第39話、ギリワン・ボルケーノとの対面
俺はシビラにお願いされた事をやり終えてからみんなのところに戻って来ると先程の内容は何をしていたのですかとココちゃんが尋ねてきたので俺はすぐに返答した。
「先程は清水宗治に伝える内容を手紙に書いておいただけで別に後は細かい内容をお願いしてきただけだよ。なんせ、清水宗治は俺以外の命令を聞いてくれないことが多いからな」
そう説明するとココちゃんは確かにその通りですねと納得をしてくれた。そうして軍勢はシビラに任せて俺とココちゃん、メロの三人は再び魔王城に向かう事になった。
一見、無謀に見える行為かも知れないけど実はかなり理に適っているとも言えるのだ。失敗した後にまた同じことをしようとは基本的に思わないからこそ同じく事をするのだ。
それに向こうも連戦で疲れ果てていると思われるので好機とも言える。でもこちらにも実は不安要素があるのだけどそれは話さないでおいたほうが良いだろうな。
俺の為にもなと思いながら進んで魔王城に迫ってきていた。そうして俺達は魔王城に到着したがやはり先程の戦いの影響でかなり兵士は少なくなっていた。
これならば侵入もかなり楽だと思いながら俺たちは侵入を開始したがすぐにここでココちゃんが大きなヘマをやらかしてしまって一気に敵兵が集まりだしてきたのを見てすぐにココちゃんが私達が囮となりますのでそのスキにお願いしますと言われた。
なるほどな、ならお前たちの気持ちをありがたく貰い受けることにするよと考えて一人で魔王城の内部まで何とか侵入する事に成功した。
そうして内部の様子は外よりもどころか今は誰も警備をしているものはいなかった。まあ、外で騒ぎになっている影響もあると思うが一番の原因は兵士の少なさと魔王城の大きさにあった。
無駄に広い設計をしているから俺は無駄なのになと思っていたがこんな事で役に立ってしまうとは悲しいと言うべきか喜ぶべきなのか。
まあ、それだけに警備の目が行き届かなくなりこうして侵入もしやすいという訳だけどそれにしても簡単すぎると少しばかり警戒心を出していた。
まるで誘われているかのようにも感じられたけどまずはアーナスの部屋に向かうことにしようと考えて向かってみたがそこには誰もおらずもの抜けの殻であった。
やはりこんなわかり易い場所にはいないかと落ち込みながらならば玉座の間に向かってみよう。
もしかしたらあそこにいるかもしれないからな・・・まあ、その時はほぼギリワン・ボルケーノがいると思うけどなと感じながら玉座の間に辿り着いたのである。
何度見てもここはラスボス感が出てくる場所だよなとどうでも良い事を考えていたけどそんな事をしてある場合ではないと思いだして気を引き締めた。
扉の向こうに強者の気配を感じ取り間違いなく扉の向こうにギリワン・ボルケーノが待ち受けていると思っていたらメロとココちゃんが敵兵を撃退して俺のところまで辿り着いて合流したのであった。
合流するのは良い事だけど何で騒ぎを起こすかな、絶対に向こうにバレてしまったなと考えていたら扉の向こうから男性の声でどうぞ入るが良いと言われた。
・・・この様子からギリワン・ボルケーノは俺が来ることを読んでいるなと感じ取り、向こうも今までの敵とは明らかに強さが違うと理解をした。
そうしながらも俺は扉を開けて中に入った。玉座に座っていたのはかつて魔王軍四天王の一人であったギリワン・ボルケーノで見た感じに周りは誰もいる様子はないと感じながらある程度の距離で立ち止まりギリワン・ボルケーノを目と目をみていた。
「テンガよ、お前は臣下の礼をするつもりはないのか。今では誰もが吾を新たな魔王と認めておるのにお主だけは未だに抵抗しているな」
「当然な事だと思いますよ、正式に魔王様からその地位を譲り受けたのであれば俺もあなたに従っていたかもしれませんが魔王様を殺害してその地位を奪い取っても俺は従いませんから。従うとしたらそれは魔王様の妹さんであるアーナス様だけですかな」
そうだそうだ、お前って奴は誰にも頭を下げなくても良い身分になりやがって絶対に許さないぞ。そんなの他のやつが認めても俺は認めないからな。
そんな事を考えているとギリワン・ボルケーノが笑いながらならばそのアーナスから正式に譲り受けたのであればお前も認めるかなと言われたけどそんなことはないから安心しろと言った次の瞬間に現れたのはアーナスであった。
アーナスさん、無事だったのかと一安心していたけど何か様子がおかしい気がしたので警戒をしていたらアーナスから信じられない言葉が出てきたのである。
「テンガ・ヒノモトよ、私は正式にギリワン・ボルケーノ・・・いいえ、旦那様に魔王の座を譲りました。先程の言葉が本当なら私の旦那に臣下の礼をしなさい、テンガ・ヒノモト子爵!」
何を言っているのですか、アーナス!?貴方のお兄さんを殺した張本人ですよ!?普通に旦那様とかあり得ませんからと俺は驚きと意味が不明でとりあえずアーナスに対してお兄様の事は良いのですかと尋ねるとまたしても信じられない言葉が待ち受けていた。
「あぁ、あの愚兄の事ですか。そうですね、私を縛っていたことで深い恨みはあっても恩義などありませんからね。そんな私をギリワン・ボルケーノ様・・・いいえ、旦那様は解放させてくれました。なので私は正式にギリワン・ボルケーノ様に魔王の座を譲ったのです」
これを聞いて少なくても以前のアーナスとは全く違う感じになっているのでギリワン・ボルケーノに対して何をしたと言っても吾はあの魔王を殺した以外は何もしておらぬと何も話すつもりはなかった。
ならばもう戦うしかないなと諦めていた。何があってアーナスをあのようにしたのかは分からないが少なくても敵だと言うことは理解したので武器を構えるとギリワン・ボルケーノの近くからまた別の女が現れ始めたのである。
それはツナミ・ノマレールであり、俺はお前も勝ち船に乗るつもりなのかと少しばかり挑発的な言葉を言うとツナミ・ノマレールは久しぶりに感情を見せるようにして話をしてきた。
「この成り上がりが、ギリワン・ボルケーノ様の何があなたに分かるというのよ」
「分かるわけないよね、普通に考えてあんまり話したこともない相手のことをよく知っていたら間違いなく怖いよね」
そう言ったけどギリワン・ボルケーノが白を切るつもりだろうが貴様に吾のことを調べていたことは既に知っていると言われたけど何のことと俺は何も分からないですけどそう伝えるとすぐに証拠の映像みたいなものを魔法で作り出して見せてくれた。
それは俺とアーシャが火山でルビーみたいな宝石を加工しようとして失敗した時の映像じゃないですか。何!?俺の黒歴史でも公開するつもりなのかと思ってみていたらここでギリワン・ボルケーノが起こりながら俺に対して話したのであった。
「貴様が吾の心臓を破壊したおかげで吾は死にかけたのだ。最もその時には魔王を食べていたから助かったがな」
マジであれはギリワン・ボルケーノの心臓だったの!?それは確かに怒るわなと納得をしてしまった。それにしてもあんな所に置いておく方も悪い気がするのは俺だけなのであろうかと思っていた。
ともかく講和は不可能になってしまった理由もしれたので俺は武器を取り出して早速、勝負を仕掛ける事にした。
「ならギリワン・ボルケーノさんよ、戦う覚悟はできているよな。3対3のチーム戦でも始めましょうか」
そう宣言したのにギリワン・ボルケーノはこちらを見て笑っていた。なんだ、チーム戦なら勝ち目があると思っているのかと思っていたらその理由を教えてくれたのである。
「フッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフ、いやいや済まないな。ついおかしな事を言うなと思ってな・・・3対3?・・・5対1の間違いではないか、テンガ・ヒノモトよ」
次の瞬間に俺は背後から激痛と赤い熱い液体が体からタレ流れ始めたのである。オレはそれを触って見ると真っ赤な血液で間違いなく俺の血であった。
更に攻撃を受けて俺は前の方に倒れ込んでしまった。血が多く流れすぎて意識が朦朧としている時に聞こえた言葉は・・・。
「良くぞ、吾が与えた任務を果たしてくれたな・・・ルココそしてメロよ」
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