第124話
というわけで、依頼をいくつか受けて森にやってきた。
ゴブリン退治と薬草採取だ。
普段の稼ぎから考えると、本当におまけ程度のものだがついででこなせるのだからやらない理由はない。
やらない理由はない、でこの依頼を受けるのは俺だけだとレベッカさんから言われたが。
それでも、経験値はもらえるものなら貰っておきたいのだ。
『最初はどうするの?』
『治癒魔法だな。実のところ、治癒魔法の中級を覚えてから一度もバフに使ったことがない』
揺り籠の中のクロと話をしながら、森の中で魔法を起動する。
治癒魔法による肉体活性化バフ。
ここ最近はヒーシャたちの前ということもあって使っていなかったが、久々に使う。
いい加減、二人にもコレを話してもいいとは思うのだが。
きっかけがなかった。
すでに話せないことは、話してしまっているしな。
向こうも変に踏み込んでくることはない。
「……ふむ」
んで、少し身体を動かして調子を確かめてみる。
正直、そこまでステータスの変化を実感することはない。
ステータスを開いてみると、こうだ。
NAME:ツムラ
LV:30
EXP:22450(NEXT:2000)
HP:160/160
MP:155/155
ATK:150+30+20
DEF:150+10+20
MAG:150+30
MID:150+30
AGI:150+20
SKILL:『ステータス上昇均一化』『火魔法:初級』『治癒魔法:初級』『水魔法:初級』『アイテムボックス』『治癒魔法:中級』『火魔法:中級』
「なるほど、効果は倍になったか」
『基本的に、初級から中級に上がった時、使えるようになる魔力は倍の10が最大』
思ったより魔力を注ぎ込めないみたいだ。
ちなみに、上級になると一気に100になるらしい。
今度は逆に注ぎ込みすぎである。
ともあれ、個人的に初級から中級への進化は、効果としてそこまで絶大ではない。
だが、初級支援魔法の効果が+15なのに対し、中級支援魔法は+35している。
使える魔力は倍なのに、効果量は増えている。
その点から、中級魔法での一番の変化は燃費だと言えた。
「肉体の活性化をしながら、肉体のダメージをケアできるようになってるな」
『すると?』
「効果時間が増える。数時間は堅いな」
治癒魔法でのバフにおいて、一番大きいのはそこだった。
多分、一度ダンジョンに入る前にバフをかけておけば、その後かけ直す必要はなくなるだろう。
そういう意味では、とても便利だ。
ただ、問題もある。
「……にしても」
『うん』
「…………俺、光りすぎじゃね?」
俺は、とても光っていた。
眩しいと感じるほどではないが、明らかに光すぎである。
これは、なんというか。
「ヒーシャが見たら、光魔法に対する勘違いが更に加速しそうだなぁ」
と、そういう他なかった。
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