第154話
『さて、一人で行動するのは久しぶりだな』
『妖精、忘れるべからず』
『忘れてないよ、探知は頼む』
ヒーシャとナフ、二人と分かれて一人でダンジョン中層を進む。
『敵の探知、羨ましいなー』
っと、ナフの声が聞こえてきた。
揺り籠通信が繋がってるんだから、当然だけど。
その後、少し言葉を交わしてから自分たちのことに集中することにした。
久々の単独行動……正確に言うと、単独でのダンジョン攻略だな。
単独でダンジョンに検証をしに来たことはあるけれど。
その時も、来るのは上層だから中層を歩くのは間違いなく初めてだ。
「少し、一人での戦い方を思い出してみるか」
さっきもバトルホーンを一人で倒したが、あんな感じで魔物を倒していこう。
まずは……
「こうだな」
治癒魔法でバフを行う。
実はこれ、二人にはまだ見せていない。
こういう隠し玉があると説明はしてあるけど、具体的に見せてしまうと秘密を抱えなくてはならない人を増やしてしまうからな。
多分、見せても原理は秘密のままだろう。
こうすると、ATKが揺り籠なしで200を越える。
メインウェポンが火魔法のことが多いので、MAGの方も200を越えてくれると嬉しいんだが。
まぁ、もうすぐレベルも35になる。
自然と、MAG200も見えてくるだろう。
というか、もうすぐレベル34って程度に経験値は溜まっているからな。
バトルホーンの経験値が30だったから、中層の攻略が終わる頃には34になっているだろう。
楽しみだ。
「へへへへ……」
『……』
なんだクロ、その色々言いたいことはあるけど、今はナフとヒーシャに繋がってるから言えないみたいな空気は。
一応、俺も二人にこういう面を見せない常識はあるんだからな。
さすがに、俺がレベリング中毒者だっていうのはバレてるけど、奇行はそんなに見せていない。
「……私もそれくらい、気遣いがほしい」
「わざわざ顔を出していいに来た……」
ともあれ、早速ダンジョン攻略を始めていこう。
『ん、目の前に魔物。こっちに気付いてる』
色々思うことは会っても、気配察知はきちんとやってくれるクロには感謝しかない。
出くわしたのはハイゴブリンだった。
色が黒い、照明が基本壁にかかってるランプしかないダンジョンだと、影に紛れてしまうこともあるだろうな。
『基本的に、攻撃は近接物理攻撃だけ』
「バトルホーンと同じだな。こういう魔物だけなら楽で助かる」
言いながら、出会い頭に勢いよくハイゴブリンを踏み潰す。
ATKが高すぎるので、威力をつければこれだけで倒せてしまうのだ。
事実、ハイゴブリンはこちらの奇襲にほとんど反応することもできず倒された。
「よし、続けていくぞ」
『おー』
にしても、経験値15かぁ、ちょっとしょっぱいな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます