第43話
NAME:ツムラ
LV:23
EXP:7950(NEXT:2010)
HP:125/125
MP:120/120
ATK:115
DEF:115
MAG:115
MID:115
AGI:115
SKILL:『ステータス上昇均一化』『火魔法:初級』『治癒魔法:初級』『水魔法:初級』『アイテムボックス』
というわけで、レベル23である。
このレベリング方法は、人助けマラソンと名付けよう。
この人助けマラソンには他にも利点がいくつかある。
一つが、ダンジョンを隈無く探索できるということ。
ダンジョンは広いから、探索し切るにはそれなりの手間が必要だ。
一人称視点でダンジョンを探索するゲームをプレイした人間ならわかると思うが、迷宮を隈無く探索することは非常に大変なことである。
マップがあるなら、それもなんとかなるかもしれないが、現実に上からの見下ろし視点でマップが表示されたりはしない。
「レアスキル、そういうの」
とはクロの談。
他にも地図を買ったりすることはできるが、それは無駄になることが多い。
というのも、ダンジョンは定期的に更新されるのだ。
いまいちピンとこないかもしれないが、簡単に言えば一ヶ月に一度変化する不思議のダンジョンと思って貰えばいい。
一ヶ月しか使えないのに、作るのにやたら手間がかかるから高価になりがちな地図を誰が買うかと言えば、まぁそうそういないと言ってもいいだろう。
まぁ、いないわけではないので、中には地図作りを生業にしている冒険者もいるらしい。
ともかく、そういう探索するのが面倒なダンジョンを走り回って探索する。
その動機として人助けマラソンは有効という話。
もう一つの利点は、宝箱を探せるという点だ。
宝箱はダンジョンが更新される度に配置される。
転生モノによくある、宝箱がモンスターと一緒に定期的にPOPする感じのあれだ。
これだけ勢いよく走り回ってれば、ダンジョンの通路にある宝箱を回収できるな。
んで、
「ツムラ、宝箱」
「レア度は?」
「普通」
「ならスルーだな」
それをスルーする。
宝箱は、その外装でレア度を判別できる。
茶色い木箱はノーマル、赤い金属の箱はレア。
この二つはスルー対象だ。
回収するのは最高レア度、豪華な装飾の宝箱だけ。
ただ、こいつは一度の更新でダンジョン内に一つしか配置されない。
そうそう見つかることはないだろう。
なので、実質全ての宝箱はスルー対象だ。
なんでこんな事をするかというとーー
「普通ってことは、10点だな」
「そうだね」
宝箱をスルーすると、経験値になるのだ。
なぜかというと、宝箱をスルーするということは、自分の利益を捨てるということ。
捨てられた利益は、他の冒険者に還元される。
つまり善行だ。
うむ、経験値だね。
というわけで、俺は人助けマラソンをしながら魔物を倒して周り、宝箱をスルーして経験値を稼いでいた。
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