2.自分のステータスが普通でないことを知るレベリング中毒者
第19話
翌朝、目を覚ますと目の前に美少女がいた。
大きくなったクロだった。
いやいや待て待て。
とりあえずあの後の話をすると、クロは俺に着いてくることになった。
俺の案内役なんだからそりゃそうだ。
んで、その日は森を出て野宿をすることになったんだ。
野宿とか大丈夫かと思ったけど、クロには接近してくる敵意のある魔物を察知する能力があるので大丈夫らしい。
ありがたい。
そして目を覚ましたらこれである。
目を覚まし、ステータスをチェック。
仮説が証明され喜んでいたら、隣に美少女がいた。
声を上げなかった俺を褒めてやりたい。
「ん……」
冷静になろう。
大きくなった、といっても大人になったわけではない。
手のひらサイズだったのが拡大されて人間サイズになっただけ。
妖精愛好家のオタクに怒られないか? と思うが、元が人型な分、人外が人間になるよりは抵抗薄いんじゃないかな?
ともあれ。
「あ、ツムラ……おはよう……」
「お、おはようクロ……どうしたんだ、これ?」
「ん……人間モード。人前に出る時妖精のままだと大変だからって、女神様が……」
「女神様いい神様かよ……」
いやいい神様だとは今のところ思うんだけどさ。
「もとにも戻れる」
「あ、戻った」
しゅぽん、と音をさせて元に戻った。
演出どうにかならなかったの?
「どうしていきなり人間モードに……?」
「ツムラをびっくりさせたくって……」
「ああうん、大成功だよ」
とりあえず飯にしよう。
なお、大きくなって食べたほうがいっぱい食べれるので、食事の時は大きくなりたいらしい。
「ツムラ、ツムラ、美味しそう」
「肉をスライムゼリーで焼いただけなんだが……」
「魔物肉のスライムゼリーステーキだよ、この世界の定番料理。ツムラ、一人で思いついた? すごい」
「ゼリーを焼くといい感じのソースになるのは盲点だったな」
なんていいながら、二人で魔物肉を食べる。
ウサギ肉は流石に飽きてきたので、イノシシ肉を食べた。
……いやそれでも、流石に俺は飽きたからしばらくはいいかな。
「おさけほしー」
「呑むのか?」
「妖精は、みんなお酒大好きだよ」
なんて話をしつつ。
「ごちそうさま」
「お粗末様、少し休んだら出発しよう」
「この先に、大きい街がある。ツムラ、そこに行って冒険者になるといい」
ご飯を食べ終わると、料理に使った焚き火を片付けてから少し休む。
クロはスライムゼリーのベッドが気に入ったらしく、そこで横になっていた。
「んじゃ、出発――」
そんな時である。
「た、助けてくだされーーー!」
なんて声が聞こえてくる。
これは……テンプレ展開だな?
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