第118話

 そして、ヒーシャの成長を祝福するように、レベルも上がった。

 俺は29、二人は27。

 もうすぐ俺は30の大台だ。

 レベル40まで後半分、このペースなら、次の次のダンジョン更新日くらいにはレベル40に到達するだろうか。


 NAME:ツムラ

 LV:29

 EXP:20310(NEXT:2040)

 HP:155/155

 MP:80/150

 ATK:145

 DEF:145

 MAG:145

 MID:145

 AGI:145

 SKILL:『ステータス上昇均一化』『火魔法:初級』『治癒魔法:初級』『水魔法:初級』『アイテムボックス』『治癒魔法:中級』


 個人的に、一番楽しみなのはレベル30の取得スキルだ。

 十中八九『火魔法:中級』だろう。

 レベル25のタイミングでたまたま『治癒魔法:中級』が必要になってしまったために後回しになっているが、本来覚えるスキルは火魔法のはずだった。

 もちろん確定ではないが、俺のこれまでの行動を鑑みて、火魔法以外に取得するスキルがあるとは思えない。


 ワンチャン、ヒーシャと同じように光魔法の中級を覚える可能性もあるが、その場合でも正直やることはそんなに変わらないよな。

 そういえばヒーシャの中級光魔法は、練習する時間がなくて全然戦闘に組み込めていない。

 そのうち、ヒーシャとなにか考えないとな。


「んー、つかれた! 今日はなんかいつもよりずっとつかれた気がするよ」

「盛りだくさんだったからなぁ、おつかれナフ」

「おつかれ、ヒーシャも、それからクロもね」

『ん』


 ともあれ、今日の冒険はこれでおしまい。

 全員でダンジョンを抜けて街へ戻ってきていた。


「んじゃあ、ごめんねみんな。私はちょっとオヤジに呼ばれてるから今日はここで」

「また明日、ナッちゃん」

「また明日。っても、明日は休みだけどね」

「あ、そっか」


 まぁ、二人はご近所さんなわけだし、休みでも会うことはあるだろ。

 ちなみに、このパーティは週休三日制です。

 冒険者としては勤勉なほうだ。

 俺は……暇な時はダンジョンに潜ったりするけど、主に検証のために。


「ツムラさんもね」

「ああ、またな」

『バイ』


 というわけで、ナフは一足先に帰っていった。

 クロは、なんというか随分と眠そうだ。


「んじゃ、俺達も帰るか」

『うつらうつら』


 というか寝始めた。

 ……ん?

 クロがなんかいい感じのタイミングで寝始めるのは、前にもどこかで覚えがあるような。


「あ、そ、それなんですけど、ツムラさん」

「うん?」


 なんてタイミングで、なにか意を決した様子のヒーシャが、俺の方を向いた。



「こ、この後二人で、夕飯一緒に食べませんか!?」



 ――なんか、本当に一大決心みたいな感じで、そう言われたぞ?

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