945 ステラさんとの会合

 奈緒ネェが、対崇秀用に召喚した人物はステラさん!!

そして、これから、その彼女との会合が始まるのだが。

眞子は勘の鋭いステラさんに、自身の正体を気付かれない様に上手く立ち回れるのか?


***


「奈緒、ご無沙汰してましたね」

「あぁ、ステラ、お疲れ」


あぁ……ステラさん。

この人も、また綺麗になってる。

以前は、まだ少し幼さが残って居たんだけど、なんか、スッカリ大人の雰囲気になってるね。


……っと言いますか。

ステラさんって、長い金髪に、少々鋭い目つきの碧眼で、全体的に小顔で整った顔立ち。

しかも高身長で、スリムな体型だから。

まるでファンタジーの世界から、そのまま抜け出して来た様な『エルフ』に見えちゃいますね。


まぁ、胸が大きいので、そこだけは全然エルフっぽくないですが……



「あぁいえ。そこは心配には及ばず、そんなには疲れてはいませんね」

「そうなの?」

「そうですね。そんな疲れよりも、寧ろポンコツ男が見付かったとの連絡が入ったので、今は、そちらの方で凄く安堵していますね。もぉあのポンコツに気を揉まなくて良いと思っただけでも、一安心です。……あの奈緒の彼氏であるポンコツマスターは放って置くと、幾らでも社会に迷惑を掛けますからね。本当に発見されて良かったです。……っで、当の本人のポンコツ真琴は大丈夫なんですか?」


でも……その美貌に反して、前と変わらず口は悪いと。

この辺は、相変わらず、誤解され易い様な感じだね。


けど……彼女の本質が解れば、これ以上ないぐらいお節介で、優しい人なんだよね、ステラさんは。



「まぁ、その心配には及ばない感じかな。大体にして、ウチのポンコツは、そんな簡単に壊れる様なポンコツじゃないからね。元々故障箇所が多いから、今は、逆に正常に稼動してるかもよ」

「そうですか?故障に故障を重ねて正常に動くなんて、正に究極のポンコツですね。あの男、そんなので良く生きてられますね」

「なに言ってんのよ。その頑丈さがクラの売りじゃない。あの子は、そんじょそこらのポンコツとは格が違うからね。正に、ステラの言う通り『ポンコツマスター』だからね」


うん、あのね。

奈緒ネェも、ステラさんも、もぉそろそろ辞めて上げてくれて良いかな?

その言い方は、ちょっと可哀想過ぎると思うんだけどなぁ。

一応、あれでも本人は精一杯生きてるつもりなんで、もぉそれ以上は辞めて上げて下さいね。


なんだか、私まで傷付きますんで。



「確かにそうですね。心配するだけ徒労と言うものでしたね」

「そう言う事」

「ところで奈緒。……コチラの子は?」


あっ……ご指名だ。


……っと言う事なんで、此処は一発『真上さんモード発動!!』


だって真上さん、真琴ちゃんとは対極にあるキャラクターだもんね。

これなら、ステラさんとて気付くまい。



「あぁ、この子は眞子。私の妹なんだけどね。血縁関係は無しの養子。っで、クラの親戚ね。……眞子。コチラはステラね。挨拶しなさい」

「あぁはい!!あの、初めまして奈緒ネェの妹の向井眞子です。ステラさんのお噂は、かねがね聞いておりましたので、お目に掛かれて光栄です」

「・・・・・・」


あっ、あれ?

なんか変な事を言っちゃったかなぁ?


ペコッって挨拶しただけなのに、なんかジィ~~~っと見られてるよ。


なに?なに?

まさか遠藤さんみたいに、私を疑ってるとか?


あぁでも、ステラさんなら有り得るなぁ。

この人、物凄く洞察力が鋭い人だもんなぁ。


真上さんモードを持ってしても……ヤバイのかなぁ?



「どうかしたの?」

「いえ……どこかで見覚えがあると思ったら。奈緒、この子、鞍馬なんじゃないんですか?」


あっ、そっち。

そっちの方で、私の事をジィ―っと見てたんですね。


はぁ~~~、もぉビックリしたなぁ。

ピクリとも反応してくれないから、一瞬バレたのかと思ったよ。


なんて言ったって、ステラさんは、正体がバレるのが一番嫌な人だもんね。

だってバレたら、なにを言われたもんか解ったもんじゃない。

面と向かって『変態』だとか『気持ち悪い』なんて言われたら、正直、一生立ち直れなくなるか、そのまま死んじゃうかも知れないもんね。


勿論ですね。

死に至るまでに、ポロポロ泣きますよ。


マジ泣きですよ。



「そうだよ。眞子はアメリカでは『鞍馬』って通り名でベースを弾いてたね。その鞍馬で間違いないよ」

「そうですか。私も、是非1度お逢いしたいと思っていた人物が、まさか奈緒の妹だったとは驚きですね。……私はステラ=ヴァイ。宜しく鞍馬」

「あぁ、はい、コチラこそ宜しくお願いします」


あらら、思ってた以上に好感触なんだ。


だったらですね。

是非、また前みたいな良い関係に成れたら良いですね♪


……って言うか、是非、成って下さいね。

私は、ステラさんの事が大好きなんで♪



「それにしても奈緒。鞍馬は、本当に、あのポンコツ男の親戚なんですか?同族で、これ程までに品性に差が出るのも、如何なものなのでしょうね」


真琴ちゃん……聞くも無惨な、酷い言われ様だなぁ。

私も、自慢には全くならないけど、そんなに品性がある訳じゃないんだけどなぁ。


結構、俗いですからね。



「出るよ。だって眞子は、仲居間さんと同じで、自分磨きが趣味の様な子だからね。それだけで、知性や、品性に明確な差が出るだろうからね。……まぁそうは言っても、それも狙ってる訳じゃなくて、実際は、ただの天然なんだけどね」


今回は完全に狙ってますね。


すんません。


だって、私はですね。

ステラさんの様なアッサリした人が大好きなんですよ。

どれだけ口が悪くても、心の中が熱い人は大好きなんですよ。


だから、なにがあっても嫌われたくないんですよね。


いや寧ろ、絶対に好かれたいんですよ。



「なるほど、自分磨きから生じる品性と言う訳でしたか。それにしても、仲居間さんと同系統とは少々人として終わっていますね。あまり限度を越えると、他人に理解を得られずに、恐れられるだけの存在になりますよ」


初対面なのに心配してくれてるんですね。

でも、そうやって限界を越える事自体は、全然OKなんで問題無しです。

寧ろ、もっともっと、ドンドン自分の限界を越えて行きたいものですよ。


全てを受け入れてくれた崇秀の為にも、妥協なんてしてる時間は全くと言って良い程ないですし、彼にとって有用な人間に一秒でも早く成りたいんですもん。



「あぁいえ、ご心配には及びません。私は、崇秀程、壊れてないですから。自分の分は弁えてるつもりなので」


……って言うかですね。

そう言う理想はあっても、結果から言いますと、そんなの幾ら努力したって早々には無理なんですよ。

どれだけ精一杯頑張った所で、付いて行くのがギリギリライン。

まだまだ、頑張らないとダメなぐらいなんですよ。


正直、大変です。



「そうでしたか。自覚されているなら大丈夫でしょう。……それにしても、貴女は可愛い人ですね。何故か、無性に惹き付けられるものを感じるのですが。以前に、どこかでお逢いした事がありましたか?」


ギャッ!!

あっ、あの、無いですよ!!

一度もお逢いした事が無いので、それは間違いなく勘違いです!!


今から、その辺については必至に誤魔化しますので、絶対に気付かないで下さいね。


気付いちゃ嫌ですよ。


……それにしてもステラさん、本当に勘が鋭いね。

もっと以前に逢ってたら、確実にバレてたかも知れない。

だから此処は、余計な疑いを持たれる前に、早く良好な関係を構築してしまいたいもんだなぁ。


なら此処は、早急にガンバらねばね!!


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


なんとか上手く誤魔化せているものの。

矢張り、此処は油断大敵の精神で挑まないと変な所でボロが出てしまい、ヤバそうな雰囲気ではありますね。


まぁそうは言っても、倉津君本人がいる以上、何処をどうやっても疑い様がないので、今後の事を考えたら、最初は少し他人行儀に接してから、それ以降は『素』で接するのが一番良いのかもしれませんけどね。


さてさて、そんな中。

眞子は眞子也にステラさんとの関係を構築しようと思い頑張っている様なのですが。

果たして、それは上手く行くのか?


次回は、その辺を書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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