第101話

 早速だが、俺がレベルアップした。

 そりゃそうだろ、後邪ノシシ二体分なんだから。


 NAME:ツムラ

 LV:27

 EXP:16110(NEXT:2070)

 HP:145/145

 MP:140/140

 ATK:135

 DEF:135

 MAG:135

 MID:135

 AGI:135

 SKILL:『ステータス上昇均一化』『火魔法:初級』『治癒魔法:初級』『水魔法:初級』『アイテムボックス』『治癒魔法:中級』


 ついでにゴブリンとかも狩って、経験値をぴったり27分にしておいた。

 結局EXPの数値が半端過ぎて、いい感じにはならないんだが。

 女神様、どうしてこんな仕様にしたんだ……?


『ツムラさん、そっちどう!?』

『問題ない。そっちも邪ノシシ以外は、問題なく狩れるよな? なら順調ってことだ』


 さすがに上層ってこともあってか、出てくる魔物は邪ノシシ以外大したことはない。

 気になるのは、コウモリ型魔物の『クローバット』くらいか。

 口から脚まである巨大な牙が特徴的だ。

 爪なのかバットなのか、コウモリなのか牙なのかはっきりしろ。


 飛び回っていて、すばしっこいから攻撃を当てにくい。

 俺みたいにホーミングで火魔法ぶっぱできるならいいが、物理だけのナフだと当てにくくてしょうがないだろう。


 とはいえ、そもそもバフをきちんとかけていれば、ナフにダメージが入ることはない。

 見ると、ヒーシャのバッファーとしてのスキルはかなり高い物があると言えた。

 一番いいのは、何も言わずともナフがほしいバフを、ほしいタイミングで投げれていることだ。

 息があっているなんてレベルじゃあない。

 もはや以心伝心。

 揺り籠による念話が一切必要無いとは、驚きである。


 ナフはスキルを見る限り攻撃系のタンクだ。

 そりゃ、攻撃できるのが自分しかいないパーティであれば自然とそうなるだろう。

 スキルが全て俺にとって初見だが、効果は非常にわかりやすい。


 『挑発』はヘイトを集めるスキル。

 効果は使い方によって様々だが、敵を引き付けるにはやはりこれしかない。


 『斧攻撃』は、ナフのメイン武器である斧を使った攻撃に使用する。

 物理攻撃系のスキルは、詠唱等がいらない分手軽だが、ダメージ上昇は魔法には及ばないという性質がある。

 ナフはそれを、二本の手斧を軽々と扱うことで、手数によって補っていた。

 面白いのは、背中には普段使わないらしい、自分の身長並の大斧がくくりつけられているところか。

 大物相手には、武器をスイッチして戦うそうだ。


 『頑強』は文字通りのスキル。

 一定時間防御力を高める自己バフスキルで、それ以外の効果はないがMP消費が非常に少ない。

 リキャストもないので、実質戦闘中常に発動しているスキルだ。


 ナフは、とにかくヒーシャを守ることに最適化した動きをしている。

 常にヘイトスキルを最大効果で使い、攻撃はすべて自分で受ける。

 回避よりも攻撃を受け止めることを好み、受け止めた状態から逆に反撃へ打って出る。

 それをヒーシャがバフで、行動に合わせてサポートをする。

 治癒魔法も使えるので、それも適時使っていく。


 なるほど、二年でレベル25になる。

 二人だけで冒険者として活動できる。

 有望株として、レベッカさんが目をかけるわけだ。

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