952 眞子は、みんなの可愛い妹分
相性が最悪だと思われたステラさんとミラーさん。
所が、何故か眞子が仲介しただけで、アッサリと喧嘩を辞め。
なんとなくではあるが、相性が良さげに見え始める。
果たして、何故、こんな現象が起こっているのか?(笑)
***
「じゃあ、奈緒ネェ。そう言う事だから、みんなで頑張ろうね」
「はぁ……眞子さぁ。なんか、人を纏めるの上手くなったね」
「へっ?そうかなぁ?……でも、多分、奈緒ネェがこうやって良い人を、いっぱい紹介してくれるからだと思うよ。私1人だったら、逢う事すら叶わない様な人達だもん」
「あぁ……やっぱり、酷いド天然ですね」
「こりゃあ、酷いド天然だね。……うん、間違いなく酷いド天然だ」
「まぁ、それが眞子ってもんだからねぇ」
「あれ?なんで、みんなして、そんな事ばっかり言うですかね?私、ド天然じゃないですぅ!!」
本当にもぉ……虐めですか?
「そりゃあ、鞍馬。誰だって、そう言うさ」
「なんでですか?そんなに私って酷いですかね?」
「あのなぁ鞍馬。アンタの全米GUILDベースランクは、今3位な訳。今のアンタに逢いたがってる連中なんて、5万と居るんだよ」
はい?
なんでですかね?
なんで、私の知らない所で、そんな事になってるんですかね?
あの~~~ですね。
わたくし向井眞子は、夏以降、アメリカでライブをした記憶が全く無いんですが……
まさかとは思いますが、昏睡してた期間に、夢遊病みたいにライブハウスに現れて、演奏してたとか言いませんよね。
「あの……なんで、そんな事になってるんですかね?」
「誰かが、日本での、鞍馬の全ライブを流してるんだよ。あんなもんを見せ付けられたら、誰だって興味が湧くっての。……しかも、更新されるライブのペ-スが尋常じゃないし、HELPで入ってるから、曲数や、ジャンルのバリエーションも多く、見ている登録者や、観客を飽きさせない。……まぁ勿論、登録してるアメリカでのライブをしてないから、ランクこそ3位に留まってるけど、注目度じゃ仲居間さんと同クラスなんだよ」
誰だぁ~~~~!!
あぁ!!……モジャだなぁ~~~~!!
もぉ……またそう言う勝手な事をするぅ。
あぁ!!それでかぁ!!
バンドのHELPが、尋常じゃない数で依頼されて来てたのは!!
あのモジャを通して、私に連絡が入ってたんだ!!
もぉ、やられたぁ~~~!!
「そう言う事ですね。アナタの演奏は、実に興味深い演奏ですから。聞いた者、全てが、最低限、一度はアナタと一緒に演奏したくなる。そう言う衝動は、皆、大にしてあると思いますよ」
「あの~~~、そんなに期待されても、私は大した事ないですから。困っちゃいますね」
「良いの、良いの。眞子は、そんな事を気にせずに、いつも通り、普通に演奏してれば良いのよ。それで万事OK。変な事を考えなくても良いから、仲居間さんを倒す事だけに集中しなよ」
「はぁ、なんか、ご迷惑をお掛けします」
「なに言ってんだかね。リズム隊は、鞍馬と、あたし。バンドを牽引するのは、あたし達2人なんだから、アンタもシッカリ頼むよ」
「あぁはい。努力しますんで、宜しくお願いしますね」
大丈夫かなぁ?
今更ながら、不安になってきた。
「あぁそうだ眞子。そう言えば。今日、仲居間さんに勝ったらさぁ。あの2人に、なにをお願いする気なの?」
「えっ?あぁそれなら、もぉ決まってますよ」
「おっ!!なになに?もぉ決まってるんだ」
「あぁはい、決まってますね」
「……っで、なんなの?」
「あぁはい、真琴ちゃんにはですね。『奈緒ネェを大事にしてね』って言うので。崇秀には『偶には優しくしてね』って言うだけですけど」
これで十分ですよ。
後は、これ以上望む事なんてなにもないですし。
「えぇ……マジで?」
「あぁはい、大マジですよ。これって、凄く幸せな事じゃないですか?」
「あのさぁ奈緒。さっきから偶に出てくる『お願い事』って、なんの話なんだい?」
「あぁそれ。それはね。この勝負にはね。相手に勝ったら『自分の言う事を、何でも聞かせられる』って言う条件が入ってるのよ。それで眞子は、こんな事を言ってる訳」
「マジで?……あの仲居間さん相手に勝って、そんな小さい事を望んでるって言うの?」
「なんか、そうみたいだね」
あれ?それで良くないですか?
大体にして、勝負に勝ったからって、自分の彼氏を辱めてどうするんですか?
それこそ意味が解りませんが?
「なに、その可愛い、お願いって……奈緒、この子って持って帰って良いもんなの?あたし持って帰りたくなったんだけど」
「うん、ダメだね。その要望は、各所から多岐に渡って受けてるんだけどね。眞子本人が、仲居間さんのモノだって宣言してるから、もぉ無理なんじゃない」
「うわ~~~、口惜しいなぁ。もっと早く出逢ってれば良かったなぁ。あたしも、こんな妹が欲しいなぁ。……あっ、もし鞍馬が良かったらさぁ、奈緒の家から、あたしの家に鞍替えしない?」
「同意ですね。こんな汚れてない子は珍しいですからね。なんなら、私でも良いですよ」
じゃあ皆さんの事を、お姉ちゃんって呼びましょうか?
みなさんが、眞子のお姉ちゃんに成ってくれても良いですよ。
その代わりですね。
私は相当な馬鹿ですから、なにするか解りませんよ。
奈緒ネェですら困り果ててますからね。
知りませんよ。
巷の噂じゃ、取り扱い注意な『爆弾』らしいですから。
「じゃあ眞子さぁ。みんなの事『お姉ちゃん』って呼んであげなよ。……言ってみ」
「あの、それは良いんですけど。奈緒ネェは、気持ち的に大丈夫なもんなんですか?」
「良いの、良いの。それぐらいなら構わないわよ。それにね。今日、折角、みんな集まってくれたんだから、呼んであげなよ。眞子は、みんなの妹で良いんじゃないの」
「そうですか?じゃあ、ミラーお姉ちゃんに、ステラお姉ちゃん、頑張ろうね♪」
これで良いですか?
「うわっ……なんだろ?くらっと来た」
「同意ですね。同性に対して、こんな感覚は初めてですね」
「だ・か・ら、それが眞子の魔力だって、最初から言ってるじゃない。……馬鹿だねぇ。自分から罠に嵌って、どうするのよ」
「いや、奈緒は姉妹だから、そう言うけどさぁ。妹に欲しいって、こんな子」
「そうですよ。上手く独占しましたね。噂の鬼ババァ」
そして実は、私が二代目鬼ババァです。
知ってましたか?
「ちょっと!!ステラ!!なんでその渾名知ってるのよ!!」
「欲豚と、チョモランマから聞きました。腹黒な奈緒にはピッタリの渾名ですね」
「あの馬鹿コンビだけは……」
「はぁ……方や、みんなが欲しがる様な妹キャラ。方や、ただの鬼ババァ。同じ姉妹なのに、何所で、こんな品性の差が出たんだろうね。残念な姉」
「それは生まれついての性分じゃないですか。実に残念な姉ですね」
「なるほど、そりゃあ哀れだ」
いやいや、奈緒ネェは、凄く優しいし、品性も有りますよ。
そんな事を言わないで下さいよ。
「……あの、ミラお姉ちゃん。ステラちゃん、そんな酷い事を言わないでよ」
へっ?ちょ……急に奈緒ネェ、どうしたの?
なんで、そんな私みたいな言い方を、ステラさんやミラーさんにしてるの?
「奈緒……それはキモイからマジで止めてくれない。なんか吐き気してきた」
「奈緒。救急車呼びましょうか?頭の低脳化が進みすぎですよ。そんな鞍馬の真似をしても、憐れみしか漂ってませんよ」
「なっ!!」
「アンタねぇ。それは鞍馬がやるからこそ価値が有るの。……ホント、ヤメテなよ。ミットモナイから。無様なだけ」
「くそぉ~~~!!憶えとけよ眞子!!」
「なんで、そこで私の名前が出て来るんですか!!」
「私は、姉より優れた妹なんて認めないからね。憶えとけよ眞子」
この北斗の3男だけは……
あのねぇ奈緒ネェ。
奈緒ネェのこの場での立ち位置で言ったら、北斗の次兄なんだから、もっと慈愛に満ちて下さい。
眞子を恨んじゃいけませんよ。
あぁ……でも、この関係で行くと。
ステラさんが、3男の一番困ったちゃんに成るし。
私が北斗の正当伝承者になるから、言わないで置こう。
くわばらくわばら……
……っと、そんな訳でして。
この後、本当に軽く音合わせをして、会場に向かっていきました。
今回の私サイドのお話は終わり(笑)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
ステラさんとミラーさんは、思ってた以上に相性が良さそうですね(笑)
まぁ、2人とも口が悪いですから、揉める事はあるでしょうが、なんとなく息もピッタリな感じですし。
そして、今回大ボケをかました奈緒さんなんですが。
眞子を見てて『偶には自分も、そんな立場に成ってみたいなぁ』って思ったのかして、盛大に自爆してましたね(笑)
さてさて、そんな中。
次回は再び倉津君サイドへ!!
佐藤さんとカジ&グチ君を引き連れて、崇秀の待つ音楽室に向かって行く訳なのですが、その当の本にである佐藤さんが、どうにも崇秀の事を解っていない様子なので、こちらもなにか一波乱あるかもしれませんね。
まぁまぁ、そんな感じで次回のお話を書いて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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