第161話

 その後も順調に探索は続き、五日目でダンジョン中層の攻略は終わった。

 死弐鰐以降の一番大きな出来事といえば、まぁレベルアップだろう。


 NAME:ツムラ

 LV:34

 EXP:31420(NEXT:1530)

 HP:180/180

 MP:175/175

 ATK:170

 DEF:170

 MAG:170

 MID:170

 AGI:170

 SKILL:『ステータス上昇均一化』『火魔法:初級』『治癒魔法:初級』『水魔法:初級』『アイテムボックス』『治癒魔法:中級』『火魔法:中級』


 ついにレベル35まであと一つ。

 レベル40で上級スキルが解禁されるのも大きいが、レベル35はおそらくコレまでの行動を反映した新しいスキルになるだろう。

 それを組み込んだ戦闘も楽しみである。


 傾向的に、強化系スキルになるだろうか。

 『支援魔法:中級』なんてそれっぽいかもしれない。

 とはいえできれば他のメンバーとの被りはさけたいところだ。


「もうレベル35ですかぁ、あはは……」

「レベッカさんから諦めの気配を感じる……」


 中層攻略を終えて、次は中ボス戦だ。

 二日間の休暇を挟み、今日はその当日。

 ヒーシャとナフより少し早めに来た俺は、レベッカさんと話をしていた。


「そういえば、ダンジョンの中ボスってどんな奴なんだろう」

「そうですねぇ、基本的にダンジョンの中ボスは固定の相手ではありません」

「ある程度の範囲から、ランダムで選ばれるってことか」

「はい。ダンジョンのボスはダンジョンごとに固定なんですけどね、強いて言うなら、中ボスは中ボスとしてしか湧かないです」


 それはつまり、ダンジョンの中ボスは下層で雑魚として出てきたり、ダンジョンの外でポップしたりはしないってことか。

 なんだってそんな仕様なんだろう。

 別に特別な固有魔物ってわけでもないだろうに。


「そもそも、ダンジョンというのは魔物の一種というのは、ツムラさんもご存知ですよね」

「ダンジョンの更新日とかは、ダンジョンの魔物としての新陳代謝だって話ですよね」

「はい。ボスっていうのは、その免疫機能みたいなものなのですよね」


 免疫機能か……


「なんていうか、ダンジョン事態が一種の感覚器官みたいですね」

「あ、いい発想だと思います。ダンジョンはその成立にある存在が関わっていると言われていて……」

「ああ、知ってます。確か――」


 と、そんな時である。


「おはよーございまーす」

「まーす」


 ヒーシャとナフが入ってくる。

 ふむ、話はここまでだな。


「おはようふたりとも、今日は中ボス攻略、よろしく頼む」

「はい!」

「うん、やろう」


 いよいよ、ここまでの総決算だ。

 気張っていこう。

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