947 なんでこうなる?

 奈緒さん・眞子チームには、ステラさんと言うトンデモナイ・ギタリストを仲間を引き入れたみたいなのですが。

その頃、倉津君と崇秀は、っと言うと……(笑)


***


―――サイド真琴。


あぁ~~~、面倒臭ぇ~~~~!!

翌々考えたら、なんで昏睡明けの俺が、こんな面倒な事をせにゃあならんのだ?


こんなもん、ヤッパリ面倒臭ぇだけじゃんかよ。


だってよぉ。

たかが崇秀の本気を見るだけの為に、なんでバンドのメンバーなんぞを今更探さにゃ成らんのだ?


こんなもん、実に阿呆臭くねぇか。


……まぁそうは言ってもだ。

奈緒さんも、眞子も、なんだか妙にヤル気十分な感じだったし、勝利の副賞である『なんでも言う事を聞いて貰える権利』は、中々、俺自身には垂涎モノ。


奈緒さんや、眞子に、なにか面白い事をして貰えるからな。


だから、なにも悪い事ばかりと言う訳でもない。


それにだな。

その勝利へ向う列車の車掌は、悪魔の中の悪魔王馬鹿秀。

奈緒さんや、眞子が、幾ら凄いとは言え、勝利は確定しているも同然。


だったら、これに乗らない手は無いだろ。


まぁその勝利を得る為に、ほんの少しだけなら手を貸してやるぐらい問題はない。

ちょっとした退屈凌ぎにも成るってもんなんだろうしな。


だから取り敢えず、面倒臭いながらもメンバー探しでも手伝ってやるとすっか。



……ってな訳で、早速、崇秀と作戦会議を始めようじゃないか。



「オイ、崇秀」

「んあ?なんだよ?……あぁ、先に言っとくけどなぁ。『バンドのメンバーを、どうすんだ?』っとか、ツマンネェ事だけは絶対に聞くなよ」


……なら、お望み通り聞かねぇから、そのまま答えろ。

こんなツマラナイ勝負に巻き込んで、奈緒さんとの貴重なデートの時間を割いたオマエには答える義務があるからな。


良いな、余計な事は言わずに、答えだけを言えよ。



「聞くわボケ!!……っで、どうすんだよ?」


でも、待つのが非常に面倒臭いので、取り敢えず、直ぐに聞いてやる。


優しい俺様から、頭の悪いオマエへの、神に匹敵する配慮だ。


だから、さっさと答えろ。

そして、もぉこれ以上はゴチャゴチャは言うな。



「結局、聞くんかよ。……まぁ良いけどよぉ。因みにだがな。んなもん、誰でも良いんだよ。誰でもよ」

「オイオイ、やけに傲慢な言い方だな。一応、相手は奈緒さんと、眞子だぞ。手を抜いて勝てる相手じゃねぇだろうに」

「んあ?どこがぁ?……んなもんぐらい、恐れるに足らねぇよ。多分、俺が本気に成るまでもねぇ。話にすらなんねぇよ」


なんだと?


つぅか、なんだよ、その嫌味なまでに漲る自信は?

それじゃあまるで、奈緒さんと、眞子が眼中にないみたいな言い方だな。



「オイオイ、あまりにも、なめすぎてねぇか?」

「いんや。なにも、なめちゃあいねぇよ。キッチリと分析した結果を、正確に伝えてやったまでのこった。言い換えればな。向井さんや、眞子を相手にする程度なら、楽器を最低限弾ける程度の奴等で十分。誰でも問題はねぇ。それ程までに、俺と、あの2人じゃあ実力差が大きく開いてるからな。……言って置くが、これは慢心じゃねぇからな」


マジで眼中に無いんかよ!!


……って言うかよぉ。

奈緒さんの実力は、前々から折り紙付きだし。

眞子の実力も、噂通りなら、とんでもない化物だって話じゃねぇか。


なのにオマエは、そんな感じ。

どこから、そんな自信が湧いて来る訳?


本当に、そんなんで大丈夫なのかよ?



「ちょっと待てよ。幾らなんでも、そりゃあ舐めすぎだろ。あの2人を相手にするなら、ある程度のレベルのプレーヤーをキープしなきゃ、それこそ話になんねぇぞ」

「じゃあ、賭けるか?それが『実行出来るものなのか?』『出来無いものなのか?』ってな」

「賭けだと?……あぁ良いぜ。じゃあ、出来ない方な」

「あっそ。じゃあ、賭け成立な。勝利者賞は、なにが良いよ?賭けに乗ってくれたから、条件はオマエに決めさせてやるよ」

「あぁ?決めるもなにも、いつものあれで良いんじゃねぇの。『なんでも言う事を聞く』って、例のあれでよぉ」


オマエの処遇は、後でジックリ決めてやるから、一旦保留だ。

賭けに勝った後で、とんでもない事を言ってやるからな。


覚悟しとけよ、この暴帝。



「あっそ。んじゃあ、それで完全決定な。もぉ変更は無いな」

「あぁねぇよ。ある訳ねぇ。決定だ決定」

「そっか。んじゃま俺は、ゆっくり文化祭で見学してくるかな」

「はい?」

「一時間後、例の音楽室で待ってるから、オマエ、バンドのメンバー探しとけな」

「ちょ!!なんでやねん!!なんでオマエの仕掛けた賭けで、俺が苦労せにゃならんのだ!!意味不!!意味不!!」


理不尽野郎か!!


不条理男か!!


誰が1人でバンドのメンバーなんぞ探すかぁ!!



「この馬鹿が……ホント、オマエはわかってねぇなぁ」

「なにがだよ!!これ位、完全に理解しとるわ!!」

「アホかオマエは?オマエと俺の賭けで、俺が勝ったら、オマエは、俺の言う事を聞かなきゃならないんだろ」

「オマエさぁ、俺を馬鹿にしてんのか?そんなもん、確認するまでもねぇわ!!」

「あっそ……んじゃあ。仮にだが、俺とオマエの賭けで、オマエが勝ったとしよう。……って言う事はだ。俺達と、向井さんの賭けでは、俺達が負けた事になる。それ=オマエは向井さん達の言う事を聞かなきゃならない。これってよぉ『勝負がどう転ぼうが、オマエは、どっちかの言う事を聞かなきゃならない』って話になんじゃねぇの?」

「ギャ!!……しっ、しまったぁ……」

「だから勝負の行方は、オマエの胸先三寸。好きにしろって話だ」


最悪だよ、このペテン師野郎だけは。

俺だけ、どっちに転がっても最悪じゃねぇか!!


オマエが勝ったって、どうせ碌でもない事しか言わねぇしよぉ。

向こうが勝った場合も、眞子は優しいから良いとしても、奈緒さんがなぁ……


こりゃあ、どうすっべかなぁ?



「ちょっと待ってくれよ!!そりゃあ、あんまりじゃねぇか?気が付かねぇ俺も悪いけどよぉ。マジで、そりゃあねぇんじゃねぇの?」

「知らね。……あぁ因みにだがな。俺が勝ったら、オマエに命令するのは『向井さんを今まで以上に大事にしてやれ』な。俺は悪い様にはしねぇぞ」

「がぁ!!」


……最悪だよコイツ。

一番良いタイミングを計って、好条件を突きつけて来やがった。


しかも、俺にとっちゃあ、極当たり前の話を持って来てよぉ。


そりゃあねぇよ。



「まぁ、精々頑張れや」

「オマエ、マジで最悪だな」

「さぁな」


コイツだけは……



「なぁ崇秀。けどよぉ。誰も見付からなかったらどうすんだよ?」

「んあ?……まぁそうだな。見付からなくても、基本的な部分では問題はねぇよ。俺1人でも、十分に勝てる相手だからな」

「マジでか?」

「当然。向井さんや、眞子。それに相手が誰を連れて来る気なのかは知らねぇが、誰が来たって、結果は同じだ。そこだけは覆りはしない」

「オイオイ、どんな自信だよ、それ?ひょっとして、あれか?裏金でも使ってるのか?」

「いいや、そんなもん使うまでもねぇよ。根本的な部分からして、実力が違うんだよ」


なんですかね?

その自分に対する必要以上なまでの過信は?


俺には、そこまで実力差が開いてないと思うんだがな。


けどまぁ、此処までハッキリと言われたら、その実力とやらを見てみたいものだな。


……ふむ、だったら条件は悪くねぇから、取り敢えず、心当たりを探してみっか。



「オイ、崇秀。マジで、さっきの条件でOKなんだな。変更無しだからな」

「あぁ、勿論。誰でも良いから探して来い」

「わぁったよ。但し、絶対に文句言うなよ」

「当然。誰でも良いぜ」


しかしまぁ、なんで、こんな事せにゃイカンのだろうな?


……そんな訳で、崇秀に上手く騙された俺は、メンバーを探しに行く羽目になったんだが、まずは、カジグチで決定な。


これで最低限は確保したから、もぉ慌てて探す事もねぇだろ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


倉津君……結局は崇秀に嵌められ。

自らの手でメンバーを探しに行く羽目に成ってしまいましたね。


ホント、アホですね(笑)


まぁまぁ、そうは言っても。

カジ&グチ君が居るので、取り敢えず最低限のメンバーは探さなくてもOKな状態なので、そこまで苦労する事はないんでしょうが。

倉津君の目算では、この2人を加えるだけで、奈緒さんや眞子に勝つ事が出来ると思っているのでしょうか?


次回は、その辺を書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る