら気にしないと思いますよ。それにステラさんは、崇秀とは、崇秀がアメリカに行った時からの長い付き合いのお友達じゃないですか。だから、なにも気にする必要は無いと思いますよ」
「どうして眞子が、そんな事情まで知っているんですか?」
「あぁ、それはですね。崇秀が、いつも私に、ステラさんの話を楽しそうにしていてくれてたからです。……崇秀ね。ステラさんが、自分の元から去って、自分の力で努力されてる事を凄く評価してましたよ」
うん、これは事実だもんね。
事実、崇秀は、ステラさんを高く評価しているしね。
崇秀と言うメビウスの輪から抜け出すのは、並大抵の精神じゃ出来無い。
それが出来てるだけでも、賞賛されるべき事だと、私も思いますよ。
「そうですか。私は、少し仲居間さんを誤解していた様ですね」
「多分なんですが、ステラさんは誤解なんかしてないですよ。きっと、そう捉える様に、崇秀が仕向けてただけですから。アイツは、そう言う男なんですよ」
「ハァ……中々良く見てますね、眞子。アナタのおっしゃる通りですよ。仲居間さんは、私がそう思う様に、ズッと、そう仕向けていましたね」
「ハァ……ヤッパリ、解ってたんですね。崇秀に聞いた通り、ステラさんは賢明な方だ」
「ふふっ……どうやら、お互いが腹の探り合いをしていた様ですね」
「ごめんなさい。……あの、でも、悪気は無かったんですよ。ステラさんが、崇秀に聞いた通りの人なのか、少し試したくなっちゃって。……本当にごめんなさい」
全部正直にね正直に。
ステラさんは、そう言う所に過敏に反応する人だから、此処で嘘だけは、絶対に禁物だからね。
「どこまでも正直なんですね」
「あぁ、はい。折角、気に入って貰えてるのに、嘘なんかを付いて、ステラさんとの関係を壊したくないんで、出来る限り、本当の事を言いました。……でも、隠してる事も有りますよ。それだけは、なにかは言いませんけど」
「そんなものを無理に言う必要はありませんよ。言いたく無い事は、なにも言わなくて結構です」
「ごめんなさい」
「謝る必要も有りません。隠し事の無い人間なんて、逆に気持ち悪いですからね」
「あっ……ありがとうございます」
「感謝なんて要りませんよ。感謝すべきはコチラの方ですからね。アナタの様な人に逢えて、私は幸せですよ」
あぁ良かったぁ……私の希望通り、ステラさんとは良い関係に成れそうだ。
話してる間は、ズッとドキドキしたけど、出来る限り、正直に話したのが功を奏したみたいだね。
ヤッパリ、正直なのは良い事だよね♪
「あっ、ありがとうございます。そんな風に言って貰えて、本当に嬉しいです」
「なら、眞子には、もぅ1つ喜んで貰いましょうか」
「なんですか?」
「仲居間さんに協力しましょう。御代は結構ですよ」
「えっ?えっ?ヤッタァ!!ホントですか!!」
「私は嘘は付きませんが」
「じゃ、じゃあ、一杯一緒に演奏しましょうね!!会場を、全部纏めて飲み込んじゃう位ビックリさせましょね!!後、後ですね……」
「ふふ、本当に変わった魅力を持った、おかしな子ですね」
ほらね、ほらね。
嘘を言わなかったから、ステラさんが、こうやって動いてくれたでしょ!!
スッゴイ嬉しい♪
もぉ気分は最高ですよ最高♪
こうして、ウチのメンバーであるキリンさんチームは、ゾウさんチームならぬ、崇秀さんチームに吸収合併された。
勿論、この場に居たシゲさんって眼鏡を掛けた熱狂的な大谷さんファンの人には、私がステラさんと話してる間に、たった一言、崇秀が言葉を発しただけでケリが付いていた。
そぉ……掛けた言葉は、たった一言……
『シゲさん。どうでもいい様なツマンナイ諍いなんか辞めて、俺等の手で、シゲさんお気に入りの由佳ニャンを3B-GUILDのトップにしてやりましょうよ。……普通の奴には出来無い、俺等のやり方でね』
……ってね。
まさに此処も、必要以上の言葉を全てカットした魔王の見事な一撃だったみたいだね。
現に……崇秀の放った、このたった一言の言葉だけで、シゲさんと呼ばれる眼鏡を掛けた方は、罵声を発するのを辞め。
なんとも言えない様な不敵な笑みを浮かべて、演奏の準備を整え始めている。
恐るべし崇秀……
そんな訳なんで!!
恒例になった!!魔王様ご一行の乱入タイ~~~~ムでございま~~す!!
皆の者どけえぇぇ~~~~い!!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
眞子がステラさんの勧誘に成功しましたね♪
勿論眞子自身、ステラさんに対して最大限にまで配慮を怠らず、全て正直に話したからこそ成し得た事なのでしょうが。
この様子から見ても眞子は、本当にステラさんの事が好きだからこそ、こう言う態度で接する事が出来たんでしょうね(笑)
さてさて、そんな訳でして。
キリンさんチームとゾウさんチームの吸収合併に成功した2人なんですが。
この状況を知らない倉津君やカジ&グチ君は、一体どう言った反応を見せるのでしょうか?
次回は、そんな倉津君達の心境を書いて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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