954 オイ……嘘だろ??

 倉津君&崇秀チームは、佐藤さんにカジ&グチ君を加えて結成完了!!

されど崇秀と佐藤さんは、コンクールで演奏する曲の譜面を見ただけで練習には不参加。


その姿に呆気にとられる三人だったが……凡人らしく練習開始!!


***


「なんだよ?オマエ等、やけにヤル気満々なんだな」

「まぁそりゃあな。クラッさんが昏睡して居ない間も、ステラさんが、俺等に定期的に手紙で練習方法を送ってくれてたからな。その集大成を、此処にステラさんが居なくても見せたいからなぁ、そりゃあ気合も入るってもんだよ」


あぁそうなんか、そう言う理由だったんだな。

これはまた、そうとは知らず、低俗な方向で見ててスマンな。


けどよぉ。

これは敢えて俺が言う様な事じゃねぇだが。

そんな風にオマエ等2人を放ったらかして、ステラの奴は、一体どこに行ってやがったんだ?

当時の意気込みから考えたら、アイツがオマエ等を放置するなんて思えないんだけどな。


ひょっとしてアイツも、俺と同一系統な感じで昏睡でもしてたのか?


いや、昏睡してたら、手紙は送れねぇか。



「なんだ?って事は何か?じゃあアイツは、俺が昏睡してる間、日本に居なかったのか?」

「はぁ……あのなぁ、クラッさん」

「うん?なんだよ?」

「ステラさんはな。クラッさんの失踪した直後、直ぐにアメリカに渡って、クラッさんを探しに行ってたから日本に居なかったんだよ」

「へっ?」

「しかも律義にも、俺等に謝罪した上で、ちゃんと断りを入れてから渡米したんだよ」

「うわっ、それマジか」

「マジもマジ、大マジだよ。そんでその上で、俺等の事までキッチリと心配ししてくれてよぉ。わざわざ、アメリカから手紙で練習方法まで送ってくれてたんだよ。……マジで良い人だぜ。あの人は」


うわ~~~~、それが事実なら、何所や彼処で迷惑掛けてんな俺。

しかもステラの奴、俺なんかを探してくれてた上に、バンドの成功の話も含めて約束を守ろうとしてやがったのか。


ホント何処までも律儀な性格してやがるな。


けど、それだけに、マジで申し訳ない事をしたな。

これじゃあ今度逢う時、なんか面を合わし難い感じに成っちまったしなぁ。


その際には当然、また死ぬほどボロカス言われんだろうしな。


まぁけど、そこはしゃあねぇか。

今回の一件は理由が理由なだけに、何も言い訳が出来ない訳だしな。


甘んじて、その罵詈雑言を受けるしかねぇわな。



「そっか。じゃあ、あれだな。この優勝は、此処に居なくても、ステラの為に捧げるとすっか」

「当然だな。クダラナイ事を抜きにして、そうあるべきだしな」

「んじゃま、そう言う事だから、クラッさん、今回もシッカリ頼んだぜ」

「おぅ、当然だ!!ステラの為にもぜってぇ優勝してやっからよぉ。万事任せとけ!!」

「頼りにしてるぜ」


……ってな訳でだな。

取り敢えず、凡人集団の俺達は、練習を始めてはみたんだがな……


・・・・・・


えぇ……嘘だろう?


こりゃあ、マジでヤベェ事に成っちまってんじゃねぇかよ。


……ヤベェよ。

こりゃあ、思ってた以上に、事態は最悪な状態だな。


だってよぉ。

まずは俺の予想を遥かに越えて、カジとグチの奴等が滅茶苦茶上手くなってんじゃねぇかよ!!

ひょっとして俺、この1年のブランクのせいで、このバンドで一番下手糞になってるんじゃねぇのか?って思える程2人の演奏レベルは上がってる。


やべぇ~~~~!!

このままじゃ『任せとけ!!』とか以前の問題として、俺自身が最高に足手纏いじゃねぇかよ!!


嫌過ぎるな……


……っとか思いながらも。

今までの遅れを取り戻そうと思い。

時間一杯まで、必至にベースをかき鳴らして練習を繰り返した。


そして気付けば、とうとう時間一杯になり。

不甲斐無くなってしまった自分の腕と、重たい足を引き吊りながら、会場に向かって行く羽目に成った。



まぁこれで……今回の俺サイドも終わりなんだけどよぉ。


これはマジでヤベェよ、マジで!!


どうすっぺかな?


***


【次回予告】


眞子「どもども、眞子で~~す♪」

真琴「……」

眞子「あっ、あれ?真琴ちゃん、黙りこくちゃってどうかしたの?そっち側でなんかあったの?」

真琴「いや、もう、マジで聞かんでくれよ眞子。今、結構、精神的な深みに嵌って、かなり凹んでる途中なんだよ」


眞子「あぁ……そうなんだ。あの、それは別に良いんだけどさぁ。一応、今、予告中だよ」

真琴「そうだな。……ってかよぉ眞子。それはそうと、オマエの方のメンバーの集まりはどうなんだよ?」


眞子「えっ、コッチ?うん、コッチは、なんか知らないけど、凄いメンバーに成っちゃったね」

真琴「はぁ~~……あっそ、じゃあもぉ絶望的だな」


眞子「なになに?ホントどうしちゃったのよ?次回は、真琴ちゃんの大好きなライブだよ」

真琴「はぁ~~~……そうだな。でも、今日はよぉ、なんか自信ねぇわ」


眞子「そっ、そうなんだ。じゃあ、私が予告締めるね」

真琴「はぁ~~~~……悪ぃ。なんかもぉ無理っぽいから。それも頼むわ」



眞子「えぇっと……真琴ちゃんが、そんな感じでご傷心中の様なんで。次回はですね……」


『Devil`s-King time』

「魔王の時間」


眞子「……を、お送りします。あの真琴ちゃん、次回も二元だけど、そんな調子で大丈夫?」

真琴「それも無理かも……はぁ~~~~もぉなにもかもダメだぁ……」

眞子「あぁっと、えぇっと……じゃあね♪バイバイ♪」



眞子「(これ、どうしろって言うのよ!!)」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>

これにて第一章・第五十四話 Battle in cultyre festivalはお仕舞に成るのですが、如何でしたでしょうか?


あぁ、因みになんですけどね。

倉津君、最後に物凄く凹んでましたけどね。

特別、彼の演奏が下手に成ってる訳じゃないんですよ。


ご存じの通り、カジ君グチ君は、素直ちゃんや山中君。

それに木根さんなんかが、彼等と必死に練習を重ねてきたから、この2人のレベルが上がっただけの事であって、なにも倉津君が下手に成ってる訳ではないんですよ。


まぁただ、結成当時、あんなに下手糞だったグチ君が、その特訓の成果として恐ろしい様なスピードで成長してしまったから、こんな風に感じてるだけでしょうしね。


さてさて、そんな中。

次回からは第一章・第五十五話『Devil`s-King time(魔王の時間)』が始まってしまう訳なのですが。

この状況を、なんとか打破して、倉津君は、奈緒さん・眞子チームに勝利を収める事が出来るのか?


その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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