第3話

 困った。


 NAME:ツムラ

 LV:2

 EXP:10(NEXT:20)

 HP:10/20

 MP:7/15

 ATK:10

 DEF:10

 MAG:10

 MID:10 

 AGI:10

 SKILL:『ステータス上昇均一化』『火魔法:初級』


 よくみるとHPとMPがレベルアップで回復していない。

 しかもさっきの火魔法の使用でMPが3減っている。

 火種を作るのに1、火球飛ばすのに2だろうか。

 もしくは、火種を大きくして火球にしたので、全部合わせて3だろうか。

 ここらへんも検証が必要だ。


 とにかく、これでは火魔法だけでスライムを倒せない。

 節約が必要だ。

 火魔法は焚き火を作るのにも便利そうだし、MPはこれ以降回復するまで使わないようにしよう。


 探索を再開する。

 森の中を歩き回りながら、スライムと食料と拠点を探すのだ。

 成果はあった。

 スライムがドロップしたアイテムは興味深いものだったのだ。


 『スライムゼリー』

 種別:ドロップ

 効果:スライムの一部、食用のゼリーとして食べることができる、食べるとHPを「5」回復し、空腹が満たされる。


 食料である。

 しかもゼリー、どんな状況でも食べやすい。

 味は少しかじってみたが、ソーダ味だった。

 スライム、青いもんな。


 散策すること一時間、再びスライムを見つけた。

 ちなみに時間はポケットに入っていたスマホで確認している。

 充電はまだのこっている、弄らなければ数日は時間の確認に使えるだろう。


 今度はスライムを物理で倒す。

 方法は考えてある。

 道中拾った、大きめの石を構えて。

 当たるように落とす!

 向こうは動きがとろすぎて的でしかないので、落とせば当たる。

 ゴミ箱にゴミを投げ入れるような感覚だ。


「あ、外した」


 こほん、もう一度。

 石はいくつかあるので、改めてスライムに落とす。

 スライムが押しつぶされそうになる。

 だが、まだ倒れない。

 さらにもう一発。

 今度は倒れた。


 ゼリーも確保、二発で倒せるなら楽でいい。

 使った石は回収した。

 今の俺の最大物理火力である。

 大事にしないと。


 スライム一体のEXPは10なので、もう一体倒せばレベルアップである。

 30分ほどかけて、スライムを見つけ倒す。


「レベルが3になったぞ!!」


 NAME:ツムラ

 LV:3

 EXP:30(NEXT:30)

 HP:15/25

 MP:8/15

 ATK:15

 DEF:15

 MAG:15

 MID:15 

 AGI:15

 SKILL:『ステータス上昇均一化』『火魔法:初級』


 そしてよく見たら、MPが回復していた。

 その後検証し、どうやらMPは一時間で1回復することがわかった。

 効率悪いな。

 多分、スキルを習得して効率化していくんだと思う。

 でないと前衛が成り立たないだろこれ。


 ともあれ、その後も拠点を捜索しながらスライムを倒す。

 最終的に、この後7匹を倒してレベルが5になった。

 全部で10匹、上々である。

 レベル4からは、スライムを一撃で倒せるようになったのも大きい。

 ATK10で二発なんだから、20なら一発なのは道理である。


 そして拠点も――見つけた。

 切り立った崖に、洞穴のような場所がある。

 中はL字にくねっていて、外からは奥が見えないようになっている。

 そこにいれば、魔物に見つかることもないだろう。


 かくして、今日の俺の探索は終わった。

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